2016年10月1日土曜日

Movie: Sully (2016)


 いかにリタイアした機体を使用して救出シーンを写したとはいえ、かなり大変なことだと思う。そういう観点から見ると、川に緊急着水するシーンですべて持っていかれそうな流れだが、Eastwood監督はそうはしなかった。時間軸をフラッシュバックを交えながら、巧妙に配置し、さらには国家運輸安全委員会の調査結果と向き合う場面が山場になるような坂道を地味にでも作っていくところが力点なのだと思った。もちろんこの映画の面白さは「どっちを選ぶべきだったか」という点への興味なのだが、実はそれ以上にエンドロールで流れる実際の人物の場面から、これしかないという確信があってこその(結果をだせる)プロフェッショナルな仕事の映画として観たほうがよいのだろうとも思った。
 バードストライク対策としては、いまでも猟銃等で追い払う方法が通例らしい。これへの究極の対応策が低コストでできれば、とも思うのだが、今のやり方こそがベストだと思う人も多々いるようである。「事故」とは、できるできないの間で起こるのは、どんな場面でも同じなのかもしれない。