2014年9月22日月曜日

Movie: Non-Stop (2014)


  ひさしぶりのグイグイ引き込まれる航空サスペンス。今から40年くらい前だったら「パニック映画」のブームにも加担できる作品であったろう。鑑賞中にもそう思っていたのだが、やはりこの映画は「Airport」「Airport'75」あたりからCAの役名を引用していたりするみたいで、色々と面白い要素が隠してありそうだ。

  映画の面白さを引き立てているのはカメラアングル。幾度か機内通路を往来するときの乗客の目線、雰囲気などをうまく捉えていることで実によい緊張感を作り上げていた。それから、最も面白かったのは、人物の立ち位置である。例えば運行スタッフとBill Marksとの関係や乗客との接点、或いはスマホのような小物品も重要であると感じた。
  やはり自分は「Airport'75」をイメージさせられる。ほとんど類似した展開において、あの映画はスタッフがヒーローだったのだが、今回は誰がヒーローなのかが分からない違いがこの映画のポイントであり、時代の流れだと思った。

  なぜか、機内にネットワークユーザーが許可され、使用が増えると犯罪懸念も多く出て来そうな危機感を覚えた。あと、エンドロールにもあるが、機内での喫煙を模倣する人が出てこないことを望む。


2014年9月1日月曜日

Movie: Into the Storm (2014)


 1970年代の災害パニック映画を蘇らせたかのような作品といっていい。かつては文部省選定や消防庁推薦のような映画はいくつかあった。しかし現在において政府が先頭に立って災害パニック映画にも力をいれていいかもしれない。ただ、パニック映画の前提はエンターティンメントなので、楽しむために観る訳なのでプロパガンダや教訓もの作品を前面に出せば多くの観客が背を向けかねない。先日の広島市土砂崩れなどへの配慮も考えるならば誰にでも見せていいものでもない感じもするのだ。
 この映画は残念ながらもB級スタイルの物語なので、うまい具合に映像に溶け込めない。内容がそこそこ見応えあるので勿体ない気がした。いろいろな人物が映像(動画)を撮影してくアプローチがかなり今風で面白いし、ドキュメンタリー色を持たせたインタビューカットとか、竜巻の通り過ぎた跡形もない場面や自動車が容赦なく降り注ぐ状況は今や現実的なところは映画のメッセージとしてはかなり良いセンスと言える。
 だからこそ最後には「残念」な部分が多く残った。