2012年7月12日木曜日

BD/DVD: Moteki (2011)


この手のコメディものの最近の特徴としては、観客の心に響くディテールをどのように持ち上げていくかの部分にありそうだ。本作品は主人公のモノローグや興味視野の拡散などが多用されているが、いずれも観客の目線の高さに照準をあわせている感じである。ポスターからは、一人の主人公が複数の女性から突然大モテになるハーレムストーリーを想像させられたのだが、実際はそうではなく極々普通の男の人生の一場面として考えた方が宜しくて、しかし、その一方で主人公には近年に感じる社会の荒んだ空気に抵抗する姿勢と自己主張の極端な表現で「危なさ」を感じる位置にあったりすることから、一途という言葉は安易に使えず、なんとなく共感を持つことができない。

 映画の中では15年以上前の音楽世界が展開されていたりするので、その頃あるいはそれ以前の雰囲気が楽しかったりする。ただ、Miyuki彼があまりにもノーマルモードであることから人物像の差異があまりにも大きくなり、このドラマの終盤は嘘臭さが鼻につく。

 結局はセックス云々で話が進んでいくのが、今の現代からみてどうかと思う。まぁ、最近の漫画の路線からしてもエロスやセックスを全面に持ち上げなければビジネスにならない実態はあるようだが。

2012年7月2日月曜日

Movie: The Amazing Spider-Man (3D)(2012)


率直な感想は、わかりやすく、面白く観れた。自分のようにTobey Maguire演じるスパイダーマンのシリーズを観ていた人でも、意外と違和感なく入れる。

 確かに細部を気にすると疑問も出てくるが、そこは目を瞑って良いと判断。Marvelのヒーロー映画にはディテールを突っつくような感想は無意味だろう。

 3D版で観たのだが、一部のビルの場面などを覗いてあまり必要性を感じなかった。と同時に3D分だけ余分に料金を払う意味があるのかを考えてしまった。

 それよりも役者のバランスが面白い。あの話題作「The Social Network」に出ていたAndrew Garfieldと「The Help」のEmma Stoneの新しい顔を前面に押し出し、後方では「Apocalypse Now!」の印象が未だに残るMartin Sheenと「Norma Rae」の名女優Sally Fieldが支える。不思議な安心感があるのは何故だろう。さらには監督Marc WebbはGwen姉さんのバンドNo Doubtの「Return of Saturn」を撮った人なので、ビート感が伝わる影像にもなっている。

 英語版なのにラストに日本のイメージソングは「いかがなものか?」と思う。日本語吹替版ならいざ知らず、やっぱりオリジナルは大事にして欲しい。

2012年7月1日日曜日

BD/DVD Luan qing chun / Beautiful Crazy (2008)


先日台湾に旅行した。思ったより日本に近くもあり、また思ったより中国にも近い感じがした。この映画でも然りで、高校時代の場面で短いスカートに日本的で親近感がでたりするのだが、男を伴うシーンでは中国の雰囲気が漂ったりする。

 この映画の大方は音楽のビデオクリップのような手法で時間や場面の交差をつけながら進行していく。台詞も極端に少ないためにイメージ影像の世界(観る側が独自の物語を感じ取る)といっても過言ではないようだ。

 Angelという女性が沢尻エリカ風の印象が強いこともあり、沢尻に持っていたキャラクター像と被って観てしまう自分がいるのだが、ちょっと遠目に観ると、女子3人の立ち居地と愛情表現が微妙にシーンに現れつつ変化するところが見所なのかもしれない。

 興味を持ったのがAngelが憤りに近い感情を以って親父に向かって「いってきます」「ただいま」を何度も口にするシーン。面白くも壁の時計が古い電池式の振り子時計。さらにテレビも古い。振り子に注目していると親子関係を代弁するような時間軸と変化を感じ取れる。

 また台北に行って色々な牛肉麺が食べたくなった。