2012年4月2日月曜日

BD/DVD: The Tree of Life (2011)


撮影技法は時に余分な物語を取り繕うよりも雄弁である。

 この映画の冒頭で2つのタイプが語られるのだが、以降映画全般に「必然」の虚偽がエレメントとして流れを作る。つまり自然界におけるルール、境界は必然であるとする一方で何もない世界も必然である。そして、どちらかの必然を否定する意義はあるのか?過去と未来、父と母、子供達の裏表、ハーモニーと不協和音、あらゆるものの中で脳内議論が続くのである。その場面の殆どをコミュニケーションの最小単位「家族」で語られていくまさに存在自体に一石を投じるマインドジャーニー的な作品。

 振り返ればTerrence Malick作品である「The Thin Red Line 」や「The New World 」との垣根も感じられなくなったほど。