2014年4月9日水曜日

Movie: Lone Survivor (2013)


  まず、この映画が真実に近い物語とするならば、アメリカの立ち位置の怪しさが垣間見れることになり、ギャンブル性も織り交ぜた作戦展開には疑問符だらけとなる。
  冒頭、不思議な導入だったためか何を描きたいのかが不明瞭で粗雑であったが、ラストあたりでこのラフさ加減に意図が認識できる気がした。人物像は穏やかにクローズアップされ、戦闘とは程遠い雰囲気が漂いつつも、指令を得て現地に赴く兵士の場面あたりからサバイバルゲームの雰囲気で自陣と敵陣とのややルーズな距離感が支配する。ただ、言い様によっては大変つまらない進行である。このつまらなさも重要なエレメントと見做すことになるのは、「プライベート・ライアン」的な後半があってこそだった。
  この映画の見所は大きく二つある。一つは、幾度かの選択肢を観客にも問いかける作りとなっている部分で、大方が登場人物の選択肢と似た感じであろうかと。そして、もう一つは、先入観を否定するメッセージ性のある表現。それは人種だったり、行動姿勢だったりするわけだが、実際、敵味方がある以上は「先入観こそが全て」な点もわからないわけではない。この映画のこのような隙間を付く部分は、見えにくいところで価値を生んでいたようだ。

   最後まで、危険な場所へ仲間を晒しながら、救援体制の不十分なところなど、実話だから?かもしれないが、納得できない点がだったことは、言っておこう。