2012年5月15日火曜日

BD/DVD: A Ghost of a Chance [Sutekina kanashibari] (2011)


今回は「日本映画の良さ」を生かす脚本に注視。
 日本映画は最近、法廷モノに頼っている傾向にある。法廷モノは所謂言葉の綾を楽しむ面白さがあることから、脚本への依存度も自然と高まる。裏返すと日本映画はアクションのような動きで楽しませる作風を成功させるには大きな壁があるのだと思う。または、わかりきったアクションものが出すぎたのかもしれない。かつてのAkira Kurosawaの「Seven Samurai」のような斬新なアクション作品創出が不能になってきたとも言える。日本的な雰囲気はやはり静的な情緒の中での巧みな語りとユーモア。。。今回の作品もここに視点が寄せられる。

 この作品は超心理的なテーマなので素直な気持ちになれない点もあるのだが、今の現実が違和感の多い分、時間をかけずに映画に嵌り込んでいく。そう、なんだか違和感だらけの現実の襟を正す感覚で見れる映画である。現実とバーチャル。存在と非存在。並ばせられないもの達を並列的な視点に置いたところが面白かった。

 しかし感想をひとことで纏めるなら...。Eri Fukatsuがいつも以上に可愛く映っているのが一番のポイントだったりする。