2011年12月5日月曜日

Movie: Eiga Keion! (2011)



 《映画けいおん! K-ON! Movie》

   テレビと同じく、ゆるい女子高生の卒業を前にした雰囲気は長編でも同じ。そもそも「サザエさん」を劇場版にしてもこうなるでしょ?という定説を連れてくるほどの起伏の無い展開が連発する。

 BGMはどこかで聞いたことのあるロックスタンダードに似せた感じで面白い。他の観客達も、あのビートルズやU2の雰囲気を感じ取れただろうか。

 直前に放送されたインターネット版のエピソードはパスポートを作る話だったが、このエピソードを観ていないと映画がわからない...というものでもなかった。意外にも肩透かし。

 さて内容は、起伏の無さは想定内だったので、ゆったりという雰囲気で見た。あいかわらずの展開を引き摺る前半。ロンドンの場面は、この未計画さでよくまぁ色々と回れたものだという感じ。ちょっと胸に響いたのが教室でのライブ。これはよかった。

 加えて、チェックポイントは唯の両親が登場すること。それから澪のリスニング力。テレビ版以上に先輩に気を使う梓あたりだろうか。
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卒業旅行をロンドンで過ごした彼女達。自分も2002年に単身行って同じようなルートを回った経験がある。自分はその後、レンタカーを借りてリバプールまで運転し、その後、南下してストーンヘンジなどのサークルストーンと古城を見てまわった。締めは再び戻ったロンドンのドミニオンシアターで「We will rock you」のミュージカルを見たこと。これは素晴らしかった。
 


ハイドパーク

  ロンドンアイ

アビーロード

ところでエンドロールに原田知世ってあったけど同名異人?。


2011年11月22日火曜日

Movie: Moneyball (2011)


「もしドラ」よろしくセオリーの実現に挑む実話なのだが、もしこれが現実と一致する内容ならば、かなりアメリカ的ビジネスに無慈悲なところを感じざるを得ない。もちろんその逆もあるのだが、他人の気持ちに入り込みやすい日本人からはキツイ場面が展開される。それでもDamon、Giambi、Penaなどリアルな名前が登場すると、映画の脚本云々で観る映画とは違う聖域のようなものも感じしまう。この映画は、一般的なドラマ性とはなにか違うところの世界観によって面白さが構築されている。もちろんその立役者はBrad Pittの演技に他ならない。往年のRobert Redfordをイメージしてしまうから不思議だ。

 一番の疑問なのが、なぜスタッフの拘る経験の世界と、新たなるデータ野球の世界を共存させる意見にたどり着かないのか...という部分。自分にしてみればどちらも同じ線上にあると思うのだが。なにか納得できない部分を残したのだが、面白い映画であったことは間違いない。

 松井秀もこの映画の中のトレード選手と同様の位置づけなのだと思うと、今年活躍できなかった点が悔しくも思える。


Movie: George Harrison: Living in the Material World (2011)


Georgeの十回忌に合わせたように日本で劇場公開となった。チケット代が異例。3Dを上回り、窓口正規価格2,500円。3時間半にわたる、パート1、パート2に分かれた大作扱いな上映となっている。

監督がMartin Scorseseということもあり期待はできた。ただ、見終わって思ったのは、この映画を生い立ちのようなドキュメンタリーにすべきではなかったのでは?とう部分。確かに生い立ちを入れなければ「不可解」な映画になりかねないのだろうが、期待したScorseseである点が薄れている感がある。この作品をもし、スピリチュアルで、かつ物質世界への風刺を込めた点などをもっとクローズアップすれば、The Beatles時代からのファンは泣いて喜びそう。確かにその反面、Georgeという人物像を描ききれない雰囲気のある微妙な3時間半。

作品には、ロックシーンの友人だけなく、Eric Idle、Terry Gilliam、Jackie Stewartといった人物との接点も描かれて興味深かった。

それから、タイトルチューンとなるべき曲、「Living in the Material World」は流されなかったが、自分としてはちょっとでも流して欲しかった。


2011年11月14日月曜日

Movie: Immortals(3D) (2011)


現在全米でトップ興行映画である本作を観た。神話ベースのアクションもの。自分としてはB級臭をぷんぷん漂わせる作品への抵抗は強烈だったし、3Dということもあって、最も違和感のあるジャンルに臨んだのは理由がある。単純に「他よりまし」という理由だったから。それほど地方で鑑賞する映画の選択肢は書店で探すべき本をコンビニで探すレベルの例えでわかるだろうか。

 全く期待もしておらず、マットペイントも平面チックで、CGもありふれたものという前提で観始めた。案の定、その流れであることは間違いないが、意外にも(この手の作品にありがちな)下品な表現は控えられており、ストーリーもすんなりと入ってきた。「300」に好印象を持っていた人なら受け入れやすいのかもしれない。Eiko Ishiokaさんのコスチュームも然り。全体的に良い感触で見終わることが出来た。

 ただ、この作品に3Dで観る価値はあまり感じられない。というか、3Dの意味自体が良く分からなくなってきた。


2011年11月7日月曜日

BD/DVD: Cold Fish (Tsumetai nettaigyo)(2010)


田舎だと公開しない映画の部類である。このタイミングでDVDで観るのは、色々と捻じ曲げられている要素があるので正等な感想にはなりそうもないが、まず、飽きなしでストレートに観れる映画であることは間違いない。

この映画の良さはでんでん(Denden)演じる犯行者の素人臭さと勢いで遣りこなしている演技。そしてそれに連鎖している周囲の人物像の漂わせる空気にあると思う。キャスティングと場面の背景、さらに緊張を齎す映画の世界観が、この多くを支えている。

ただし、問題点もある。かつてのATG映画のように心理的に引き摺られるようなリアリティが欠落しているために、アクションサスペンス風の映画の見方にチェンジしてしまうのだ。「告白」でも感じたのだが、遣りすぎにする演出は「カネがかかっているのか?」と疑いたくなった、あの感じ。もちろん脚色も映画の世界なので、脚色を楽しむべきなのだが、リアリティが離れてしまうと「しょせん作り話」という感覚が露出したのであった。

今一度考え直すべきが「良い映画」と「過剰な演出」と「リアリティ」のエレメントの配置である。

邦題「冷たい熱帯魚」


 

2011年10月31日月曜日

Movie: The Next Three Days (2010)


地味にLiam Neesonが出ているところが嬉しかったりするこの映画。Paul Haggis作品であるという前提が先にあるためか多少の疑わしい設定も肯定に変えてしまう自分がいる。それもひとつの映画の見方と割り切っているからだ。

そういえばIn the Valley of Elah(告発のとき)から随分時間が経っているが、あの映画はCrash同様に胸に来るものがあった。しかし今回の作品はどちらかといえばCharles BronsonのDeath Wish的な正義感あるアクションが前面にあるためか、感情的なところで誘導されるよりも、からくりめいた部分で注視する映画になっている。だから脱出計画の中で「うまく行き過ぎる」点が現実感から遠ざけ、Crashで味わったようなあのHaggis的な哀愁場面が薄れた形になった感がある。

だが、やはりPaul Haggis作品。これはこれでアリだと思った。そして、やはりトヨタのプリウスは映画でも効果抜群だと思った。


2011年10月9日日曜日

Movie: Rise of the Planet of the Apes (2011)



相も変わらず世界中が8月公開というのに、どん尻で公開となった....いわばブームが通り過ぎて閑散とする雰囲気の日本で観た。
思った以上に良くできていたと思う。どうしてもFranklin J. Schaffnerの作風を参考書として置かなければならない中で30数年経った世界観を共存すべきではないという(根っ子を絶とうとする)自分もいるわけだ。だが実際、Roddy McDowallのシーザーに良く似ているチンパンジーが登場すればこれはもうシリーズと縁をきることができない。
ストーリーは現代劇にして、プリウスだとかブラウン管テレビだとか、いろいろと混じった感がありつつも、実に分かりやすく丁寧に演出されているのでいつもは嫌味に感じるCGは、今回はいい調子をとっていた。前半はウィル、後半はシーザーを中心に回りだす展開の中で、人間の嫌らしさが一貫して下塗りされているところはよい効果をあげている。あの「E.T.」とか「King Kong」もまたその辺が肝だったのだ。

「ザ・ブリッジ(the bridge)」という映画があった。自殺のドキュメンタリー映画なのだが、その場所がゴールデンゲート。今回の映画のクライマックスの場所。しかも霧が立ち込める。この場所はいつも普通ではない設定として認知されている。SFのアイコンのはずなのだが。

2011年9月30日金曜日

TV: Pan Am (TV Series 2011)


かつてPanAmは、アメリカの航空会社のシンボルのようなものだった。PanAmがクレジットされた「兼高かおる世界の旅」と「80日間世界一周」のテーマこそ、日本が憧れた海外旅行の代表的ガイドチームだったわけである。
しかし今ではPanAmを知る人間も少なくなってきている。あの「Catch Me If You Can」のLeonardo DiCaprioとスチュワーデスとのショットイメージを残している人も極僅かだと思う。

さて今回のドラマには期待がある。あのBeatles Jet(Boeing 707 Clipper)の導入前後から始まる一種の現代的時代劇としての期待である。内容も実にアメリカ的な感じで、メインキャストのスチュワーデス数人のエピソードを絡めた展開でスタート。展開は悪くはないと思った。ただし、極端な性格?性質の人物が鼻につくところは要注意。あの機内の怪しいヤツとか。。。まぁそれもChristina Ricci演じるMaggieが軸となりうまく纏めている感もあるので大きな問題ではない。

今後も期待して見たい。

ところで、ドラマでは冒頭で東京行きラゲッジの場面から。歌にも日本との接点を感じたので、戦後20年経たない時代の日米関係にも着目。




2011年9月13日火曜日

Movie: Usagi Drop(Bunny Drop) (2011)


 アニメを見ていたので、アニメとの対比が頭の中で先行してしまったため、この映画にはマイナス要因が生まれた。もし単純に映画だけ観ていたら、アニメのほうにマイナス要因が発生していたろう。
 嫌でも比較するはめになったので、自分なりの感想を言えば、アニメのほうが現実感がある。共感度が高くなる。一方、この映画はどうも不必要なデフォルメが鼻につく感じ。例えば、雑誌のモデルとのダンス。職場の全員がりんを探しに行く場面。それももしやアニメの呪縛にあった結果なのかもしれないのだが、自分として子供との向き合い方、リアルさを欲したことには間違いない。

 エンドロールでの曲もアニメと同様にPUFFY。曲は同じでも、映画とアニメの違いは大きかった。


Movie: Hayate the Combat Butler! Heaven Is a Place on Earth (2011)


 「劇場版 ハヤテのごとく! HEAVEN IS A PLACE ON EARTH」

 田舎にマイナス要因を感じるのは今の自分と同様。なぜか冒頭のナギに共感してしまう。

 夏向きのイベントに納涼要素を入れた奇抜なストーリーだった。ところどころに、あの映画やこの映画のパロディ?を混ぜ合わせていたりして..。こういう映画もたまに観ると、新しい発見があったりする。特に釘宮さんは凄い。

  同時上映「魔法先生ネギま!ANIME FINAL 劇場版」

2011年8月29日月曜日

Movie: Shanghai (2010)


 Mikael Hafstrom監督作品+異色俳優の部類に入れたいJohn Cusackで、しかも自分の第二の住処である上海が舞台となると鑑賞は必至であった。

 今年はThe Riteという作品も見たが、Mikael Hafstrom作品は、複雑なテーマにして内容が分かりやすく展開してくれているので脳内で袋小路に入ることは皆無。

 今回のShanghaiも、太平洋戦争開戦の裏話にも通じる題材が取り上げられているところが面白いし、主役のPaulよりもGong Liの演じるAnnaを中心軸として焦点をあわせていれば鑑賞の照準を大きく外すことはない。

 しかし全てが良いわけでなく、本当にそういった状況だったのかどうかは別としても、殺し合いがやたら鼻につく点がスリリングな部分を失わせていた。構図的にThe God Fatherに通じるものがあった分、単純比較しても、感情移入のできる展開かどうかの差が大きかった。この辺がHafstrom作品の今後の課題のようにも思える。

 日本やドイツがこの映画が中国本土公開から遅れること1年以上もあった点に何か作為的なものを感じるのだが...。





2011年8月23日火曜日

Movie: Morning Glory (2010)


 戦後大量にアメリカ文化が日本に齎されたが、未だにこの映画のようなジャブの応酬的カケヒキまでは浸透していない。それでも多くのアメリカ製ドラマは日本の活力になっていることは間違いないのだ。少なからず、日本人の言いたくても口に出せない問題を代弁してくれる要素画あるからだと思う。

 しかし最近のドラマはアメリカでも他の国でもそうだが、楽しめない要素も織り込んでいる。この映画、実にアメリカドラマ的な作風で、若手女性TVプロデューサーのジレンマや決断をコメディタッチで描く作品なのだが、内容的には日本のどこかの放送局的な胡散臭いやりかたが目に付き、あまり好感を持って見ることができない。

 テレビ番組も押し付けがましく感じるようになると、今、どこかの放送局のように見る側にも不満が生まれる。もちろんチャンネルを回さなければ済んでしまうのだろうが、自分の代わりに誰かがそこのチャンネルに合わせているウソっぽさで充満した現状があることは、純粋にドラマを楽しむ時代ではなくなってしまったかのようだ。映画ではHarrison Ford演じるMikeが一応は正論を持っており、「最後の砦」的存在だったのだが、彼もラストで折れてしまう。今ひとつ踏ん切りがつかないまま見え終えてしまった。





2011年8月22日月曜日

Movie: Sucker Punch (2011)


 もしこれがCharlie's Angelsのようなストレートなアクションだったら、もっと楽しめたのだろうが、夢物語的な部分との交錯の度合いにより頭を使わせられたところが辛い。そういう展開っぽく芯がしっかりしているならまだしも、この映画はビデオゲームのオープニングの寄せ集めのような感覚だけが先行してしまったので、序盤で既にストーリーをフォローするのが面倒臭くなる。

 或る意味で現代的なコンピューター影像はなかなかだとは思ったりしたが、それが中途半端にいつぞや存在したミュージカルとか戦争物語のエッセンスを取り入れたものだから「パロディ映画なの?」が自分の閉め言葉となって終了。






Movie: The Rite (2011)


 今回の作品は、かつてオカルトブームの火付け役となったWilliam Peter Blatty原作の「The Exorcist」との接点として観るのも良い映画かと思う。あの時代にはオカルトがブームとなったことでExorcistシリーズも幾つか作られ、悪魔祓いを題材とした別志向の映画も多かったことで、数年間は名作「The Exorcist」へのウェイトが薄れたような感じだったが、今になって改めて「The Exorcist」だけが意味或る作品として残った感じであり、だからこそ時代差と相成った「The Rite」という作品の質感が感じ取れるのかもしれない。

 さて、今回は若い葬儀屋の息子の話として始まるのだが、しばらくはThe ExorcistのJason Miller演じるKarrasの若い頃として重ねて見たりした。ちょっと残念なのは後半から終盤にかけてのストーリーの向け方が散漫になった感じもして、せっかくのAnthony Hopkinsも物足りなさを残す羽目に。ただ、予想以上には安心して見れたと思う。

 興行収入が今ひとつだった感じだが、現代には不安要因が多い過ぎるため、興味の矛先がこちらにいかない感じもありそう。





2011年8月5日金曜日

Movie: Cars 2 (2011)


 日本が舞台と前評判の映画。アメリカ国内では公開スクリーン数が多くなっている割に予算額に収入が届いていない状況でやや前作より劣ると見てよい。

 率直な感想としては、F1サーカスの如く世界をラウンドする発想はよいと思うのだが、裏側の策謀が絡んでいる部分で話が複雑となり、また
ドタバタ性も増えていて、面白さのツボが見えてこなかった。テーマは友情の大切さにあると思うのだが、こじつけ気味の友情物語はちょっと理解に苦しむ。

 日本人が鑑賞する見所は、やはり日本ラウンド。日本の描き方が基本的には何十年前から変わっていないのだが、ウォシュレットとか自動化とか
わさびなどが「やはり」と苦笑してしまった。随分前の映画だが「007: You Only Live Twice」の日本の場面に未だにかぶるから笑える。

 音楽には日本からPerfumeが日本の場面とエンドタイトルで登場。これには「すごい」と思うしかなった。違和感なし!。


Movie: Transformers: Dark of the Moon (2011)


 最近どこかの海外サイトで、最悪の夏映画にもリストされていた本作品。とりあえず鑑賞。

 3作目になって、破壊アクションへのウエイトのかけ方が尋常ではなくなった。

 この無駄に長いアクションを例えるならば同じくMichael Bay作品の「Pearl Harbor」を思い出さざるを得ない。

 このシリーズは大変期待していただけに、コミカルな場面が毒に思えてきて、異質な方向に向かっている感じがする。

 地球滅亡、都市壊滅映画にはもう飽きている筈なのだが、これでもかと目白押し。

 ちょっと面白かったのが、冒頭などで実写古ネタと合成していた部分。時代ネタも結構あって、突っ込みどころあり!

 ほんと、実際もっとスマートなオートボッツが見たい。


2011年7月29日金曜日

Movie: Harry Potter and the Deathly Hallows: Part 2 (2011)


 ついに終焉となった10年にも及ぶマジカル・ファンタジー。 imdbでのユーザーレビューでは以下の通りのスコアになっていた。

賢者の石 7.2
秘密の部屋 7.1
アズカバンの囚人 7.7
炎のゴブレット 7.5
不死鳥の騎士団 7.3
謎のプリンス 7.3
死の秘宝(1) 7.6
死の秘宝(2) 8.5

 最後のこの作品は一番よかったのか?...この疑問はすぐに解決する。最後としての物語を劇場で観る以上の何か溢れ出る気持ちがスコアに繋がったに違いない。
 自分は正直に評価するとやはり第一作目に尽きる。細かくは言わないが、ディズニー作品のような子供へのアプローチ感覚。一番ハリー・ポッターとしての作品らしさがでていた。あれから10年が経ち、一緒に見た5歳の女の子は15歳になっているわけだし、もはや別のイメージの作品に変貌している気がした。最終作はそれでも第一作とのリンケージに気を配ったシーンがでてきたりする分、あの「スターウォーズ」の如く、年代を超えても続けて見たくなる心理を呼び起こしてくれる。
 ただ、ハリー・ポッターがこれほど派手なアトラクションの要素満載な作品だったのか?という疑問は聊か残った。

 両親の出る場面はなんと「あの花」的な感覚があって、死に対する共通な世界観といえるかもしれない。

2011年7月11日月曜日

Movie: Thor (2011)


 いくら日本とはいえ、浅野さんをポスターに4人の一人として並べるのは疑問...というのはわかっているんだけど広告として考えるなら仕方ないのか。

 アメコミのヒーローっぽく、スーパーマンのイメージが焼きつく。2つの世界の交錯と難しい名称は壁になりえるのだが、予想外のわかりやすい展開で救われた。

 3Dの真価は、後半のデストロイヤーが登場する場面あたりで納得。エピローグパートではなんとあの俳優が。
 

2011年6月27日月曜日

Movie: Super 8 (2011)



 70年~80年のSteven Spielberg作品を知っていると、この映画の意味するものが見えなくなってしまう。この映画には「Close Encounters of the Third Kind」「E.T.」あたりから「War of the Worlds 」に至るまで、Spielbergのコラージュのようになっており、物語以前に、焼き直し感が先行してしまい、期待していたほどの新しさは感じられない。確かに一時代を築いたSpielberg的な影像の構図やカメラアングルは安心感さえ与えてくれる。ただ、後半の早回しのような展開パートになるともう感情移入するどころではなくなる。 是非、「Close Encounters of the Third Kind」をリアルタイムで劇場鑑賞した人の意見だけ集めて欲しいと思う。間違いなく自分と同様の意見が大方を占める筈だ。最後に漏らす言葉は「もうウンザリ」。

 音楽にはELOやアラン・オディ、ナック、コモドアーズ、ウィングス、ブロンディなど全米TOP40ファンには嬉しいナンバーが流れる。いまさら思うのは、映画に出てくるトランシーバーや8mmフィルムにと比べると、ポップスシーンは大胆な変革はなされていない。もしかしたらビートルズあたりは50~100年先まで鮮度があるのかもしれない。

 映画撮影に集まる仲間達。ドラえもんに代表されるキャラ構成の重要度はこの映画でも分かる。


2011年5月23日月曜日

Movie: Pirates of the Caribbean: On Stranger Tides -3D- (2011)


 Will TurnerやElizabeth Swannがメンバーから外れた新展開。監督もミュージカルを得意とするRob Marshall。そういう方向にいくのかと思いきや、実際は「Raiders of the Lost Ark」に近い展開のほうに持っていかされた。

 前作までのDavy Jones対Jack、そして取り巻くWillやElizabethの交錯する構図から、皆が泉を求めて向かうベクトルの構図となったためかストーリーに入りやすくなった反面、決められたライン上にある物足りなさも見え隠れした。だからか人魚あたりのエピソード以降が早回し的な感覚を得たものだ。

 ところでこの映画を3Dで観たのだが、3Dである必要性がもうひとつ理解できない。地方特有の小スクリーンに3Dをつけたところで眼を疲れさせるのがオチだ。むしろ2Dの大画面で見るほうがよほど価値がある。予告や広告の3Dの度が突出しすぎて本編が大人しく見えた他、いろんな面で腑に落ちない点が尾を引いた。

2011年5月12日木曜日

Movie: Black Swan (2010)


 バレエという華やかな舞台の裏側に蔓延る人間の腹の内側を、ひとりの清純で完璧主義の女性の立場から描く一種のダークサイド物である。映画を見ていると呪縛的な部分はどこかかつての「Carrie」に共通する部分もあるし、閉塞性では「The Wall」にも近い。それよりも、先に見た「The Kids Are All Right」との接点がありすぎで驚いたものだ。
 Natalie Portmanがこれだけの女優になったわけだが、あの「Star Wars」ではじめて見た印象は今でも消えないが、今では女性版Robert De Niroにもなりえる存在感だ。 ホラーでグロな要素もありつつ美しさと不気味な両面がうまく描けているが、ただ、最後のサスペンド的な部分が何か腑に落ちなかったりする。

 Mila KunisはNatalieとは反面性で、いいコントラストになっていた。

Movie: The Kids Are All Right (2010)


 とても面白い作品になっている。久しぶりに飽きのこない作品に巡り合えた。
 普通な感覚を持ちながら、社会的には普通ではない家庭が舞台となっている。そのためすぐに転覆しそうな感覚が映画の全編に渡る。これは最近のアクション映画やサスペンスものよりもドキドキしてしまう。一瞬にして離れそうな関係。これがある男の存在により如実になっていくのだが、興味をそそるのが男が今の世の中において普通過ぎる程の普通な男であること。つまり普通を周囲が否定しているかのような展開...!?。これにはまいった。この視点は考察に値する。

 こういった作品が近場の映画館で簡単に見れない。日本って大丈夫なのだろうか?。

2011年5月10日火曜日

Movie: Unknown (2011)



 序盤、'70年代のカーチェイス・アクション映画のように、そのつくりは古典的であるものの安心感があった。冒頭から暫くはこのわかりやすい物語に嵌る。しかしこの映画には二度転機が訪れる。ひとつは映画の目論むタイトルの意図する「きっかけ」を境にしたところ。もうひとつはギャラリーでの二人の接近シーンあたりである。第一の転機においてはサスペンスではお馴染みの謎解きのテンプレート上にはあるのだが、第二の転機あたりからは、イメージのレイヤの違いが露呈。「'70年代的」という言葉が消え去ってしまった。同時に安心感も飛んでいった。そこまでは自分の中で、Liam NeesonやBruno Ganzの出る(安心できる)映画として信じきってしまっていたのだ。最後はなんとなく解決させられてしまった感がある。ちょっと後味が悪かった。

 一番興味をそそられたのが、元東ドイツの秘密警察といった設定。この辺をもうすこし要素にして欲しかったかも。


2011年4月4日月曜日

BD/DVD:Rin: Daughter of Mnemosyne (2008)


 1エピソード45分で全6エピソード。それに声優インタビュー特典映像もあり、かなりお買い得なブルーレイ。作品的には多少のアダルト的でグロ的な部分はあるが、クォリティが高い分、マイナス要因は脳裏からフェードアウト。

 どうしても最初の一枚ということで作品の質よりもBDの性能確認のほうに頭が持っていかれた。作品に集中するにはもう一度見直す必要がある。リアルな世界観を持ってながら不死身の主人公達にどれだけ溶け込めるか?どこまでこの展開を許せるか?に評価点が行きそうな感じ。映像の質と並行する微妙な不安定感に対して能登さんの声はそのスタビライザーの役割を果たす。さらに彼女を補佐する釘宮さんの声も定番的ではないのが嬉しい。

 これは持っていて損にはならない。

 初のBD購入となったが特典映像を含め2枚組5時間に及ぶ内容には圧倒される。こいう感じでお気に入りアニメの「monster」があれば買い込むかもしれない。


ジャケ裏で評価のよかったサイト(mania.com)

Rinの評価(anime news network)

参考:monsterの評価(anime news network)

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2011年3月2日水曜日

Movie: The King's Speech (2010)



 なんと時間が短く感じる映画だったことか。

 この映画は、あらゆる意味で身体や心にコンプレックスを抱える人達にヒントをくれる映画だと思った。この映画の強さは役者一人ひとりの微妙な感覚を表現した演技にあると思う。王の二人の娘でさえ正にも負にも出しゃばらない演技になっていることから監督Tom Hooperの姿勢が伺えた。

 こういった事例は「すべてのことはすべての人間が同様にできる」と都合主義に巻き込まれたことによる犠牲の形の現れだと思うのだが、日本ではこういった部分を差別ネタにして、癒すどころか不安要素を増やす方向に進んでいくのは誰も阻止しようとしなかった。しかしこの映画は日本のこのような負の因子を感じられなかった。そんな部分に昔から引き摺る日本という国の心の感覚の貧しさを感んじたものだ。

 それから、なんといっても音楽の価値を強く感じた映画でもあった。ベートーヴェンの交響曲第七番は特に...。

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2011年3月1日火曜日

Movie: Gekijôban makurosu F: Sayonara no tsubasa (2010)



 前作イツワリノウタヒメに続く劇場版。少なくとも前作ではテレビ版との多少の違いはあっても、ひとつ同じ目線で見ていた筈だった。しかし今回はテレビ版のあれこれを持ち込む意味は無い形になっている...が、その一方ではテレビから得た情報に頼らざるを得ない自分もいるわけだから厄介なことだ。それでもアルトとシェリルの間の線が強まって見えたことで、このドラマの底辺を見た思いがした。

 それにしても、今回は前回以上にミュージカルのような展開になっている。そういう楽しみ方もまたアリだろう。

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2011年2月20日日曜日

Movie: Soul Kitchen (2009)

 この映画は自分なりのノリで鑑賞すると、楽しいアトラクションのような感覚が生まれる。その一方で、現実的な世界に拘りすぎれば僻みっぽさのある後味にもなる。 おそらくは、「ソウルキッチン」と命名された仲間が集う場所を主体にして変化する状況、エピソードが、何らかの形で線を作り出しているところが着目点。近年、主観的にでも偏った生活を強いられている人には世の中というのはバランスで成り立っているといった啓示にもなるはずだ。

 舞台はドイツのハンブルグなのだが、最早言葉意外ではドイツだと感じられなくなったグローバルな感覚は細やかながら驚く。さらにはZinosが上海行きを計画するも、それが思いも寄らない結果となり、購入していたガイドブックに火をつけるとこりは今の世界の情勢の表と裏にも繋がるものがある。

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2011年1月19日水曜日

Movie: The Social Network (2010)


 とにかく面白い。話も明解にインプットされる。テンポがよくて序盤の音楽のリズムがそれを助成している。それもこれも全てはDavid Fincherの演出の賜だと感じる。
 この映画の冒頭では、頭に来る主人公の電波的会話があるが、「このクダラナイ主人公の映画をみなければならないのか?」と思うことしばしば。だがそれもFincherの仕掛けに他ならなかったわけだ。

 自分もFACEBOOKには登録しているが、かなり囮的な公開である。大学間ならまだしも、どこの馬の骨ともわからない者に自分の素性を公開すること自体がバカバカしい。つまり人間らしさからかけ離れている部分を沢山繋げても何も成らないということだ。この映画ではSNSの成功者の例として話がされるが、一体何の成功なのか?....実際、信用できないもので塗り固めた世界になっていることは曲げられない事実。だが、こういった部分もFincherは描いているので意外と納得して見れる。最後にやっぱりErica。つまり基準はすべてEricaだったのである。

 「Wendy Wu」のBrenda Songが出ているのが嬉しかった。

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2011年1月4日火曜日

Movie: TRON: Legacy 3D (2010)


 正直、素で鑑賞すると問題を抱えてしまう。

 少なくとも忘却のどこかに消えた1982年度の「TRON」を見ておく必要があったかもしれない。そもそも固執した人間でなければ30年程前の作品の詳細を覚えているはずがない。だから序盤はなんとかトップグループを追うマラソンランナーになれるのだが、時間が経つにつれ遅れをとる自分が歯がゆくなる。そうなると、鑑賞ポイントはCGで巧みに製作された3Dの迫力に絞られる。しかし、そこでも問題が。「3Dである必要性」に疑問が沸いてきたのだ。話題性としては十分な作品だと思うのだが、今後を踏まえ、時間のギャップのある連続ものや関連ものは予習が必須であると思う。とそんなことは「Harry Potter」の最新作で分かっていたことだった。失念。

 予告で流れた「Pirates of the Caribbean」の新作のほうがよっぽど3Dの意義がありそう。

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2011年1月2日日曜日

Movie: Nowhere Boy (2009)


 とんでもないくらいの地方に長く住んでいると自分の感覚が鈍くなる。一番近い劇場に行くにも足代に千円以上は掛かる上、上映しているものも学校給食のような型に嵌った味気ない映画ばかり。年末にようやく関東に戻ってくる。が、すでに見たい映画は主要劇場からは蚊帳の外になっている。この映画もそのひとつ。今日は、泣く泣く50キロ先の栃木県の劇場まで車を走らせた。間違っても絶対にDVDレンタルで満足する人間には格下げしたくない思いからだ。

 この話は何十年も前から色々な紙面でイメージを焼き付けていた。しかし、ここまで描いてしまうとJohnの本質を壊してしまう気にもなる。それは彼の不良っぷりのことではないし、彼の性格を決め付けたかのような描き方のことでもない。John自身の心の部分のことである。信じていいものなのか....実際複雑な気持ちになった。

 この作品、異色とも言えるほど「母」に重みがある。もし自分の立場に置き換えたらこの映画のJohnのようにある意味冷静な立場で居れたのかは疑問だ。それにしても波乱万丈な生い立ちを持つJohn。その雰囲気はこの映画で十分伝わるし、喜びの場面も悲しみの場面も音楽と共にする運命だったのかと思わせる作風にも共感できる。

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Units of time




Why do you divide time by a unit?

Why are you pleased by the beginning of the unit of time? And are you troubled with the last?

Does the unit of time bring you happiness?

Is it inconvenient for you if it was without time units?

Possibly will not the unit of time be a thing for weak human beings?

Does tomorrow give anything to you?

It is only now entirely.

You should feel only "now" even if you are before crossing the bridge or even if you are after crossing the bridge.

Me too....



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