2013年7月18日木曜日

BD/DVD: Intouchables (2011)


ひとことでこの映画を表現すれば「接続子」。

 始まってからのワイルドな場面を過ぎると、どことなくアメリカシネマにありがちな格差コメディの流れに乗って話は進むのだが、そこには笑えないようなジョークが見え隠れしたりして、素直に受け入れて楽しめる流れとはいかず受け入れがたい部分もある。しかしあるときから、もしこの「笑えないジョーク」を「笑える側」で考えたらどうなるのかという課題を背負いたくなる。そうなるとPhilippeの立ち位置が最も(特には日本人には)映画に溶け込めるようだ。ネタばれっぽくなるかもしれないが、散々空想劇をイメージさせておきながらラストで突然、真実の世界へ引き摺られる遊園地感覚もあることも含めて、不思議な楽しみを与えてくれる映画になっていた。日本語タイトルにある「最強の」の言葉の回収時期が訪れるころには、René Clémentの居たあのフランス映画の魅力に回帰してしまう。