2010年10月5日火曜日

Movie: 13-nin no shikaku (2010)



 多くの人は黒澤作品にラップさせてこの映画を見たことだろう。序盤はなかなか舞台劇風に感じさせるものがある。それもShimadaが暴君の残虐さに心を動かされるあたりまでは...。とにかく過去の名作と言われる時代劇には信じられないぐらいに脚本の裏に仕込まれた娯楽や芸術のサプライズがあったし、ヨーロッパ好みの日本映画のどれもがそのしっかりした土台を備えていた。ところがこの映画は...。

 人集めのあたりから、どこに面白さを持っていきたいのか、スタッフの目論見がわからなくなった。個々の人物像が薄すぎる。刺客の人数を強調する必要もない。更に、対決する双方の足取りも描き方に不足があるため、カケヒキの面白さがない。足りないものがあれば、他の部分で補えばよい。...それは決闘シーンか?。実はこの映画一番質を落としたのが決闘シーン。明石藩の人数が増殖するかのように増えていくのがあまりにもバカバカしかったりするが、それは言い訳が効くとしても似たような場面が多くて、くどすぎるのは逆効果。さらに要塞宛らのトラップや不死身男のような非現実的な描き方。不必要なセリフ。変な死に際の侍目線のカメラ。ギャグタッチの性的な場面...。映画に効果を与えることもせず、無意味以外の何者でもない。脚本の裏には老廃物でも溜まっているかのような印象しか残らないのだ。

 勿体ない。多くの人は期待していたことだろう。それにしてもKôji Yakushoのような役者が必要だったのか?。これは鑑賞後はCGのとんでもない逆効果が脳裏から離れない映画....と言っておこう。

SHARE

2010年10月1日金曜日

Movie: Kimi ni todoke (2010)



 Mikako TabeはSawakoになり切れるのか?いやその前にHaruma Miuraがどこまでkazehayaなのか?に注目が集まる。もし2009年に放映されたアニメの印象を引き摺る人がこの映画をみたなら、確かに違和感はあるのだけれど、Namikawa=SyotaとNoto=Sawakoのイメージに重なる部分を幾らか見つけることができると思う。一番驚いたのが、Kurumizawaに持っていたイメージに遜色無い人が演じていたこと。正直マイナス思考で鑑賞したのだが、見ているうちに、意外なくらい受け入れてしまう自分がいた。

 確かにアニメでは2クール分ある内容を2時間で見せられるのは早回し感がありすぎる。SawakoがYanoやYoshidaをAyane,Chizuruで呼ぶようになる過程もスルーされており、スピード展開の分、キャラクターが説明的なセリフになっているのが惜しい。それでもよくこの枠に押し込めたとは思うし、Mikako Tabeも予想以上にちょうどよい感じで演じていたと思う。

SHARE