2012年12月23日日曜日

BD/DVD: Led Zeppelin: Celebration Day (2012)


  一時は魔術のためにか、はたまた金のためにかギターの腕が落ちたと噂されたJimmy Page。70年代のライブと、その後のライブエイドやザ・ファームあたりとで確認すると、確かにあの頃はそう思えていた。級友Jeff Beckよりも音楽ビジネスでは優等生だった筈のPageも、彼のカリスマ性はどういうわけだか20年以上前で途絶えてしまっている気がしてならない。
 今回のライブはそういう意味も踏まえ、懐かしさよりも不安のほうが先走っていた。Led Zeppelinは今でも、真似のできないバンドの一つである。よく「完コピ」バンドと言われる輩も彼らのソウルの一握りもコピーできないであろうと確信している。そう考えると、先に書いた「腕が落ちた」という文言は自ずと否定される結果に。つまりまとめると、真似のできない...しかもテクニックでは語れないフュージョンバンドこそがLed Zeppelin!!。今回の映像を見て、かつての「The Song Remains the Same」と比較しつつもやっぱりそう思えた。

 このライブのポイントをいくつか書いておこう。

  1. Robert PlantのMCがRobert Johnsonなどを引用しつつ結構渋い。
  2. John Paul Jonesはスタビライザーのような位置づけ。彼の楽器類にも注目。
  3. Jimmy Pageが一番「おっちゃん」ぽいが、アクションはやっぱりPageだ。
  4. Bonhamの息子Jasonのドラムもいいが、バックボーカルにも注目。
  5. スクリーンに映し出す映像あたりの近代技術によって古典性を薄れさせているのが残念。
  6. セットリストは有名曲中心のいかにもファン向け。そんな中「Trampled…」あたりが嬉しい選曲。
  7. ボーナスDVDはリハシーンなど。これもある意味驚きの構成。

 昔のインタビューで彼らは自らのカテゴリーを「ハード・フォーク」と語っていた。ところが現代では周囲が変貌しすぎたために「フォーク」という位置づけが微妙になっている。彼らはThe Beatlesあたりとは違い、タイムスリップしなければ、満足して聴けない数少ないロックバンドなのだ。

2012年12月17日月曜日

Movie: Skyfall (2012)



   50周年とか。ボンドシリーズは、今では「サザエさん」や「美味しんぼ」よろしく、真っ先に時間軸を超越して変わるものと変わらないものの乖離をエンタメに取り込む不思議観を臭わせる。
   当初は知的スパイものという印象が濃かったが、世界巡りがボンドシリーズのお約束的に扱われるようになったことから、見方も変化して行ったものである。それはNHKが「Columbo」から「McCloud」へ移行したときの感覚に近い。
  近年のアトラクション展開は「Mission:Impossible」あたりに引き継がれているようだが、ただ、もう、斬新とは言えないロケ地巡りのようなアクション連鎖は食傷ぎみ。確かに飽きないで観れる反面、凄さよりも水戸黄門のお決まり印籠パターンを期待して見ている気にもなり、あまり頭を使わないで見ている自分を残念がる結果に。

  今回は、さらにスーパーマン化しているボンド。Connery時代の危機一髪観はない。その上、世代交代の波がきたのか、Judi DenchのMや、過去のボンドの家との別れもある。ノスタルジックにならず、ストレートに楽しむならばOKな作品だ。

  懐かしいアストンマーチンの場面では多くがGold Finger にかぶせたことだろう。それと、エンドクレジットで喜界島が漢字表示されたのは驚き。上海だって英語表記なのに。


2012年12月11日火曜日

Movie: Salmon Fishing in the Yemen (2011)


 Lasse Hallströmは「Hachi」の監督さんだけに国を飛び越えた人類に共通する感覚を提供してくれている。この映画は英国的な殻を被った映画のようで、多国籍な匂いのあるギャップが面白いし、なんだか日本人の感性と通じるものが多々あった。

 ただ人間ドラマと考えるにはあまりに恋愛関係などが大味で、サバサバし過ぎている感は否めないのだが、合間合間になかなか良いセリフがあれば、必要悪よろしく気持ちを合わせてしまったりするのである。

 全般的には「悪いことでも良いことで書き替えて行こう」という姿勢の物語。それなのにRobertの立場で考えると、彼のチョッとしたセリフで悪い立ち位置のままにされている部分はどうなのか?とも思うし、Dr.Jonesの奥さんはどこがどうなの?とも思う。そういっことをふまえると偏ったサクセスストーリーとしてのイメージを残した。

 ところで鯉を「Koi-carp」って言ってたね。

2012年11月20日火曜日

Movie: Evangelion: 3.0 You Can (Not) Redo  (2012)


 率直に言えば、いきなりこの作品から鑑賞し始めた人には、何だかわからないまま、暫く映像の世界だけに目を凝らすことになるのだろう。
 つまり、ある程度のテレビアニメ版の知識と、劇場版の前作は知識として横に置いておく必要がある。アニメ版を観ていた人ならわかるが、14年の時のへだだりは直接登場人物の容姿に影響を与えていないものの、キャラクター像の立ち位置の変化でそれを感じることができるし、寧ろそういう世界観だったことを再認識させられるのである。
 冒頭からやや戸惑った。ストーリーの真の部分は分かりやすいはずなのだが、 中盤でいろいろと繋がりが見えてくるまでは、戦闘シーンをマトモに受け入れ難い感じがした。かつての地上を舞台にした感覚から空の世界がメインになっていることへのギャップもそのひとつ。
 面白い場面として、シンジとカヲルの連弾。即興にしても、これだけシンジが上達するものか!と疑問を投げかける自分を自分から打ち消したくなる不思議観。そしてアナログ世代のDATともまた不思議に絡み合うところもまた時空を超えた効果であろう。

 平日の昼に満席だった劇場。意外?女性が多かった。
 最後はHikaru Utadaの歌。やっぱいいね。
 邦題:「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

2012年11月19日月曜日

Movie: Crossfire Hurricane (2012)



 邦題はローリング・ストーンズ『クロスファイアー・ハリケーン』。

 バンド結成50周年を記念した作品で1週間限定公開。来月にはDVD化もされる予定らしい。

 流石にMartin Scorseseのクレジットがあると良い編集が期待できる。事実、タイムラインをそのまま語る展開ではなく、いきなりMSGの映像を持ってくるところは粋であるし、60年代~70年代にかけての時代背景描写も巧みに絡めてくる部分は評価できる。

 今までThe Beatlesと対比して白と黒の関係をこれだけ強調した映像は無かったように思うし、本人側からでなく周囲から塗られた黒さを掲げて活動を続けるバンドの姿にこそドキュメンタリーの本質なのだろう。

 映像でも分かるとおり、華やかのイメージというよりインパクトのあるブルースコードを使ったアクの強さで、逸れ者達を味方にしてきた彼等。本当の意味の有名とは裏腹な存在感だったこの問題児達は、やがて、ならず者ながらもメインストリートを闊歩する存在へ。この作品ではRonの加入あたりからその雰囲気が変貌する。

 全体として、良いドキュメンタリーに仕上がっている。ただ50周年記念作にしては前半の20年くらいしか語られず、(確かに、後の30年はあまり激動の時代とは言えないが)やや物足りなさも感じた。


 映画では語られないが、Stonesが「Goats Head Soup」の広告をMusicLife誌に掲載していた時代には、既に日本公演中止となった年としての暗い印象しかなく、同時代にはクレームの出たElton Johnの日本公演などもあり、まだまだライブの形が成熟していなかったことも、時代ながらのドキュメント性を高める要素であることは間違いない(おそらく確立したコンサートすたいるになるのは、70年後半あたりからだと推測する)。
 
 個人的にはBill Wymanの久しぶり感が半端なかった。

2012年11月5日月曜日

Movie: Abraham Lincoln: Vampire Hunter (2012)



 大衆を囲って演説するリンカーン。考えてみればあんなに遠くまで演説が届く訳がない。それでも一斉に拍手。最近ではこういう疑問であっても、(最近のアニメでも言えるのだが)簡単にスルーされるようだ。無論「フィクションだから」と言ってしまえばそれまでだが、何でもかんでも「有り」にしてしまうのはどうかと思う。
 スピルバーグの話題のリンカーン映画公開前だけに、ある意味で「繋がる部分」を期待して観た人も多いのではないだろうか。自分もそのひとりなのだが、率直に言わせてもらうと、起因はどうあれリンカーンでなくても誰れでも良かった物語であって、歴史的に無理やりのこじつけ感のほうが脳裏に残った。確かに映像は現代的にしっかりと作られている。だからこそ、この古風な場面の数々を無駄にしていないか?と余計な心配が巻き起こるのだ。
 Tim Burtonが製作でクレジットされていたので、やや期待しずぎたのかもしれない。

2012年10月26日金曜日

DB/DVD: Drive (2011)


 年に2、3本は重い作品に出会う。これもその一本であるが、描き方が通常の重さとは異なる部類もの。意外性が前面に出た。
 まずは、まるでかつての日本映画のような間合いがあった。いったい何を見る側に求めているのか、或は考えさせるのか、凝視するだけでは片付かない何かがある間合いである。その間合いとおどろおどろしい音楽により、息を呑むのシリアスな展開かと思わせるのだが、実は「Kill Bill」のようなサスペンスの隙間にあるフェイクも垣間みえたりするし、対決の場面においても、意外なほどに無防備だったりするストレートさが異空間を作っていたりする。とどめはエレベータ・シーンのようなキスとバイオレンスのギャップ、全体的なライティングのあて方、シーンとシーンの連続性をあえて絶つかのごとき潔い場面転換など、興味のベクトルは多彩に広がる。単純にバイオレンスとかサスペンスとかカーアクションでは片付けられない作品になっていた。

 途中では女の亭主との厄介な問題がおこることを期待していたが。。。この辺でも普通と違いなにかがあった。


2012年10月22日月曜日

Best-Selling Album in USA…I don't think you know it.


 アメリカで年間トップに輝いたアルバムの歴史は面白い。

 60年代中までは、映画音楽やイージーリスニング、ジャズのアルバムが年間のトップを占めていた。


 ポップ・ロックアルバムとしては、モンキーズの「More Of The Monkees」('67)が最初となる。それ以降はロックアルバムが当然のように顔を出すのであった。


 ちなみに、ビートルズやローリングストーンズ、レッド・ツェッペリンのような英国でトップ常連となったアーティストは全米アルバムチャートのトップにはなっていない。
さらには、'77に相当売れたイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」や'80年代に旋風を巻き起こしたマドンナの「ライク・ア・バージン」も年間トップにはなっていない。

 そう考えると、アメリカ人受けするアルバムは、映画、ジャズ、ポップ、ダンスなどの流行の波の中で年齢層に拘らないアルバムであることに加え、流行の連れてきたライバルの有無もキーとなっているようだ。例えば、’83のマイケル・ジャクソンの「スリラー」は他の時代的にかなり売れたアルバムを簡単に蹴散らした。「スリラー」は’83、’84の2年連続でトップとなったとんでもないモンスターアルバムであるが、2年連続アルバムとしては過去2回存在しているのも驚きだ(’57、’58のマイ・フェア・レディ(ブロードウェイ版)と’62、’63の「ウェスト・サイド・ストーリー」サントラ)。




 昨年、全米でアルバム年間トップとなったアデルの「21」。実は英国人としては、’97のスパイス・ガールズ「スパイス」以来の14年ぶりであったそうな。過去英国人としては、’68のジミ・ヘンドリックス、’74~’77のエルトン・ジョン、ピーター・フランプトン、フリートウッド・マックがピークだったのだが、これは英国サウンドを受け入れたという時代(’60年代)を隔て、アメリカナイズされた英国サウンドの完成型というスタイルが主流ともいえる時代だった。



 その後、ディスコ、パンク、テクノ、ユーロ、そしてビジュアル化メディアへのアプローチとして注目されるのが’80前半。映画にもなったピンク・フロイドの「ザ・ウォール」はビジュアル志向のコンサートとして歴史に残る。’82の「エイジア」は英国の元プログレロックバンドのメンバーとして異例ともいえるトップを獲得。シンセサイザーのデジタルパラメータ化などサウンドアプローチも売り上げを後押しした感あり。




 ’90年代になるとほとんどがジャネット・ジャクソンやバックストリート・ボーイズなどの自国アメリカのアーティストがトップを占める中で、ヒット映画のサウンドトラックも売れた。’93「ボディガード」、’94「ライオン・キング」、’98「タイタニック」、いずれもトップに輝いた。




 2000年代ではストリート系など新しい分野への傾向が強くなる。リンキン・パーク、50セント、アッシャー、マライヤ・キャリー、テイラー・スウィフトなど。特にエミネムは’02と’10の年代を飛び越してトップをとっており、これは凄いことである。



 やはりなのか、アメリカで年間トップとなるアルバムは英語圏の国であるが、アメリカ、英国以外にもカナダがランクインされている。そういえばニール・ヤングの「ハーベスト」’72は名盤だ。

 そういえば、若者に人気のマイリー・サイラスの父親ビリー・レイ・サイラスの「サム・ゲイブ・オール」も’92の年間トップアルバムを獲得している。





 この傾向とグラミー賞のアルバム・オブ・ジ・イヤー賞を見比べてみるのも面白いかも。ちなみにアデル「21」はもちろんダブル受賞である。




2012年10月9日火曜日

Movie: The Hunger Games (2012)


  話題先行型の映画。過去、「バトルロワイアル」等の殺し合い、生き残りものは多様にあったが、この作品には、どちらかといえば王道モノとして期待していた。しかし、その期待はかんたんに崩されたのだった。

  構成はテンプレート的、序盤の緊迫感薄の流れを歓迎しなければならなかったのは、後半の予想を超える場面展開を信じていたからかもしれない。SFでありながらも.中世の抒情的な感覚もあることも期待の範囲だった。

  ところが、実際は余りにも残念。チートという単語が頭を駆け巡るほど王道から掛け離れたものでしかなかったのだ。その残念さは映像効果にも飛び火した。例えば、炎のCGが安っぽかったし、猛獣がオブジェに上れないなどの違和感も満載で、現在の映画市場のあるべき姿にまで疑念がおこったほど。
  ただ、デザインには、力をいれているようなので、そういう感覚で見るなら受け入れられるかもしれない。

  映画の世界観は、実は、中国共産党政府という感じ。


2012年8月27日月曜日

Movie: Prometheus (2012)


 「Alien」の前日譚として作られたらしい本作品。無論、暫くは全く接点の無い雰囲気で進んでいくため、独立的な物語として観ていたのだがH.R.Gigerのデザインが出てくれば否応無しに「Alien」との関係を見つけ出そうとする自分が登場し、なんだか歯がゆくなる。
 当時の「Alien」を劇場で観たときのショックは今でも思い出されるのだが、あの時代から数多くの派生作品が出てきたこともあり、今回の作品がどんなに映像世界を確率したとしても感動やショックは生まれない。残念ながらもうこういったアプローチは今の時代には通用しないことを痛感させられた。

 もし頭の中にRidley Scottの過去の作品や「Avatar」「War of the Worlds」で感じたインパクトが生まれてこなければ、もうすこし高い評価になったのかもしれない。しかし今さら観たいタイプの映画ではないことは事実だ。


BD/DVD: J. Edgar (2011)


 Clint Eastwood作品だと思わせる全体に暗さを強調した展開。一連の彼の作品と比べても出来具合に大きな差はない。とっても面白い話ではないこの映画。むしろ’60年代をよく知る人ならば別の意味で楽しめるかもしれない。ただ、そんな内容であっても目は引きつけられる。Hooverの晩期と勢力的な時期とが交互に展開される言わばよくある作風を持ち上げているのは、本筋をそらさない脚本にある気がした。Eastwoodで思い出されるPaul Haggisの面影まで感じさせる脚本になっていると思った。

 映画に沿って、いろいろなニュース連想が生まれる。コミュニズム、図書館のインデクシング、リンドバーグ誘拐事件、ケネディ家2つの暗殺事件、同性愛、人種差別、女性の職場台頭など。この映画はもしかしたら、時代のダイジェストをFBI長官という題材で見せているのかもしれないが、残念ながら今との(ひとの関わりにおける)違いまでは見つけられなかった。


2012年8月21日火曜日

Beijing 3days

My family went to Beijing in Summer holiday. 11th/Aug - 13th/Aug
We walked around about the Forbidden City, Wangfujing Street and Happy Valley.
We had a good time but it was hot day.

Tiananmen

Forbidden City

Wangfujing

Happy Valley

2012年8月3日金曜日

Movie: The Dark Knight Rises (2012)


前作から4年くらい経っていることもあり、過去作品の復習が必要だと久しぶりに感じてしまった。観ている間、「そんなことがあったなぁ」と押し入れを弄るように記憶を呼び起こしていたのだから。

 相変わらずに暗い世界観の中で著名な俳優陣を鏤めるChristopher Nolanの演出である。だがシーンアレンジメントは長編映画でも飽きさせない何かがある。回を重ねる毎に規模が大きくなる中で、かつてのMichael Keaton主演のシリーズさえ懐かしく思える接点が出てきているようだ。それどころか一連の地球滅亡パニック映画とか、「Star Wars」にも共通する登場人物のブレを面白さに変えていく手法もあったりして、やはり観客動員の多さを納得させられる作品だなとも思えた。

 ところでコロラド事件があったことを考えると、中盤での乱射シーン。加えて日本の原発事故との接点、刑務所の飽和状態などアクションの中の「おもしろさ」が、そのまま世界現実の「恐怖」となっていることも、同時に不安でたまらなく思えるのであった。

 さてこのシリーズにおいてJoseph Gordon-Levittの存在が突如気になり出した。



2012年7月12日木曜日

BD/DVD: Moteki (2011)


この手のコメディものの最近の特徴としては、観客の心に響くディテールをどのように持ち上げていくかの部分にありそうだ。本作品は主人公のモノローグや興味視野の拡散などが多用されているが、いずれも観客の目線の高さに照準をあわせている感じである。ポスターからは、一人の主人公が複数の女性から突然大モテになるハーレムストーリーを想像させられたのだが、実際はそうではなく極々普通の男の人生の一場面として考えた方が宜しくて、しかし、その一方で主人公には近年に感じる社会の荒んだ空気に抵抗する姿勢と自己主張の極端な表現で「危なさ」を感じる位置にあったりすることから、一途という言葉は安易に使えず、なんとなく共感を持つことができない。

 映画の中では15年以上前の音楽世界が展開されていたりするので、その頃あるいはそれ以前の雰囲気が楽しかったりする。ただ、Miyuki彼があまりにもノーマルモードであることから人物像の差異があまりにも大きくなり、このドラマの終盤は嘘臭さが鼻につく。

 結局はセックス云々で話が進んでいくのが、今の現代からみてどうかと思う。まぁ、最近の漫画の路線からしてもエロスやセックスを全面に持ち上げなければビジネスにならない実態はあるようだが。

2012年7月2日月曜日

Movie: The Amazing Spider-Man (3D)(2012)


率直な感想は、わかりやすく、面白く観れた。自分のようにTobey Maguire演じるスパイダーマンのシリーズを観ていた人でも、意外と違和感なく入れる。

 確かに細部を気にすると疑問も出てくるが、そこは目を瞑って良いと判断。Marvelのヒーロー映画にはディテールを突っつくような感想は無意味だろう。

 3D版で観たのだが、一部のビルの場面などを覗いてあまり必要性を感じなかった。と同時に3D分だけ余分に料金を払う意味があるのかを考えてしまった。

 それよりも役者のバランスが面白い。あの話題作「The Social Network」に出ていたAndrew Garfieldと「The Help」のEmma Stoneの新しい顔を前面に押し出し、後方では「Apocalypse Now!」の印象が未だに残るMartin Sheenと「Norma Rae」の名女優Sally Fieldが支える。不思議な安心感があるのは何故だろう。さらには監督Marc WebbはGwen姉さんのバンドNo Doubtの「Return of Saturn」を撮った人なので、ビート感が伝わる影像にもなっている。

 英語版なのにラストに日本のイメージソングは「いかがなものか?」と思う。日本語吹替版ならいざ知らず、やっぱりオリジナルは大事にして欲しい。

2012年7月1日日曜日

BD/DVD Luan qing chun / Beautiful Crazy (2008)


先日台湾に旅行した。思ったより日本に近くもあり、また思ったより中国にも近い感じがした。この映画でも然りで、高校時代の場面で短いスカートに日本的で親近感がでたりするのだが、男を伴うシーンでは中国の雰囲気が漂ったりする。

 この映画の大方は音楽のビデオクリップのような手法で時間や場面の交差をつけながら進行していく。台詞も極端に少ないためにイメージ影像の世界(観る側が独自の物語を感じ取る)といっても過言ではないようだ。

 Angelという女性が沢尻エリカ風の印象が強いこともあり、沢尻に持っていたキャラクター像と被って観てしまう自分がいるのだが、ちょっと遠目に観ると、女子3人の立ち居地と愛情表現が微妙にシーンに現れつつ変化するところが見所なのかもしれない。

 興味を持ったのがAngelが憤りに近い感情を以って親父に向かって「いってきます」「ただいま」を何度も口にするシーン。面白くも壁の時計が古い電池式の振り子時計。さらにテレビも古い。振り子に注目していると親子関係を代弁するような時間軸と変化を感じ取れる。

 また台北に行って色々な牛肉麺が食べたくなった。


2012年6月28日木曜日

BD/DVD: Extremely Loud & Incredibly Close (2011)



 誰しも英文字が3文字くらいの言葉を使い、難しい意味を手中にしたかのような言いようの無い征服感を得た経験があるだろう。難しさを楽に得た瞬間はなんとも言い表せないものである。
 ところがある人の側面から見ればそれは難儀なものになり、無駄な解釈や処理も増え、最悪なケースでは金儲けのための仲介者に依存しなければ
ならなくなる。そんなことが映画を見ている間、頭を過った。


 この映画は、一人の子供の頭の中にある葛藤を、街中にぶちまけたかのような展開。9・11を経験された遺族の代弁となっているかどうかは知る由もないが、錯乱を正当化するような流れはあまりにも受け入れがたい。Tom HanksSandra BullockMax von Sydowのような名優を並べて期待させ、名作っぽく仕立てる雰囲気に難癖つけるつもりはないが、極論すれば一部の自己満足で成り立っている映画としか思えなかった。Black姓の人の繋がりが意図する部分もよくわからなかった。

 主人公の少年の態度を素直に第三者の目で見る懐の広さがあれば、もっと興味を持って見れるのかもしれない。


2012年6月24日日曜日

BD/DVD: From Up on Poppy Hill (2011)


 日本では今、政治や社会に言いようのない閉塞感があることからか、1960年代を回顧しつつ未来の活気に繋げようとする流れを感じる。
 あの「三丁目の夕日」ではオリンピックを準備する東京の熱気を持った人々が描かれていたが、オリンピックやタワーというキーワードは今まさに再び日本の後押しをするものとなるべき存在なのかもしれない。当時、ビートルズの影響を受けたGSは若者のスタイルの象徴であり、その裏では学内闘争などの社会テーマが数多く存在した時代。そして何倍も日本らしさがあった時代だったのだ。
 今回の映画も60年代が舞台。今、アニメでは「坂道のアポロン」があり、「氷菓」があり、60年代コンテンツが増えていく中でDVDを鑑賞するタイミングとしては申し分ない。
 少しだけ懐かしく、そして今と比較して羨ましく思える内容だった。とくに学生達が喧々諤々と持論を主張し合う場面。孤立した社会、便利という言葉に誤摩化された冷たい国になった日本に何か一石を投じて欲しいと始終思いながら見ている自分がいたのだ。

 最高ではないものの、上下の差を無くしてくれる感傷的な面が強く出た作品といえる。


2012年6月12日火曜日

Movie: We Bought a Zoo (2011)


Cameron Crowe監督となると何処となく人間味のある影像を作ってくれるのでいつも楽しみである。ロック・ジャーナリストという接点からでもわかるように多くの作品にはロックネタは欠かせない。今回の作品でもその体験はできる。

 実際の物語から引用したこともあり興味のあるストーリーなのだが、抑揚のない展開を懼れたのかあまりに不自然な脚色が鼻につく結果となった。突然動物園のオーナーになるという設定はいいのだが、今の経済に敏感な時代性から鑑賞する立場にたてば、繊細なところを軽く扱っている感触から脱し得ない。

 本当は、家族愛、人間愛、仲間愛、動物愛という面で作り手と観る側が同期できればよかったのかもしれない。結論としては、こういったドラマに必須の緊迫感が今ひとつだった点が残念だった。まぁ、アメリカ的といえばなるほどアメリカ的映画。ただ以前のようなアメリカ的な映画では、違和感も生まれることも事実。

 Scarlett Johanssonは今回はあまり可愛く映ってなかったようだ。こちらも残念。邦題は「幸せへのキセキ」。

2012年6月11日月曜日

Movie: Men in Black 3 (2012)


劇場で見たはずの前作がどういう感触だったか覚えていなし、むしろ商品タイアップ映画という印象でしかない。

 正直、開始して暫くは笑いのツボが分からなかった。多くの日本人は笑えていないのではないのだろうか?と疑ってしまう。 Will SmithとTommy Lee Jonesのいわば恰好のデコボコチームなのだが、日本の漫才のようなテンポではなく、何かに拘ったスタンス。例えれば歯磨きチューブを変わった手法で搾り出すような「わかるひとだけわかる」ネタなのかも?と疑問を引き摺っていたのだが、1969年にタイムトラベルするところから、なんとなく謎が解けてくる。ここからはアポロだの終戦だのウォーホルだのストーンズだのと時代ネタから拝借した政府と学生運動のギャップ間溢れる笑いなのだなと確信。こういうストリームに難なく乗っかれる人は楽しめる映画だと思う。が、自分はまだ流れに近づけないのかもしれない。

 レディ・ガガとかヤオミンとか有名人の映像を目にする場面があるが、こういうところと、グロテスクな宇宙魚とのギャップもまたこの映画のポリシーとして捉えるべきなのだろう。



2012年6月3日日曜日

Tall buildings that I've ever gone up.

高樓大廈,我已經一去不復返了。

かつてニューヨークの貿易センター(ツインビル)に上ったとき、
風が強くて「凄いところ」という印象があった。
エンパイアにしても貿易センタービルにしても
キングコングのような映画で観たイメージが強かった。

あれから数多くの高層ビルが建てられた。

エレベーターもアトラクションに変化してきた。
シカゴの大きなエレベーター。
上海は宇宙的空間。
台北では星空っぽかった。

台北101の最上階(外に出られる)からの一番星の眺めは最高だった。

次は何処に行こうかな。



■New York Empire State Building and New York World Trade Center. 381m/417m

The View from WTC


 ■Chicago Sears Tower (currently: Willis Tower) 442 m

The View from Sears Tower


 ■Shanghai Jin Mao Tower (金茂大樓) 421 m

The View from Jin Mao Tower


 ■Shanghai World Financial Center (上海環球金融中心) 492 m

The View from WFC


 ■Taipei 101 (台北101) 509 m


The View from Taipei 101







2012年5月15日火曜日

BD/DVD: A Ghost of a Chance [Sutekina kanashibari] (2011)


今回は「日本映画の良さ」を生かす脚本に注視。
 日本映画は最近、法廷モノに頼っている傾向にある。法廷モノは所謂言葉の綾を楽しむ面白さがあることから、脚本への依存度も自然と高まる。裏返すと日本映画はアクションのような動きで楽しませる作風を成功させるには大きな壁があるのだと思う。または、わかりきったアクションものが出すぎたのかもしれない。かつてのAkira Kurosawaの「Seven Samurai」のような斬新なアクション作品創出が不能になってきたとも言える。日本的な雰囲気はやはり静的な情緒の中での巧みな語りとユーモア。。。今回の作品もここに視点が寄せられる。

 この作品は超心理的なテーマなので素直な気持ちになれない点もあるのだが、今の現実が違和感の多い分、時間をかけずに映画に嵌り込んでいく。そう、なんだか違和感だらけの現実の襟を正す感覚で見れる映画である。現実とバーチャル。存在と非存在。並ばせられないもの達を並列的な視点に置いたところが面白かった。

 しかし感想をひとことで纏めるなら...。Eri Fukatsuがいつも以上に可愛く映っているのが一番のポイントだったりする。

2012年4月16日月曜日

Movie: John Carter [3D](2012)


ディズニー作品にはどこか「華やかさ」を持った作品が定番となっていた頃があったが、最近の作品はそういった常識は通用しないようだ。もちろん本作品も一種の(華やかな?)ヒーローものではあるが、ダークで土っぽく、埃っぽくありすぎて、目を凝らしてもそういった影像を確認するチャンスは少ない。

 火星の別名が男性の大切な部分にも近いワードだったこともあり、もしかすれば隠語的な部分を汲んだ部分も裏筋にあるのかを勘ぐって観ていたが、例えば地球を女性に見立てるには余りにも無理があった。

 火星の場面はAvatorのpandoraとの接点もありそうだし、Star Wars Episode I の立場関係にも近いということもあって、巷の予想どおり「Star Wars」と「Avatar」を掛け合わせたような作品と言っても嘘ではない。しかし一番の盛り上がりの場面がモンスターと戦う場面だとすれば、やや寂しい気もする。

 主役のJohn Carterよりもサンショウウオ犬?っぽいキャラに印象を奪われすぎていた感じ。

 3Dに驚かなくなった自分がいる。3Dを観慣れてしまうのはマズイことだと危機感を抱く。

2012年4月10日火曜日

Movie: Titanic [3D] (2012)


10数年ぶりに劇場で観たこの映画。今度は3D仕様である。

 長い映画という感じを微塵もさせないのは、ストーリーにロープを張り、観客がそれにしがみ付いているかのような流れにある。そこには観客の視線の前に疑問や混乱や退屈や違和感を抱かせない実に自然な影像が存在している。

 以前の鑑賞で内容は分かっていても、実に新しく、新鮮さを失わないこの映画に、3Dが加わるとどうなるのか??。興味深かった。

 率直に今までの3D映画よりも群を抜いてスリリングである。特に船首から海を見下ろす場面などはこの3D映画の目玉といっていい。ただ一番残念だったのは遠景。期待していた船の引いた構図は予想していた立体感がない。一方で人の会話の場面はとんでもなく立体感がある。字幕もまた飛び出してくる。もちろん大変な技術であることはわかっていても、もう一歩完成度が欲しかったと思うのは贅沢なことだろうか?


2012年4月8日日曜日

Movie: The Ides of March (2011)


監督がGeorge Clooney。5作品目ともあってなかなか板についてきているし、この映画ではゴールデン・グローブの監督賞候補にもなっていた。

 いわゆる裏側の映画である。何事も綺麗に見せかける表舞台とは裏腹な部分。そこには決して同じ考え方で動けないものが点在しているのだ。

 キーワードは忠誠(loyalty)。登場人物ではPhilip Seymour Hoffman演じるPaulがその言葉を多様し、実質(候補者を支援するトップの)彼が軸になっている。前面で動くStephenやMollyあたりはそれを揺るがす役目を持ったキャラクター。「実利」的な空気と混ざり合っていく。特に途中からPaul Giamatti演じるTom Duffyの介入あたりから「忠誠」という言葉の意義を観客に問いただしていく流れになる。そういう展開もあって、この映画は大統領候補となるMike Morrisを含め登場人物を「忠誠」「実利」のくくりで見て行くと面白いと思う。

 少し演出過剰な部分もある。PaulがMikeの車に乗る場面。The God Fatherだったらとんでもないことになる映し方。このへんは好きになれなかった。


Movie: The Artist (2011)


まず最初に犬が凄いと思った。

 映像音響技術が新化している現代において声の無い映画でここまで楽しませるのは並大抵なことではない。鑑賞前の不安な部分を取っ払うには時間がかからなかった。確かに冒頭は「この演出で最後まで持つのか?」という疑問もよぎった。もしこの映画がチャップリンやキートンの流れのまんま取り込んでいたのであれば失速していただろう。しかし、この映画、突飛な近代テクニックを織り交ぜながら、展開に期待を持たせることに成功している。まったくのサイレントムービーを装った現代芸術として細部に拘っているわけだ。

 主役のGeorge Valentinはクラーク・ゲーブルタイプな雰囲気がありながらフレッド・アステア風の踊りも見せる。「Gone With The Wind」よりも10年前の世界感。世界恐慌の余波などもあって思い通りにはならない時代を上手く、そして面白く描いていたと思う。

 映画の中で使われる音楽は申し分なく。アベル・ガンスの「ナポレオン」までも思い出させてくれた。


2012年4月2日月曜日

BD/DVD: The Tree of Life (2011)


撮影技法は時に余分な物語を取り繕うよりも雄弁である。

 この映画の冒頭で2つのタイプが語られるのだが、以降映画全般に「必然」の虚偽がエレメントとして流れを作る。つまり自然界におけるルール、境界は必然であるとする一方で何もない世界も必然である。そして、どちらかの必然を否定する意義はあるのか?過去と未来、父と母、子供達の裏表、ハーモニーと不協和音、あらゆるものの中で脳内議論が続くのである。その場面の殆どをコミュニケーションの最小単位「家族」で語られていくまさに存在自体に一石を投じるマインドジャーニー的な作品。

 振り返ればTerrence Malick作品である「The Thin Red Line 」や「The New World 」との垣根も感じられなくなったほど。


2012年4月1日日曜日

Movie: Liar Game: Reborn(2012)


前作「Final Stage」を観て、その展開に非常に興味を持ったため、今回も鑑賞した。

結論から言うと、前作の新鮮さが薄れてしまった上に、「面白さ」の掴み所が無くなっていた。正直、いかなる事情があったとしても戸田恵梨香が外れてしまったことはこのシリーズの大きなマイナスであるし、芦田愛菜のような意味の分からない浮き足立ったようなキャスティングによって映画鑑賞のフォーカスがブレまくってしまったことは相当に価値を損ねた。

「イス取りゲーム」と銘打て全編に展開するカケヒキ。しかし、イス取りの場面は序盤だけで、残りの殆どが国盗り合戦の結果による喜怒哀楽が描かれる。自分の感覚では1回戦篠宮優がイス取りで転げまわるほどの状況にありながら、残りは登場人物の外的ダメージも無きまままるではじめから部屋にいたかのような点あたりにかなり胡散臭さが漂った。さらには事務局側の取ってつけたかのような説明的演技。全てに於いてあまりに残念すぎた結果だった。

加えて、締め方がこんな雰囲気だと次回作があったとしても物語に期待はできなくなる。むしろ成り行きだけの映画といわざるをえない。

2012年3月25日日曜日

Movie: Star Wars: Episode I - The Phantom Menace [3D] (2012)


日曜日の昼に鑑賞するのはギャンブル。子供連れが多いこともありポップコーン零して騒いだり、ザワザワした雰囲気でやや気を抜かれた。

 さて、十数年ぶりに劇場で鑑賞。今回は3Dになって帰ってきた。3Dで鑑賞する場合、背景のマットペイントが平面的だったりするとかなり違和感が生じるのだが、今回はそれよりも2Dから起こしている部分の確認で懸命。ときおり3D眼鏡を外しながらどの場面に効果を強調したのかをチェック。立体化への半端ではない技を見た気がした。

 Star Warsは77年に公開されて以来、35年近く話題性を絶やすことなく進化しているシリーズで、デジタル化や3D影像など今でも十分「新しさ」を持って見れる映画なのだが、流石に小学生に見せたとしても話の理解までは十分行き着くことは困難だと思える。しかし近年の宇宙ものアニメを切欠にしてこの物語の相関関係を引用したと気づくかもしれない。我々もこのシリーズを年を重ね何度も繰り返し観ながらともに成長してきた。3D化もその断片でしかないわけで、自分もまた目的を絞りつつ新たなるStar Warsに着目して行こうと思う。

 今まで確認できていなかったETの出演場面をはじめて確認できた。確かに居た。最後あたりでは、もう3Dの必要性はどうでもよくなってきたのだった。



2012年3月21日水曜日

Movie: The Iron Lady (2011)


税をはじめ諸問題を抱えていた英国において、当時パンク、ニューウェイブの波とともにマーガレット・サッチャーはとても有名な人物として記憶に残った。

  この作品はタイムラインを輪切りにしてアルバムのように一目で見れるようにした演出。

 今の経済危機を乗り切るヒントを提示しているかのように、逆境に負けない、燃え尽きるまで戦う姿勢を現実の歴史ドラマとして首相だった約10年ではあるが激動の時代を描くには十分過ぎる人物だけに、何か違和感のある冒頭の場面とか、たまに訪れるふわふわタイムな場面が裏表の差を取り払う目的だったのかもしれない。だが、そういう目で見たとしても、いまひとつ歴史的な人物像が見えてこなかった。

 確かに不景気と暴動、IRA関連のテロ事件、フォークランド紛争など80年代におこった英国の事件を取り上げつつマギー・サッチャーという人物像の直面してきた雰囲気作りをしているのだが、いずれも「現実と回顧と幻影の狭間」のファンタジーに似た作風のせいか、結果、「ひとりの女性議員」止まりの描き方に思えた。

 やはり本音を言えばこの映画はMeryl Streepの演技を見る映画であって、決してストーリーに感動する映画ではないのだろう。


Movie: Hugo(2011)


「ヒューゴの不思議な発明」??。このタイトルは絶対誤解を招くと思う。最近では残念すぎる邦題の映画。

 Marie Georgesの功績を讃えるための映画だと思うが、序盤はまったくそれを感じさせない流れ、その多くの部分はまるで60年代のミュージカルの背景をも連想させる。実際、流れの要素のひとつひとつは他愛も無い場面の連続である反面、その他愛も無さを興味の対象に変えているところが素晴らしい。

 後半からは、本題となるMarie Georgesの過去が明かされる。よくよく考えるとバスター・キートンやチャーリー・チャップリンをも遡る月世界旅行の影像世界に引き込もうとする切欠が機械人形であり、邦題が「不思議な発明」とくる中で、事前にイメージを膨らませて映画を鑑賞すると焦点ボケになるかもしれない。例えば機械人形の不思議な動作とGeorges作品との接点をうまく解決すれば更に良くなったのでは....と思う。

 いろいろと感想はあるが、実のポイントはこれだけデジタル化して無機物化したかのような現代の映画ビジネスにおいて、アカデミー賞で高評価となった「The Artist」同様に映画史を振り返り「人間味のある良い部分は残しておこう」というメッセージが伝わるようだ。


2012年3月5日月曜日

Movie: War Horse(2011)


この映画を観て、何本の昔の映画を思い出しただろうか? 自分の場合は「The Wizard of Oz」、「gone with the wind」などで。Spielbergの手腕以前に、彼が昔の映画を如何に愛していたかが分かる表現方法がとられている....実にクリエーティブな楽しみ方ができた。本作品のベースはシリアスである、馬の表現でもわかるとおり、妥協を許さない繊細な部分が影像化されており、これ、「日本では絶対にできないだろうな」と確信せざるをえない。そこには民族的な部分もあるかもしれない。ただ本音はシリアルベースの物語の間にとんでもないファンタジーが顔を出すところも含めて...「できない」と思ったのであった。有刺鉄線をカッターで切る部分あたりが特に...。「Schindler's List」にも無論あった。突然に観る側の緊張を解き放ち、核融合を起こすかように別の感情が生まれてくる瞬間。これこそがSpielberg映画なのだろう。

 ただ、腑に落ちない部分もある。「奇跡の馬」とだけ聞かされたAlbertがなぜ自分の馬と確信できたのか?...とか。なにかもうひとつキーワードが欲しかった。

 邦題「戦火の馬」。映画の中で塹壕を挟んで鉄条網に絡まり喘ぐ馬の場面がある。ここではPaul McCartneyのPV"Pipes of Peace"や映画「Joyeux Noël」におけるクリスマス休戦の場面を思い出させるシーン。今回はクリスマスではなく馬。その裏では命令に背いた罰として銃殺される場面がある。馬の銃殺から手当てに変わる場面を含めていろいろな場面で空気はいつ変わるかわからない時代だったこと。これはストーリーを楽しむ上で重要だったと思う。


2012年2月22日水曜日

Movie: Carnage (2011)


あの名作「12人の怒れる男」を連想できる台詞の妙を展開したRoman Polanski監督の作品。ロケーションは近くの公園の遠景とマンションの中しか出てこない。向き合う人物は2組の夫婦。きっかけは子供のけんか....。
 人物4人はそれぞれに特長がある。その人物の個性を、料理、地位、興味事などを巻き込みながら「違い」と「正当性」を訴えるが、ときおり引き潮のように訪れる敵と敵の間の仲間意識が、ドラマのメリハリをつけ、実に面白い展開になっており、こみ上げてくる笑いも通常のお笑いものとは質が違う。

 いろいろと登場する会話の中でのキーアイテム。要チェックである。まずは電話。4人の会話は序盤でAlanの仕事の携帯電話に遮られ黙り込むことに。しかし中盤となると子供の問題以上に電話への攻撃姿勢がでてくる。次にコブラーと酒。このデザートと酒はまったく違う役割を果たすので良く観察してほしい。更には画集とチューリップとバケツとドライヤーと...。実はこの映画、モノの立場で考えてみると非常に面白い。むしろそういう見方ができる稀な映画でもあると思う。


 Jodie Foster、Kate Winslet、Christoph Waltz、John C. Reillyに拍手。邦題「おとなのけんか」。




2012年2月13日月曜日

Movie: The Girl with the Dragon Tattoo (2011)


邦題「ドラゴン・タトゥーの女」。
David Fincherの作品。近作はややパーティ世界の影像が多かったようで、「Seven」を恋しがる人には今回の作品は的を得た作品では?。終わってビックリしたのは150分近くあった映画とのことで、観ているときには長さが感じられず、むしろ後半の急いだテンポの展開に「いったい何を急いでいるのか?」と問いたくるほどだった。
映画の面白さは、事件を通じて接近していくMikaelとLisbethの距離。この間には決して男と女の言葉が交わされていたわけではない、執着する仕事を通じてのことである。しかしやはり人間と人間の遣り取りの中にある「真実」と「嘘」。このキーワードは最後の最後まで忘れてはならないようだ。

Daniel Craig主演映画にしてImmigrarnt Songが織り成すオープニングは、いやでも007を思い出してしまうが、この映画ではナイフひとつ満足に扱えない男であることは、楽しいギャップであり、肝心の武器を持つ人間がターミネーターのような存在に近いためにある種、この二人のコントラストにロボットヒーローものさえ思い浮かべる映画になっていた。

Christopher Plummerが現役で活躍していることが嬉しい。


2012年2月1日水曜日

Movie: Always 3 chome no yuhi '64 (2012)


シリーズ3作目。もうすでにドラマを楽しむというより昔の香りを楽しむ映画に成ってしまった。決してすべて昔が良かったというわけではない。しかし高度成長の底辺を築いてきたまじめな日本人の姿がくっきりと映し出されるあの頃の雰囲気は良くも悪くも熱いものがあった。必然とぼやけた現代を嘆き、憂うように強いられる。

いろいろな場面で空気感が素晴らしく、特に当時世界一の高さとされた東京タワー。その聳え立つ姿を阻害する建物が無い絶妙なコントラストが見事なほどに。更には土に近い生活感も気分を高めていた。

東京オリンピックからもうすぐ50年経とうとしている日本。その考える強さや技術は既に他国に奪われ、半分裸の状態で行く先を模索している今、回帰する意味でもこのような映画からインスパイアされることは多いと思う。昔は行動より考えが先行していた。だから責任感も生まれた。今では残念ながら考える前に行動しなければ負けてしまう強迫観念があるかのよう...。

コーラの空き瓶は店に返却すれば10円もらえたっけ?コーラの蓋の裏をめくるとキャッシュが当たるとかのキャンペーンがあったと記憶している。

2012年1月25日水曜日

LUCKY STAR Ichiban Kuji Deformed Figure

 OMG! I lost! F-prise!?
 this is a figure of anime Lucky Star.
 I opened this.....
 OH! Inori Hiiragi.... Kagami and Tsukasa's elder sister.
 OK! OK! OK!

 check wiki -> http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Lucky_Star_characters