ひさしぶりのグイグイ引き込まれる航空サスペンス。今から40年くらい前だったら「パニック映画」のブームにも加担できる作品であったろう。鑑賞中にもそう思っていたのだが、やはりこの映画は「Airport」「Airport'75」あたりからCAの役名を引用していたりするみたいで、色々と面白い要素が隠してありそうだ。
映画の面白さを引き立てているのはカメラアングル。幾度か機内通路を往来するときの乗客の目線、雰囲気などをうまく捉えていることで実によい緊張感を作り上げていた。それから、最も面白かったのは、人物の立ち位置である。例えば運行スタッフとBill Marksとの関係や乗客との接点、或いはスマホのような小物品も重要であると感じた。
やはり自分は「Airport'75」をイメージさせられる。ほとんど類似した展開において、あの映画はスタッフがヒーローだったのだが、今回は誰がヒーローなのかが分からない違いがこの映画のポイントであり、時代の流れだと思った。
なぜか、機内にネットワークユーザーが許可され、使用が増えると犯罪懸念も多く出て来そうな危機感を覚えた。あと、エンドロールにもあるが、機内での喫煙を模倣する人が出てこないことを望む。