これはTVシリーズの編集によるダイジェスト版である。いわば、TVシリーズの流れがこの映画により短時間にわかるというもの。ではTVを見た人は劇場版を楽しめないのか?について、人それぞれかもしれない。自分にしてみれば、劇場の音で楽しめるところは良かったのかもしれない。特にエンドロールは椅子から離れたく無い感じにもなる。
「劇場版」手法としてのダイジェストは理解できるものの、(製作コストなどの帳尻も含め)可能であれば(裏話的な)未公開エピソードを交えて欲しかった。今回の作品は、初めて見る人にとってはエピソードのいくつかのゴタゴタしていた部分が解決しないままの展開に不満が残るだろうなと心配もする。
近年、アニメにおいて高校の部活ものの幅が広がっているようだ。以前の定番、バスケやサッカーや野球にとどまらず、自転車とか麻雀などまである。そんな中で吹奏楽は知識によるクォリティーとは違う音楽製作サイドがかなり苦労しそうなものであり、クォリティーでは「無理」な部分が多くありそうに思っていたが、ついに昨年、TVシリーズで登場してきた。やはり間口の狭い感じは否めない。それでもサウンドクォリティーがが要求されるアニメ(例えば、「坂道のアポロン」とか「四月は君の嘘」)は日本だからできる作品だと信じているし、今後、日本のアニメの質を高める要素だとも思っている。だから秋からはじまるセカンドシーズンはそのあたりの視点から期待して止まない。