We need solve much misunderstanding before excusing a lie.
この映画は民族の棲み場所の問題ではなく、一部の権力による政治体制や思想の濫用が多くの民を巻き込んだのだという構図を見せてくれている。傷つきながらスリムに走り回るレオナルド・ディカプリオと子供と食べて遊んで太ったラッセル・クロウのコントラストが実に対称的。衛星から地上を映す場面がある。神に成り切ったかの如く天上から事態を眺めている様子を知れば、これに反感を持つ者も数多く居ることだろう。今の経済状況と格差社会の実態と並べてみても、そう異なるものではない。監督のリドリー・スコットはいつもながら単にアクションに溺れない弁えた部分がある。だからこそ微妙な場面の胡散臭さも帳消しにできるのだろう。