2009年3月6日金曜日

Movie: Australia (2008)


This is a blending movie. Such as "gone with the wind" and "roots", and MGM musicals.

 不思議な映画だ。取り立てて2時間半以上の作品となりえる題材でもないのに、人物設定や時代設定がうまく溶け込んでいるのだろうか、時間を気にせずに見れてしまう。特に白人と黒人とアボジニリの中央に立って物語の鍵を握る少年Nullahの存在が実に面白いからだろう。 本当を言えば、前半のオーストラリア版西部劇のタッチにはいささか飽きてしまう。そこはかつてのMGMミュージカル風な演出に救われる部分もあるが、その内容は興味の範囲とは程遠かった。

 映画の半ばまで見過ごしていた人種間の問題は、日本軍の攻撃シーンから意味を持ち始め、作風も多少感じを変えている。作り手のことを考えれば、人種間の仕切りをこの場面で壊したかったとも取れるのだ。だからなのか、Nicole KidmanやHugh JackmanがもしかしたらScarlett O'HaraとRhett Butlerの雰囲気を意識してあるとしても、それほどこの二人の関係に興味は沸かない。2大スターを起用したこの映画。エンターティンメントとしての満足度で作るか、または人種問題をもっと浮き彫りにするかは悩むところだったのではなかろうか。

 久しぶりのBaz Luhrmann。「Moulin Rouge!」的な効果をここでも生かしたかったようだ。 20世紀FOXだからか、かつての「TORA! TORA! TORA!」の場面も使われている。