2017年9月23日土曜日

Movie: Dunkirk (2017)


 Christopher Nolanという名前で見る映画だとするならば、マルチなエピソードの絡みがその楽しみ方にある。逆に戦争映画として見てしまうと肩透かしを食うことになるが、逆に今までの戦争映画の在り方を否定することで、リアルな部分が見えてくるようでもある。まるで航空ショーを見に行ったときに起こった悲劇感覚なので、我々の日常っぽさがいっぱいだ。そして、突然爆撃や機銃の攻撃を受ける。それでも空は青く、海は程よい波が立つ。不思議な感覚で体験できる戦争映画である。

 冒頭、海や空の時間設定がでてくる。時間幅の違うエピソードを複数編み込んでいる感じなので、脳内補正が多少必要であるし、場所についても脳内にマップ展開がいる。それでもある程度は映画上の都合で設定されているものもあり、リアル性と作為的な部分で戸惑いもあった。


 もっとも着目する点は、英仏連合軍が諸所の理由で区別されるところ。これもリアル性を助成している。個人的にはスピットファイアが足を出すシーンが一番目を凝らした部分だった。

2017年9月17日日曜日

Movie: Alien: Covenant (2017)


 ほとんどの国で5月に公開されているのに、日本だけが9月という(ブルーレイでも見れる)時期に公開したのがこの映画である。いろんな意味で日本は凄い。テレビドラマの映画化とかアニメ映画にはかなわないカタチを確立しているのだから。

  「Prometheus 」の続編ということで、時間の経過はあるが画のつながりは依然と今とで感じることができた。残念なことに依然作品を日本語吹き替えて見たこと。これがトラウマになった。とんでもない声優(女優?)が使われていたことで作品を評価するレベルまで行き着かなかったのだ。だから「Prometheus 」以降はよほど信頼のある声優でなければ、吹き替え版など見る気にもならならい。今回、当然ながら字幕版。

 エイリアンの安売り時代もあったが、やはり最初の「ALIEN」のインパクトが強かったことで、威厳はまだ保たれている。ただGigerのイメージと今回の船内デザインが微妙に乖離している感じがした。近年の技術革新はかつての心揺さぶる有機的なスタッフワークを分断させているのかもしれない。

 まとめれば、いまひとつ「ALIEN」に近づく要素が欲しかったし、加えて「ALIEN」と異なる驚きが欲しかった。