2012年11月20日火曜日

Movie: Evangelion: 3.0 You Can (Not) Redo  (2012)


 率直に言えば、いきなりこの作品から鑑賞し始めた人には、何だかわからないまま、暫く映像の世界だけに目を凝らすことになるのだろう。
 つまり、ある程度のテレビアニメ版の知識と、劇場版の前作は知識として横に置いておく必要がある。アニメ版を観ていた人ならわかるが、14年の時のへだだりは直接登場人物の容姿に影響を与えていないものの、キャラクター像の立ち位置の変化でそれを感じることができるし、寧ろそういう世界観だったことを再認識させられるのである。
 冒頭からやや戸惑った。ストーリーの真の部分は分かりやすいはずなのだが、 中盤でいろいろと繋がりが見えてくるまでは、戦闘シーンをマトモに受け入れ難い感じがした。かつての地上を舞台にした感覚から空の世界がメインになっていることへのギャップもそのひとつ。
 面白い場面として、シンジとカヲルの連弾。即興にしても、これだけシンジが上達するものか!と疑問を投げかける自分を自分から打ち消したくなる不思議観。そしてアナログ世代のDATともまた不思議に絡み合うところもまた時空を超えた効果であろう。

 平日の昼に満席だった劇場。意外?女性が多かった。
 最後はHikaru Utadaの歌。やっぱいいね。
 邦題:「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

2012年11月19日月曜日

Movie: Crossfire Hurricane (2012)



 邦題はローリング・ストーンズ『クロスファイアー・ハリケーン』。

 バンド結成50周年を記念した作品で1週間限定公開。来月にはDVD化もされる予定らしい。

 流石にMartin Scorseseのクレジットがあると良い編集が期待できる。事実、タイムラインをそのまま語る展開ではなく、いきなりMSGの映像を持ってくるところは粋であるし、60年代~70年代にかけての時代背景描写も巧みに絡めてくる部分は評価できる。

 今までThe Beatlesと対比して白と黒の関係をこれだけ強調した映像は無かったように思うし、本人側からでなく周囲から塗られた黒さを掲げて活動を続けるバンドの姿にこそドキュメンタリーの本質なのだろう。

 映像でも分かるとおり、華やかのイメージというよりインパクトのあるブルースコードを使ったアクの強さで、逸れ者達を味方にしてきた彼等。本当の意味の有名とは裏腹な存在感だったこの問題児達は、やがて、ならず者ながらもメインストリートを闊歩する存在へ。この作品ではRonの加入あたりからその雰囲気が変貌する。

 全体として、良いドキュメンタリーに仕上がっている。ただ50周年記念作にしては前半の20年くらいしか語られず、(確かに、後の30年はあまり激動の時代とは言えないが)やや物足りなさも感じた。


 映画では語られないが、Stonesが「Goats Head Soup」の広告をMusicLife誌に掲載していた時代には、既に日本公演中止となった年としての暗い印象しかなく、同時代にはクレームの出たElton Johnの日本公演などもあり、まだまだライブの形が成熟していなかったことも、時代ながらのドキュメント性を高める要素であることは間違いない(おそらく確立したコンサートすたいるになるのは、70年後半あたりからだと推測する)。
 
 個人的にはBill Wymanの久しぶり感が半端なかった。

2012年11月5日月曜日

Movie: Abraham Lincoln: Vampire Hunter (2012)



 大衆を囲って演説するリンカーン。考えてみればあんなに遠くまで演説が届く訳がない。それでも一斉に拍手。最近ではこういう疑問であっても、(最近のアニメでも言えるのだが)簡単にスルーされるようだ。無論「フィクションだから」と言ってしまえばそれまでだが、何でもかんでも「有り」にしてしまうのはどうかと思う。
 スピルバーグの話題のリンカーン映画公開前だけに、ある意味で「繋がる部分」を期待して観た人も多いのではないだろうか。自分もそのひとりなのだが、率直に言わせてもらうと、起因はどうあれリンカーンでなくても誰れでも良かった物語であって、歴史的に無理やりのこじつけ感のほうが脳裏に残った。確かに映像は現代的にしっかりと作られている。だからこそ、この古風な場面の数々を無駄にしていないか?と余計な心配が巻き起こるのだ。
 Tim Burtonが製作でクレジットされていたので、やや期待しずぎたのかもしれない。