2014年11月23日日曜日

Movie: Interstellar (2014)

 過去に「2001: A Space Odyssey」、「Close Encounters of the Third Kind」「Planet of the Apes」の映画を観てきた中で、今回のこの映画に照らして言えば、今までわかりやすかった現実とSFの間のグレーゾーンを別の色に塗り替えてきたことにより心地よく鑑賞することができなくなった...というのが正直な意見。
 割り切った言い方をすれば、この映画は2つの見方ができるのではないか?。ひとつは現実と科学の可能性を個々の頭で考えながら何かの器に押し込めようとする見方。もうひとつは「A Space Odyssey」のように映像美を軸にした世界観を肌で感じる見方。自分は後者寄りだったが、IMAXで観るともっと感動できるのかもしれないと思った。
 終盤までなにかしっくり来ない印象を持ちつつ観るのだが、最後あたりでツギハギなところや、無理矢理なところを横目に観ながらもなにかに落ち着こうとしているものは感じ取れた。映画ではAプランとBプランの選択が提示されるが、地球滅亡〜人類存続をテーマにしているというよりも、「家族、人の繋がり」などが本当の主題にあるような映画だったと思う。
 Ellen Burstynがこのような役どころ。昔を思い起こすと、時間の流れを感じざるを得ない。


2014年11月9日日曜日

BD/DVD: BABYMETAL LIVE LEGEND 1999 1997 APOCALYPSE (2014)


 BLU-RAY版とヘッドフォンで初めてのBABYMETAL長編ライブを楽しむことにした。
 ヘッドフォンは特に奨励である。それだけ集中するに値する音源になっているのだ。もしTVのスピーカーでボーカル音量が小さく感じたのなら、ヘッドフォンを試して欲しい。

 "LEGEND 1999 YUIMETAL & MOAMETAL 聖誕祭" はライティングと色調にやや戸惑うのだが、カメラのアングルと切り替えの素早さでアーティストの表現を巧く捉えていると思った。聖誕祭の目玉である2曲はハロプロ関連。メタルアレンジのためか懐かしいというより新しさが勝る出来。
 "LEGEND 1997 SU-METAL 聖誕祭" はライブの臨場感が強烈に伝わってくる。映像作品としてはこちらのほうが好みである。SUの歌う「魂のルフラン」の歌唱クォリティーが高いのが特に驚き。あわせて「紅月」のバラードバージョンも同じ評価としたい。
 
 「ギミチョコ!!」は同様の場面がYouTubeで流れているが、BLU-RAY版を観て聴いて思ったのは、小型船舶とタンカーの差ほどの違いを印象づけられたこと。説明無用。とにかくこっちの映像を観るべきである。

 BABYMETALはおそらくメタルロックとアイドルポップの融合だけでなく、MCに代わるピクチャーストーリー(意味を含みつつパロディを織り込まれているのが楽しい)や、舞台劇的なアプローチ。さらには日本の唱歌などもすべて合わせて融合しているところが多くの人を魅了しているのだと考える。「麻薬のような音楽」と海外で評される点がそこにあるのかわからないが、このライブ映像だけでも何度もリピートして観てしまうから不思議だ。

 感想として、最後には涙が出るほど強烈なインパクトを持っているチームだと思った。買って損どころか、感動のお釣りがたくさんかえって来たのだから。

2014年11月3日月曜日

Movie: The Equalizer (2014)


   この作品、1970年代のクリミナル・サスペンスが好きで、特にCharles Bronsonの「Death Wish」が好きな人にはたまらないかもしれない。所謂この手の正義感をもって悪に対抗するストーリーはヒーローの危機一髪的なピンチシーンが付き物だが、ここでは超越したスキルにより負けない安心感がある。何かかつてのBruce Lee作品のようでもある。

   Denzel Washingtonも強すぎることもなく、弱すぎることもなく、かといって普通すぎることもないハマった存在感で、見ていて気持ちがいい。個人的には「Training Day」以来の飛び出た作品と言ってもよい。

   映画は時代を背負う。ロシアの犯罪組織が出てくることで、米露の情勢不安定がよくわかる作品にもなっているが、ソビエト時代を描いたClint Eastwood 「Firefox」のような国境の堅牢さが感じなかったのは、そこまで深刻な国際情勢ではないのか、はたまた、やや物語の中に甘さがあったのか。ちょっと関心が行くところである。