2019年12月21日土曜日

Movie: Star Wars: Episode IX - The Rise of Skywalker (2019)


 ドイツ帝国を相手にする日本の侍が宇宙を舞台に西部劇風のアクションで戦う物語。こんな感じなのだろうか。シリーズ的に言えば、最初の3作品の頃が技術的に途上であっても魅力溢れていてよかったと思うのだが、時代を過ぎると不必要な技術がかっての興味を薄めさせてしまい、なにを対象に興味を持っているのかが見えなくなってしまった。
 冒険活劇から始まったこの物語。以前はスッキリとした展開だったはずなのだが、途中でドロドロしたものが目につくようになり、最後には叙情性を持たせてまとめたようだ。

 さて、9話目で最終話になった本作品。エピソードイIVの展開(いわばルール)を基本的には守っているが、やはり活劇というより感情劇になっているため玉座の間のような大円団にはなっていない。戦いの密な描写を捨てて、レイやレンによるロミオとジュリエットの流れが待っている。求めていたものとは違うのが気になったが、まずは完結できたことを祝いたい。

2019年11月30日土曜日

Movie: The Irishman (2019)


 この映画の興味は二点に絞られた。
 一つは70年代のマフィア映画をゴッドファーザースタイルで描いているところ。淡々場面は切り替わって行くのだが、ここぞといった場面でのゴッドファーザー感は半端ない。そしてもう一つがビジュアルエフェクトである。中年から老年までのデニーロをはじめとする登場人物の年齢操作は「驚き」以外の何者でもない。

 こういう映画を劇場でやっても、集客できないと思われる今の日本の映画興行事情を悲しく思うのである。



2019年11月2日土曜日

Movie: Yesterday (2019)


 もし、60年代にビートルズが世界を席巻していなかったら、彼らの音楽自体が存在していなかったら、そういった仮説をミステリアスな場面設定で描いた作品である。これは、一種の異なる世界線に入り込んだフィクションなのだが、多分、設定としてはジャック以外の人々上でも一応、ビートルズは存在しており、突然、記憶や証拠など全て消えたという状況設定なのだろう。逆に、全くビートルズが存在しなかったら、という設定だったらという興味も沸くので、この手法には色々と期待できるものがあった。
 最も面白かったのが、エド・シーランやケイト・マッキノンといった脇役の絡みと、検索サイトの結果表示。脚本が生きていた印象深い部分である。

 ビートルズ音楽を挟んだ英国と米国の場面の差も関心を持った点。プレスリーを扱えばどうなるのかも興味あるところだ。

2019年10月20日日曜日

Movie: Joker (2019)


 アメコミ原作ではあるが、知らなければ立派なサイコ・クライムストーリーである。背景は60~70年代らしく思えるので、時代に合った社会問題と合わさった狂気の世界を生み出している。狂気の世界と言えば、ベトナム戦争を題材とした狂気表現が、音楽や絵画でも示された頃なので、映画の中でのブラウン管テレビや、落書きに塗れた地下鉄などが物語に
重みを加えていた。

 面白い話ではあるが、同時に社会の在り方も考えさせる映画。ブルースとゴッサムの名前が緊張を解いてくれるものだった。


2019年9月1日日曜日

Movie: Once Upon a Time... in Hollywood (2019)


 これは素晴らしい映画。特に60年代とか70年代の映画とか風俗文化に肩入れしている人には間違いなくジャストミートな映画である。有名2大スターが、これを引きたてているのは間違いないが、それよりも当時のイメージに拘っている部分について、当時の俳優のエピソードなどを頭の中で紐解きながら慎重に見ていく流れが作られて、楽しさで満たされる。しかも、終盤ではタランティーノ特有のタッチが待ち受けているため、アクションだけを期待していた人でも、そこだけで満足するに違いない。
 音楽もまた良い選曲が続く。最後の場面は、映画を観る前の成り行きと異なっていると思った人も多かったかもしれない。これは監督がヘルター・スケルター的ではなくアウト・オブ・タイム的に仕上げたという意味で評価できる。


 クレジットにあったけど、”TORA! TORA! TORA!”のポスターってどこかで登場したのかな?

2019年8月25日日曜日

Movie: Rocketman (2019)


 日本ではエルトン・ジョンの知名度がどの程度か、わからない。少なくとも「ユア・ソング」あたりは知っているとは思えるが、一連の曲とアルバムの時系列、エルトンを支えるスタッフを知らない場合、単なる幸福ではない家庭から有名になった天才の異常な足取りでしかない。この映画には’70年代から’80年代の彼のロックシーンでの位置付けが重要な要素となるため、ある程度の知識がないと「すごい」のか「変人」なのか、それ以外なのかが未解決のままになってしまうと思う。
 映画ではジョン・レノンから芸名を借りるシーンがあるが、実際のレノンとの共演場面とかがあってもよかったのでは。ジャイルズ・マーティンだったらやると思っていたが。




2019年7月21日日曜日

Movie: Spider-Man: Far from Home (2019)


   大宮にて、ドルビーシネマ+3Dで鑑賞。簡単に言うと、スーパーヒーローには物足りない代わりに、ヨーロッパ旅行の疑似体験に加えて、学園ラブコメまで楽しめる映画だ。
  ドルビーシネマは追加料金を払う価値はありそう。兎に角一度は体験すべきだし、映画館に足を運ぶ意義を呼び起こしてくれる武器になりえると思った。

  夏休み映画としてはOK。ただ、今後に期待するほどのシリーズとは言えない。


2019年4月30日火曜日

Movie: Avengers: Endgame (2019)


 アメリカ人に問いたい。クリントン、ブッシュ、オバマ、トランプが同じ画面上で罵り合う場面は見たいか? 或いは協働で世界のテロに立ち向かう姿が見たいか?
 70年代~80年代頃までの劇場で見る映画には、自分の生活と対比した中で愉しみはもとよりヒントを求める自分の姿を描いていた。映像技術や音響技術はあくまでもオカズでしかなく、肝心な部分は演技者とその場面展開と心の弦をかき鳴らすほどの同調性ではなかっただろうか。2000年代になり、一体何をしに劇場に足を運んでいるかが疑問を呈す中で、今回この3時間ものエンタテインメント映画に臨んだ。そういえば昔、「怪獣総進撃」っていう映画があったけど、あんな「違和感」の中で見たアメリカ映画だ。

 アメリカ人に問いたい。ハンバーガーの間にピザを挟みたいか?或いはチェリーパイを挟みたいか?

2019年2月9日土曜日

Movie: Aquaman (2018)


 年末にマドリードに滞在していたとき、ショッピングモールではこの映画をやっていたが、流石に観ることはなかった。日本では今週からの上映となる。劇場は混み合っていたが、そのほとんどは日本アニメに流れたようで、公開週の土曜日としては、まぁまぁに入りだった。

 この映画はのおすすめポイントは、撮影が面白いところ、最初にNicole Kidmanが戦う場面でそれがよくわかる。ちょっと今までの感覚とは違うと感じるだろう。とはいえ、全体的には無難な作りなので、当たり障りのない特撮シーンで淡々と展開するのみ。どこか「Star Wars Episode I」との共通点を感じたりもするが、終盤の壮絶なバトルシーンでは敵なのか味方なのかわからないままなので、感情移入も皆無である。

 エンディングの曲「Everything I Need」を歌っているのはSkylar Grey。なかなかいい曲になっている。