2009年12月17日木曜日

Movie: Law Abiding Citizen (2009)


Why do that?...This movie has nowhere the word of "happiness".

 証拠が無ければ法に委ねられない....だが、証拠があったとしても法を破る手段に出ねばならない。物理的直線的な報復という手段を越えて、法の下で泣く人間の裏側で胡坐をかく者達を緻密な展開で覆していく様は、天の声を代弁させた感もある。そして、かつて映画では経験したことが無いほどのテロシーンは我々の背筋を凍らせていく。

 映画の中盤を過ぎると家族を失ったGerard Butlerと検事であるJamie Foxxの両サイドで考えることになる。ここで正義とかを云々する前に自分の立場と摩り替えてみれば自分には2面性があることもわかる。特にGerard Butler側で見た場合、決して許される行為では無いと思う反面、冒頭を思い返せばそこにはまるで人間の暴挙を悲しむ自然界が怒る様ともいえる。同時多発テロ以来、我々は正義というものの位置づけにブレを感じてきた筈。だからなのか、この映画は今でも頭の中で密かに暴走する回路への歯止めを促しているようにも取れた。

 かつて「Death Wish」で感じた不思議な爽快感はいったい何だったのか。今、この映画に置き換えてみると、全く爽快ではなく空しさしか残らない。逆の立場にあるJamie Foxxの家族の場面も例外ではない。

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