2011年5月23日月曜日

Movie: Pirates of the Caribbean: On Stranger Tides -3D- (2011)


 Will TurnerやElizabeth Swannがメンバーから外れた新展開。監督もミュージカルを得意とするRob Marshall。そういう方向にいくのかと思いきや、実際は「Raiders of the Lost Ark」に近い展開のほうに持っていかされた。

 前作までのDavy Jones対Jack、そして取り巻くWillやElizabethの交錯する構図から、皆が泉を求めて向かうベクトルの構図となったためかストーリーに入りやすくなった反面、決められたライン上にある物足りなさも見え隠れした。だからか人魚あたりのエピソード以降が早回し的な感覚を得たものだ。

 ところでこの映画を3Dで観たのだが、3Dである必要性がもうひとつ理解できない。地方特有の小スクリーンに3Dをつけたところで眼を疲れさせるのがオチだ。むしろ2Dの大画面で見るほうがよほど価値がある。予告や広告の3Dの度が突出しすぎて本編が大人しく見えた他、いろんな面で腑に落ちない点が尾を引いた。

2011年5月12日木曜日

Movie: Black Swan (2010)


 バレエという華やかな舞台の裏側に蔓延る人間の腹の内側を、ひとりの清純で完璧主義の女性の立場から描く一種のダークサイド物である。映画を見ていると呪縛的な部分はどこかかつての「Carrie」に共通する部分もあるし、閉塞性では「The Wall」にも近い。それよりも、先に見た「The Kids Are All Right」との接点がありすぎで驚いたものだ。
 Natalie Portmanがこれだけの女優になったわけだが、あの「Star Wars」ではじめて見た印象は今でも消えないが、今では女性版Robert De Niroにもなりえる存在感だ。 ホラーでグロな要素もありつつ美しさと不気味な両面がうまく描けているが、ただ、最後のサスペンド的な部分が何か腑に落ちなかったりする。

 Mila KunisはNatalieとは反面性で、いいコントラストになっていた。

Movie: The Kids Are All Right (2010)


 とても面白い作品になっている。久しぶりに飽きのこない作品に巡り合えた。
 普通な感覚を持ちながら、社会的には普通ではない家庭が舞台となっている。そのためすぐに転覆しそうな感覚が映画の全編に渡る。これは最近のアクション映画やサスペンスものよりもドキドキしてしまう。一瞬にして離れそうな関係。これがある男の存在により如実になっていくのだが、興味をそそるのが男が今の世の中において普通過ぎる程の普通な男であること。つまり普通を周囲が否定しているかのような展開...!?。これにはまいった。この視点は考察に値する。

 こういった作品が近場の映画館で簡単に見れない。日本って大丈夫なのだろうか?。

2011年5月10日火曜日

Movie: Unknown (2011)



 序盤、'70年代のカーチェイス・アクション映画のように、そのつくりは古典的であるものの安心感があった。冒頭から暫くはこのわかりやすい物語に嵌る。しかしこの映画には二度転機が訪れる。ひとつは映画の目論むタイトルの意図する「きっかけ」を境にしたところ。もうひとつはギャラリーでの二人の接近シーンあたりである。第一の転機においてはサスペンスではお馴染みの謎解きのテンプレート上にはあるのだが、第二の転機あたりからは、イメージのレイヤの違いが露呈。「'70年代的」という言葉が消え去ってしまった。同時に安心感も飛んでいった。そこまでは自分の中で、Liam NeesonやBruno Ganzの出る(安心できる)映画として信じきってしまっていたのだ。最後はなんとなく解決させられてしまった感がある。ちょっと後味が悪かった。

 一番興味をそそられたのが、元東ドイツの秘密警察といった設定。この辺をもうすこし要素にして欲しかったかも。