2013年5月19日日曜日

BD/DVD: EL&P 40th Anniv. Reunion Concert (2010)


初のブルーレイで観るEL&Pコンサートもの。ちょっと不安があった。というのも、指が思うようにならなくなったKeithだったり、太りすぎたGregだったりもあるが、今でも「Pictures an at exhibition」「Ladies and Gentlemen」以上のスリリングな音源に出会っていないというのがその理由だったりする。本来は「Works」の頃のオーケストラと組んだコンサートを3枚組規模のものにしてくれれば嬉しかったのだが、希望に反して「商業的」度が気になるものだったものだ。Carlに代わったCozy時代の音源はかなり評価できるとしても、ドラミングの違いは容易に受け入れられなかったし、90年代に日本で観たコンサートも便利さに流された感じで、最早アナログ時代の巨人達という感じではなかった。

 今回の映像は、Amazonでも在庫確保に半年くらい要したようで、欲しいときに観れなかった一品。やはり全盛期のパフォーマンスとは言えないものの、ファーストやセカンドのアルバムにウエイトを置いた構成は共鳴できるものだった。それにしてもGregのあの高い叙情的な歌声はもう聴けないようだ。同時に、あの頃のKing Crimsonとの接点も消滅してしまった気がした。
 全体的には一時期よりは見応えの有るものになっていたと思うし、ブルーレイというメリット(一部デメリット)があるにしろ、演奏熱の部分は久しぶりに伝わった。加えて最近ASIAのコンサートでも観たCarlの存在がより大きく映ったのであった。

2013年5月10日金曜日

Movie: Stand up guys (2012)


ユーモラスな組み合わせな映画なのだが、シリアスな要素が前面に出ていることで、簡単には笑に浸れないけれど、ロートル三人の仕草には、コメディ映画にはふさわしい時代錯誤があることや、ある意味人間の理想的な生き方が感じられるため、ちょっと異色な映画になっている。

   Valの格言的なセリフは印象的。そこには良し悪しの感覚をマヒさせるような深さもあったりする。
   この映画は70年代に取り上げられたロードムーヴィーのスピリッツを糧としている感じで、時代のギャップをいかに映し出すかという結論の一つが長い間の収監ということで納得できる。こういう設定は違和感を洗い流す意味でも面白い。
 観ているうちに時代の流れを考えてしまう自分がいるのだが。例えば、アメリカ社会からすれば、中国人や韓国人に対する目線は一昔前と変わらないようで、あの頃のアメリカンシネマにおける必要不可欠な要素だったことを改めて認識したものである。
  もうひとつのポイントとしては、この短い時間の物語を何年も掛けているようにしている撮り方がいい感じだ。
  ラストシーンはありがちなのだが、この物語では最も必要とされる選択だったと思う。