2009年3月21日土曜日

Movie: Valkyrie (2008)


Germany seems to have had more plots than Japan.

 Sophie Schollの「White Rose」運動にしても多くは語られることが無かったが、調べてみるとナチス党に対する人道的見地からの抵抗は実は数多くあったようだ。Oskar Schindlerの物語にしてもある意味抵抗であり、ナチスのヨーロッパ侵攻を容易にしなかった一端がこの辺にありそうで実に興味深い。この映画は、連合軍が反撃を計画する時代に発動されたヒトラー暗殺計画(ワルキューレ)の物語。Stauffenbergを演じるTom Cruiseがやや浮き上がりすぎているような感じが気になるものの、中盤以降は昔の映画「The Great Escape」を思い出させる雰囲気があり、計画遂行と時間軸とオペレーションの行き違いなどが面白く組み立てられていると思う。

 そういえば、あの独特の戦車で日本でも知られたロンメルにしても今回の暗殺計画に関与したと噂される。同時代の日本では類似した事件についてあまり聞いたことがないが、無条件降伏に反発した「宮城事件」の記事は見たことがある。

2009年3月13日金曜日

Movie: Twilight (2008)


Twilight-ism feels near to Haruhi-ism.

 極日常的な学校生活を中心としつつ、それを取り巻く家族や自然を巻き込んだ短絡的展開。日本でも似たようなドラマをよく見る。このような設定は最近のティーンエイジャーへの誘いにはうってつけなのかも...。この$37M予算の映画は、全世界で$350Mに到達している。ティーンには映画鑑賞のリピーターが多いことも耳にする。とにかく全世界で破格の売り上げを記録したStephenie Meyerの小説の映画化となる注目作品。

 Kristen StewartにしてもRobert Pattinsonにしても、まるで舞台劇のメーキャップをしているかのような効果を醸し出していた。背景はアメリカでありながら登場人物の何人からはヨーロッパの香りが漂う。そしてワシントン州の雨や曇を伴った寒さは映画の心理的効果も連れてくるのだ。

 確かにこれはずるずると引き込まれる展開だ。人物設定が奇妙な分、同様な場所設定で人気のあった「twin peaks」の空気も感じる。大人の目からはガチガチな心理描写に特化して欲しい点もあるが、プロムや野球やピアノなどの場面で一息できる演出となっている部分に「正解」を感じたりした。音楽もオススメしたい。

 余談だが、Bella-papaの台詞「You can kiss your license goodbye.」を世間のオバサンドライバーに言ってやりたくなった。

  日本公開では「トワイライト -初恋-」というタイトルをつけるのだが、あくまでもロマンチシズムを広告塔にしたいらしい。本来は恋愛臭よりもメンタルサスペンスなところを売りにしたいところだ。

2009年3月12日木曜日

Movie: Red Cliff II (2009)


 The ceremony of "Load of the rings" and "Saving Private Ryan" continues...

 前作が「Load Of The Rings: The Fellowship of the Ring」とするならば、今回は「The Lord of the Rings: The Two Towers」に匹敵するほどの戦いの場面に注力した作品。 John Wooは、史実の泥臭さとか登場人物の心理描写を時間軸で語らせるより寧ろアクションシーンに代弁させたようだ。よってゲーム感覚のある作品といえる。

 藁人形を的に敵の矢を尽くさせる場面での矢の重さで船が傾くところにしても、尚香が「朋友」とする敵兵とのエピソードにしても、またまた、盾を使った防御のフォーメーションにしても、本筋を増幅させる要素は豊富に用意されている。しかし個人的な意見としては、そういった面を押し出しすぎの感もあることは否めない。おそらくこの余計ともとれる増幅部を(自分とは逆に)多くの人は歓迎することだろう。前作が日本で思った以上に人気を得たのは三国志という歴史的且つカルト的な内容に留まらず、幅広い年齢層まで楽しめるようにしたJohn Wooの増幅部の功績でもあるからだ。

 軍師孔明が火、風、水など自然を強みにしていくあたりが後編の大きな見所と捕らえるが、どうしても「Saving Private Ryan」の序盤の上陸作戦のシーンがラップしてしまう。犠牲無くして勝利は無し。なぜだがそんなところで自分としての考える時間が必要だった。

2009年3月6日金曜日

Movie: Australia (2008)


This is a blending movie. Such as "gone with the wind" and "roots", and MGM musicals.

 不思議な映画だ。取り立てて2時間半以上の作品となりえる題材でもないのに、人物設定や時代設定がうまく溶け込んでいるのだろうか、時間を気にせずに見れてしまう。特に白人と黒人とアボジニリの中央に立って物語の鍵を握る少年Nullahの存在が実に面白いからだろう。 本当を言えば、前半のオーストラリア版西部劇のタッチにはいささか飽きてしまう。そこはかつてのMGMミュージカル風な演出に救われる部分もあるが、その内容は興味の範囲とは程遠かった。

 映画の半ばまで見過ごしていた人種間の問題は、日本軍の攻撃シーンから意味を持ち始め、作風も多少感じを変えている。作り手のことを考えれば、人種間の仕切りをこの場面で壊したかったとも取れるのだ。だからなのか、Nicole KidmanやHugh JackmanがもしかしたらScarlett O'HaraとRhett Butlerの雰囲気を意識してあるとしても、それほどこの二人の関係に興味は沸かない。2大スターを起用したこの映画。エンターティンメントとしての満足度で作るか、または人種問題をもっと浮き彫りにするかは悩むところだったのではなかろうか。

 久しぶりのBaz Luhrmann。「Moulin Rouge!」的な効果をここでも生かしたかったようだ。 20世紀FOXだからか、かつての「TORA! TORA! TORA!」の場面も使われている。