2016年12月18日日曜日

Movie: Rogue One (2016)


 なるほど。オープニングがこれまでと異なるのは、通常のトリロジーx3の一部ではなく、付け加えられたストーリーの映画化としてだからか、別の視点を持って観るべきなのかもしれないが、後半やエンドロールでは間違いなくいつものSTAR WARSである。
 評価に困る。いかにLucusが原案を提供しているとはいえ、昔からのシリーズに肩入れしていると、予想していなかった展開には「なんか違うのでは?」との葛藤もあるのだが、終盤の設計図を送信するためシールド突破のためのバトルシーンあたりでは、初期のエピソードがいたるところで思い出されて「よく作ったな」と感心もした。
 もっとも驚かされたのはPeter CushingやCarrie FIsherが40年を超え、そのままの姿で登場するところである。どうやらデジタル処理によるものらしいが、こういった技術と価値観とのギャップについてはすでに麻痺状態になっている自分がいる。

 STAR WARSとはなんだったのか?今更だがエロール・フリンの如く冒険活劇だったと思うのだが、だんだんサスペンス色が強調されているのて単作で楽しむ枠から逸脱した感じを良しとするか否か、しばらくは悩むところかもしれない。

2016年11月27日日曜日

Movie: Fantastic Beasts and Where to Find Them (2016)


 ハリーポッターを深く知っているわけではないが、この作品が同作者によるということで一連の関わり合いに興味は唆られる。監督のDavid Yatesはハリーポッターシリーズの後半作品を手がけていたが、このシリーズでは2020年までのシリーズの監督としてクレジットされていた。
 主役のEddie Redmayne。彼のインパクトは本心を言えばイマイチなのである。なにかとっつきづらい表情とセリフがそうさせているとは思うのだが、もしかしたらこういった部分も、最初の話として計画されてるのかもしれない。
 役者のバリエーションが面白くて、John Voight がいれば、Johnny Deppもいる。そして、クレジットのない役者たちも多くいるようなので、このあたりもこのシリーズの楽しみ方になりそうだ。

 全体的には、わかりやすい展開だとは思わなかったが、終盤になれば、なんとなく脳内で解決している自分がいた。

2016年10月1日土曜日

Movie: Sully (2016)


 いかにリタイアした機体を使用して救出シーンを写したとはいえ、かなり大変なことだと思う。そういう観点から見ると、川に緊急着水するシーンですべて持っていかれそうな流れだが、Eastwood監督はそうはしなかった。時間軸をフラッシュバックを交えながら、巧妙に配置し、さらには国家運輸安全委員会の調査結果と向き合う場面が山場になるような坂道を地味にでも作っていくところが力点なのだと思った。もちろんこの映画の面白さは「どっちを選ぶべきだったか」という点への興味なのだが、実はそれ以上にエンドロールで流れる実際の人物の場面から、これしかないという確信があってこその(結果をだせる)プロフェッショナルな仕事の映画として観たほうがよいのだろうとも思った。
 バードストライク対策としては、いまでも猟銃等で追い払う方法が通例らしい。これへの究極の対応策が低コストでできれば、とも思うのだが、今のやり方こそがベストだと思う人も多々いるようである。「事故」とは、できるできないの間で起こるのは、どんな場面でも同じなのかもしれない。


2016年9月22日木曜日

Movie: The Beatles: Eight Days a Week - The Touring Years (2016)


 涙が止まらなかった。ビートルズのヒストリー的なドキュメンタリーは数多くあったのだが、今回の作品はちょっと違うようだ。Ron HowardじゃなくてMartin Scorseseだったらどうしただろう。もっとライブシーンが満載だったのだろうか?と想像したりもした。Ron Howard監督は、当時の有色人種の問題を初めとする社会情勢と、たった五年のビートルズのツアーイヤーを巧みに繋げて来た。涙の理由がそこではない筈。むしろElvis Costelloの「Rubber Soul」に対するコメントの方が涙に近いかも。いずれにしてもビートルズのツアーの苦痛がよく伝わって来る編集だったと思った。
 本編の後に、あのスタジアムライブが見られた。実は、70年代の後半に「Magical Mystery Tour」と併映で劇場上映されている。その時は「シェア・スタジアム」という名称だった。SHEAは誰もがシェアだと思っていたが、SHE-A(シー・エイ)という発音でシェイが本当だったようだが、当時は気にならなかったのだろうか。
 ビートルズは実際、腕のあるバンドだった。それは’61年のライブあたりで確信できた。しかし今回のツアーライブによって、音楽の向かい方の違いが明らかになり、強行スケジュールの中で(本当の)音の届かない演奏をしなければならなかった4人の気持ちを汲み取って、自分の涙になったのだろう。(それでもステージの演奏は魅了的であることに違いない)

 スタジアムライブではボタンをきっちり締めたポールとジョージ。ボタンをしなかったジョン。ボタンをひとつ外したリンゴ。この辺からも「気持ち」が伝わって来るようだった。

Movie: Koe No Katachi (2016)


 今の日本にタイミングよく舞い降りたテーマ。
 偽善とか本音とかの軸ではなく、誰もが心の中にある「つっかえ」をどうコントロールしていくのか。映画では登場人物それぞれに持ち合わせる「つっかえ」が微妙に且つ大胆に絡まる。そこには本人にもわからないモヤモヤした領域があり、そこを共有しながら歩み寄るが、「つっかえ」は解決することなく誤解や苦難を呼ぶ。たぶん、最後が良い感じで終わったとしても、きっと「つっかえ」はとれないのだろう。とれない「つっかえ」。それがテーマだと思った。

 近年のアニメ作品は重くなった。社会性のあるテーマに取り組む点では以前からある。もちろん「エヴァンゲリオン」にしてもそうなのだが、心理描写は以前にないほどに複雑化しているようだ。いい映画だと思う前に、こういう複雑な描写に向き合い、いったい我々は何をすべきかが解決されないところが、今度は自分のほうにも「つっかえ」を作り出してしまう。

2016年9月11日日曜日

Movie: Suicide Squad (2016)


 アメリカの人気映画といえば、Marvelからたくさんヒーローを集めて盛り上げるイメージが消えぬ中で、今回はDCからのヒーローもの。正直、この手の映画は好みでは無いが、5週で3億ドルを稼いだ作品という意味で観ることにした。
 「Sin City」、「Fantastic Four」、「Kill Bill」、「Spider-man」をはじめ、いろいろな作品が脳裏をよぎる。そこには近年の定石ともいえるスタイリッシュな雰囲気をもったヒーローものである。ただ、いきなり知識がまったくない状況でこの映画を観たとしたら、中盤までは取っ付き辛いだろう。一応、登場人物を紹介しつつも流れを作ってはいるが、素早く切り替わるショットに追いつくのが精一杯な感じ。ようやく腰を据えて観れるのは中盤のチームが集結したところからだ。ゾンビのような敵と戦うあたりが一番の見所。その後のラスボスに行き着くまでの過程は、なにか気が抜けた炭酸水のように「何かを失くした」感が…。
 まぁ、それなりに楽しめるとは思うが、もう少しそれぞれの個性を強調した内容にしたほうがよかったのでは?と思うのであった。

 刀をもった人はデビュー作だそうだ。マスクを取った次回作を期待したい。


Movie: Kimi no na wa. (2016)


 思った以上の重量感のある作品だった。「転校生」や「シュタインズ・ゲート」のような恋愛主軸で、入れ替わり、かつ、タイムトラベルものかと思っていた中、ヘビィなテーマが持ち上げられる。以前千人以上の怪我人を出したロシアの隕石落下事件を思い出すのだが、こういった希にでも起こる起こらない事象と、大津波や地震、台風のような一度でも被災したものとの線引きは、基本曖昧である。しかし、一度でも事件として扱われれば、異常なまでの防災意識でメディアが利用されるため、極論化が更に膨れ上がっているのが今の世の中だ。もしも、毎年のように、映画でも登場した隕石落下が発生する世の中が来れば、人の生活はどう変わるのだろうか…、という考えを持ちつつも途中から三年もの時を隔てた二人の接続定義まで感がなければならなくなるため、「(気持ち)忙しい」映画でもあった。
 キャストは俳優さんと声優さんが混在しているのだが、Ryunosuke Kamikiが予想以上に良い感じだったので、違和感なく観れた。

 

2016年7月31日日曜日

Movie: Trumbo (2015)


 最近、「芸術」という言葉が似合う映画を見なくなった。いや、たぶん近くの劇場公開作品に「芸術作品」が皆無に近いからかもしれない。70年80年には芸術作品と呼べるものが多くあったのだが、今では感覚を麻痺させる作品ばかりである。次第に映画から離れていく自分がいるのだが、そろそろ「映画」文化の終焉が近づいているのかもしれない。

 この映画の「赤狩り」を、今の「移民排斥」「黒人排斥」「銃規制」に当てはめると、本質はその裏の裏にある組織的な壁が見えてくる。時代はなんらかの形で繰り返す。とても参考になった映画だ。

 Dalton Trumboは昔のパンフレットなどでの日本語表記ではドルトン・トランボで通っていた。自分は「Johnny Got His Gun 」で初めて彼を知ったが、赤狩りの詳細事情までは知らなかった(ブラックリストにCharlie Chaplinの名もあったそうだ)。今回の「Trumbo」では、有名人や有名作品がぞろぞろと登場するのである意味で非常に楽しい。例えばEdward G. Robinsonなどは、彼が出ているというだけど「Soylent Green」を見に行ったくらいだ。

 映画では、投獄シーンなどはあるものの、瀬戸際を表すような部分は無い。その分、家族のシーンが協力的な印象のほうにウエイトを置きたかったのだろうか。それに合わせるようにキャラクターのイメージが良い具合に出ているようだ。Otto PremingerにKirkDouglasなどなど。この映画の苦労した部分が伝わってくるようだった。


2016年7月16日土曜日

BD/DVD: The Rape (1982)


 amazon tv stick を安く手に入れたので、最初の一本目としてこの映画を選んだ。映画デビュー2年目のYuko Tanakaが初々しい。かつてのATG映画では「サード」を思い出すYoichi Higashi監督の作品。

 電話のベルがよい効果を出しているのも、こういう時代だからこそかもしれない。面白いのはレイプされた日に鳴る電話と、ラストで鳴る電話の対比。映画が表に出そうとするひとつのポイントなんだろう。
 この時代は、まだ携帯電話、パソコンなどは無く、防犯のためのカメラも無かった。住宅地にも空き地が目につき、人通りもまばらな頃を察すると報道には出てこない問題が山のように隠れていたと思う。
 裁判のシーン以降、流れが変わってくる感じが面白い。まず、被害者が容疑者のように扱われ出す点。そして容疑者の弁護士が話を掻き回してくる。さらに登場人物のそれぞれの裏事情が明らさまになり、被害者でさえも「絶対的」なものが薄れてくるのだ。こういった流れは、技術の進歩を遂げた現在でも同様に社会の不条理の普遍性が根を張っている。解決したいが解決できないモヤモヤした部分。ここを描いたところは評価したい。

 男と女のダイアログ。冷静に聞いていると、あまりにも違和感のある内容にとれるが、あの頃を思い出すと、納得する面もあるのが不思議だ。


 結婚式後に登場する車は自分も当時乗っていた車。懐かしかった。

2016年6月19日日曜日

Movie: Irrational Man (2015)


 まるでかつてのJean-Paul Belmondo主演作品のような日本語タイトル。「教授のおかしな妄想殺人」という酷すぎるタイトルを知らなければ、きっと別の角度で楽しめただろう。Woody Allenは確かにコメディ調を巧みに扱っているが、意図としては全く違うところにあると思うし、実際に、欧米では犯罪ドラマとして扱われている作品である。

 実に惜しい感じがした。中盤までの流れは個々の考えを出しつつ交わりあい、面白く作られていると思うのだが、Abeの行為が追求されだした点から、いろいろな面が粗く感じたのである。ラストは駄目押し。ちょっと踏ん切りがつかなくなった。特に、Jillの人間性が問題に思える。彼女はAbeがロシアンルーレットで自分の頭に銃口を向けることを目にしていながら、その後、レストランで他人の裁判の問題に聞き耳を立てた。「嘘」の話から始まったAbeの講義に惚れ込んだJillならば、彼の意図と展開をある程度、読み解けたとしても不思議ではない。むしろ犯罪行為超えた世界観を持つ人物として興味を持っていたのではないのか?と思ってしまう。もし日本語タイトルの「おかしな」を付けるならば、女性側に付けた方がいい。



 その一方で、考えさせられる作品として評価していいのかもしれない。今の現代で問題にされている犯罪、社会問題、人と人の距離、様々な課題が凝縮されていたからである。


2016年5月30日月曜日

Movie: Tokyo Story (1953)


 尾道で生まれ育った家族らしく、言葉遣いがどことなく懐かしい。Haruko Sugimuraは広島出身だからか、最も昔よくいた人っぽく振舞われる。

 映画は通常衣服等で季節感が出るが、取り立てて注目すべき部分ではないが、この映画では始終うちわが使われる。この表現が実に場面に引き込まれる効果を十二分に果たしている。

 興味があったのが、風景を映す場面に登場する黒煙を吐く煙突。これば当時として一般の風景だったのだろうか、今では恐ろしく感じる表現に映る…。

 Chishu Ryuの「いやー」から始まるお決まりのセリフ。喜怒哀楽の様々な場面に拘らずに使われる。ここでこの中心人物の人柄を明確に表しており、いままでの家族の記録を代弁しているかのようだった。

 Setsuko Haraのアパートで見られた貸借りのある生活。これは「An Autumn Afternoon」で登場する場面とも共通点があり、生活の様々な形がさりげなく語られている。どうしてなのか地位と裕福さの反比例的な印象も受けるのであった。

 戦後10年も経っていない銀座の街並み。日本の復興力というのはこの時代が最も端的であり、今の復興ベクトルは様々な意見対立や損得勘定が壁となり前進できない感じと比べてみると実に感慨深い。

 総括すると、この映画は、冷たくもあり、暖かくもある時代の変わり目の一コマである。子供が駄々を捏ねられるくらいの余裕ある生活が広がりつつある時代になる、その一方で、依然、昔を装う親世代との差は今に置き換えると、人間のもつ本来の能力を削っても「楽」や「便利」を求める程の良い技術革新社会と、必然性から生まれた職人気質との差と言えなくもない。正に未来を暗示させる映画である。

 このサイトでの評価を例に出すまでもなく、とにかく世界での評価が高い。この映画の着目点も、時代に沿って変化しつつあるのかもしれない。



2016年5月20日金曜日

Movie: The Sea of Trees (2015)


 思った以上に面白く観れた。日本が舞台となっているが、あまり日本色が出ていないところも違和感なかった点であろう。

 基本、人間の絡みを主体とした劇であり、例えば“The Squid and the Whale”みたいな極端な雰囲気もある。それに加えて、青木が原に集まってくる人たちには様々な理由がありながら、森という視点に置き換えた時、すべてが同じ境遇の下で葛藤し、その末路も違うというメイズのような世界観が加わったことで、間違えれば殺風景になりかねない場面を、無難に繋いでいると思った。

 ただ、次に挙げる3つの不思議感は、最後までサスペンドされてしまうため、満足の域まではいかない。1つ目は、学者の立場でありながら、理論的に自分の位置(太陽の位置とか、時計とかを用いて)を認識できないのか。2つ目はダムが決壊したような場面の疑問。最後はKen Watanabeの存在。もともと彼のミステリー性が主題なのだと思うのだが、英語の会話能力や家族の名前の謎あたりだけでは解決できないものがあった。

 それでも、青木が原という知っていそうで知らない映像には興味あったし、いい感じでストーリーと絡ませたと思う。そして、Matthew McConaugheyの存在もDustin Hoffman的な印象があり、面白かった。


2016年5月10日火曜日

Movie: The Way We Were (1973)


 実は初めての鑑賞である。この映画で2つのアカデミー賞(主題歌、ドラマスコア)を受賞したMarvin Hamlisch。同年彼は、映画「The Sting」でもアカデミー編曲賞を受賞しており、彼の黄金年であった。またこの年の主な映画には「American Graffiti」や「The Exorcist」「Paper Moon」「La nuit américaine」などがあり、アメリカンニューシネマをはじめとした革新的な映像手法を以って文化の変化を印象的に映した映画が多く登場した頃だった。なぜこの映画を見過ごしていたのかは、自分でも不明であるが、とにかく本日、劇場で観れたことは嬉しかった。

 KatieとHubbellの関係は、些細なバカバカしい関係にも見えるが、同時に社会の体制に縛られたできる限りの行為にも見え、画に映らない憤りとかジレンマとかが多少のユーモアを交えながらも描かれていたと思う。当時売れっ子だった主役二人だが、演技からはそんな雰囲気を読み取れないほど自然な演技に見えた。今では当たり前となった携帯電話やパソコンのような出過ぎた小道具もなく、サプライズ的トリックもないストレートな男女の向き合った会話。これが映画を引き締めてくれた。加えて、戦後アメリカの政治に対する空気も何気に感じることができたのは良かったと思う。

 1970年代前半のアメリカンシネマはやはり魅力がある。ストーリーには、今だからこそ見て損は無い要素が溢れているのだ。


2016年5月1日日曜日

Movie: Spotlight (2015)


 一言でいうと、とんでもないテーマを扱った映画である。かつての映画「All the President's Men」のような展開を予想しつつ見ていたが、ポイントはそこではなかった。この映画で唯一不満な部分として、児童虐待の歴史的な側面を省いていたことである。だから、映画が終わって「なぜ?」という疑問を残した点は、「良い映画」という感想をかなり薄めさせた。
 映画では、司祭とその家族関係、被害者の意見がかなり重要なシーンになる。つまり、なぜこれだけの人数が同じような虐待を(国を超え、時代を超えて)行われていたのかという点を仄めかすシーンのことである。映画ではおそらく、そのあたりを画的にうまく表現しているのだと思うが、自分にとっては不十分感でしかなかった。それでも興味を抱かせたという点では見て満足な映画なのだろう。

 例えばBABYMETALを好きだと公言すると、海外の一部から「paedophilia」として軽視される。日本では(たぶん)理解できないことである。しかしこの「paedophilia」根っこは古くからあるカトリック教会のしきたり的に根付いていたものらしい。「化物語」の戦場ヶ原の過去のような悪魔祓い的なのものか、または独身司祭に与えられた暗黙のしきたりなのか、虐待を受けた側がやがて司祭となりそれを繰り返す連鎖的なものなのか、いずれにしても人里離れた村の慣習のようなものと捉えているのだが、そういった慣習も時代と人権意識の変化により「許されないもの」として近年、取り上げられたのだと思う。日本でも一部の地域では法を無視した慣習が残っているケースもあるので、一概に「悪」と否定はできない。多分に日本の捕鯨問題に通じるものがあるかもしれない。加えて、これに関して差別問題も関連してくる。カトリックの性的虐待の被害者には男性が多く占めているらしい。女性はインドのように差別的に扱われているとか。いずれも今起こった問題ではなく、何世紀も遡らないと理解できない問題のようだ。

 近年、過激派のイスラム教徒を批判する流れがある。だが、今回の映画を受けて、キリスト教も形は違えども類似した要素を持っていることがわかった。他の宗教だって大きな違いが無い筈だ。いままでの世の中「正、不正は別として、多数派の意見が時代を作ってきた」ことを再認識した。


2016年4月27日水曜日

Movie: Sound! Euphonium (2016)


 これはTVシリーズの編集によるダイジェスト版である。いわば、TVシリーズの流れがこの映画により短時間にわかるというもの。ではTVを見た人は劇場版を楽しめないのか?について、人それぞれかもしれない。自分にしてみれば、劇場の音で楽しめるところは良かったのかもしれない。特にエンドロールは椅子から離れたく無い感じにもなる。
 「劇場版」手法としてのダイジェストは理解できるものの、(製作コストなどの帳尻も含め)可能であれば(裏話的な)未公開エピソードを交えて欲しかった。今回の作品は、初めて見る人にとってはエピソードのいくつかのゴタゴタしていた部分が解決しないままの展開に不満が残るだろうなと心配もする。


 近年、アニメにおいて高校の部活ものの幅が広がっているようだ。以前の定番、バスケやサッカーや野球にとどまらず、自転車とか麻雀などまである。そんな中で吹奏楽は知識によるクォリティーとは違う音楽製作サイドがかなり苦労しそうなものであり、クォリティーでは「無理」な部分が多くありそうに思っていたが、ついに昨年、TVシリーズで登場してきた。やはり間口の狭い感じは否めない。それでもサウンドクォリティーがが要求されるアニメ(例えば、「坂道のアポロン」とか「四月は君の嘘」)は日本だからできる作品だと信じているし、今後、日本のアニメの質を高める要素だとも思っている。だから秋からはじまるセカンドシーズンはそのあたりの視点から期待して止まない。


2016年4月22日金曜日

Movie: The Revenant (2015)


 「Star Wars: The Force Awakens」が予算245Mドルで世界興行収入が約2000Mドルに対して、「The Revenant」は予算135Mドルで、世界興行収入が約500Mドルだそうだが、面白いのは、(米国以外では)前者が英国でトップ成績だったのの対し、後者は中国でトップだったようだ。なんとなく興味の違いがわかる気がした。

 映画のラストでは結果としてどうなったのか疑問を抱いたが、実在の人物は1833年没らしいので、なんとなくその後の展開がイメージできるようだった。
 DiCaprioについては、これまでの作品からRobert Redford的な役者になりそうな感じだったのだが、この作品ではClint Eastwoodっぽくもあり、汚れ役、復習などの言葉が似合う人物になってきた。要はそういう目でみていい映画である。絵画のような美しい背景の中でボロボロに描かれたDiCaprioの演技こそ持ち味であり、セリフの少なさとか、単調に思える展開とかもさほど気にならない。

 1823年の設定だそうだ。というか、死にかけた話も実話らしい、調べてみると実在のHugh Glassがクマに襲われた年である。1971年にRichard Harris主演で「Man in the Wilderness」という映画もあるようだから、是非観てみたい。
 それから、エンドロールでぞくぞくと登場するスタント。スタントの苦労もよくわかる映画である。加えてクマのVFXにも驚いた。ILMのSFと違ったこの感じは今後も生かして欲しい。



 すでにブルーレイ等では4月19日に発売済み。


2016年4月20日水曜日

BD/DVD: Whiplash(2014)


「ヘッドフォンでも観て欲しい映画である」「手に汗握る映画である」「なんだこいつ!と独り言が出てくる映画である」。

 かつての映画を思い出してみたりする。
 「クロスロード」「オール・ザット・ジャズ」いやむしろ「ロッキー」みたいな感じなのかもしれない。
 
 なるほど、ほぼ全部のシーンにAndrewが登場するようだ。主役が決まっていたとしても、ここまで多くのカットに登場する映画も珍しい。その中において理解できない場面と理解できる場面とが交錯していく。主役の性格は普通ではない。利己主義なのか、一途なのか、単純に優越感を求めているだけなのか。それに呼応してか浮き沈みの極端なこの映画は、自然と見る側を真剣モードにさせる。

 日本語で「音楽」と書くが、ここでは「音苦」の世界。まるで噛み合わない歯車。何か突然の化学反応で生まれてくるものを期待しているかのような世界観。チャーリー・パーカーも然り。チェット・ベイカー、セロニアス・モンク、ジミ・ヘンドリックス、グレン・グールドなどの人物像にFletcherの理想を感じた。確かに近年の音楽ビジネスにはかつての天才を見出せない。無理矢理音楽と関係ないものとタイアップして価値にしたようなものがメディアに載る。だからなのか、例え威圧的だとしてもFletcherに共感する部分が多い。後半のAndrewの囚われたようなバックグランドを持つ性格から解放する流れは面白かった。

 正直、最後のソロは、観客にしてもれば「聞きたいもの」では無いだろう。終わり方としてこれで良かったのか?と疑問を持った。悦に入る演者と観客との間に生まれた壁、そこでエンドロールになる。逆にこの不思議感が良いのかもしれないが。


2016年3月29日火曜日

Music: Metal Resistance (2016)


Metal Resistance - Babymetal 

 今日届いたので真面目に聴いてみた。

1.Road of Resistance
 1年前にリリースされた曲だが、改めて新盤の先頭曲として聴いてみるとこのバンドたる特徴:音、構成、ボーカルの一体感が不自然ではないという意味でもこの曲がオープニングに相応しいことを認識させられた。

2.KARATE
    気合いの声が分離しているので、ボーカルとコーラスのトライアングル感が生まれてくる。もしもサラウンド盤が出れば面白いことになりそうだ。

3.あわだまフィーバー
 次のシングルなら、これがいいと思っている。コーラスは初期のビートルズを思い出す。

4.ヤバッ!
 インドア風な空気のある曲。歌詞にある「違う」「ヤバッ!」何が違うのか、何がヤバいのか気になってしまう。

5.Amore ―蒼星ー
 前作のAKATSUKI的な位置付けの曲。AKATSUKIが過去の哀愁を漂わせたとするならば、今回は、未来への志が感じられる。

6.META!メタ太郎
 スポーツの応援歌のような雰囲気で、どこか路線を逸脱した感はあるが、何度も聴くと味が出てくる曲でもある。

7.シンコペーション
 アルバムの象徴としても良いくらい、メロディックでスピーディな佳作。なるほど折り返しの先頭曲に相応しい。

8.GJ!
 META!メタ太郎と似て、これも何かスポーツ向きのような感じに加え、曲調から、さくら学院の曲にも近い感じ。

9.Sis. Anger
 これはかなりメタルぽさが際立った曲。男性の低い声も似合いそうだが、そこはBABYMETAL。普通とは違う。もしかしたら人気曲になる予感がする。

10.NO RAIN, NO RAINBOW
 この曲が入っていることで多くの人が安心したのではなかろうか。いわばこのアルバムのスタビライザーである。

11.Tales of The Destinies
 この曲でダンスができるのか心配してしまうのだが、こういう曲調が好きだった人間には、嬉しい1品である。

12.THE ONE
 前の曲と繋がってくるこの曲は、かつてのプログレ大作主義盤の時代を思い起こさせる。このアルバムではメドレー構成の良い終幕曲となっており、まるで宇宙空間に舞い上がっていくかのようであった。


 童謡、唱歌引用のような「あれ?」と思うところが無い部分、さらには全般的にマイナーチューンの曲が幅を利かせているところが前作との違いであり、これまでのようなカラフルやパーティな感じが抑えられ、今回は一連の歌詞からも方向性が感じられる。イエスを例にとるならば「こわれもの」から「危機」に変化した頃のような感じだろうか。


2016年3月11日金曜日

Movie: The Big Short (2015)


 この映画で思い出したのが「Thank You for Smoking」という映画。難しい内容ののようで理屈は簡単だということを面白く擬似的表現でスクリーンに映している感じがとても印象深い。だから話の中で重要なワードとなるCDOやCDSの位置付けが容易に飲み込める。

 また、進行がスタイリッシュであり、現実のとげとげしい点を削り取った感じは理解できた。ただ、潔さの塊のような感じが日本人のひとりとしては吸収しづらい面がある。例えば、日本でこういった映画を制作するなら、きっと暗く悩んだ世界観が全面に出てきると予想できる。そう言った点では「新鮮」なのかもしれない。

 エンドロールでは1927年のミシシッピ洪水による悲哀を歌ったブルース曲「When The Levee Breaks」がLed Zeppelinのおなじみのチューンで流れる。自然災害にしろ、人的災害にしろ、人間は幾度となく予想もしない不幸を経験してきているが、人間の教訓として心に留めておきたいはずが、必ずまた同じ運命を辿ることになる。そんなカオスな部分をZeppelinのハードなサウンドで訴えているような印象であり、意味深い終わり方だった。

 一番印象に残ったのは、Brad Pitt演じるBenのはしゃぐ2人を制する時のセリフ。確かに、笑っている人の裏側では多くの人が泣いている現実こそ、この映画から汲み取らなければならない点であることは間違いない。穏やかな波は平和だが、面白さがなくなると無理やりでも波を起こすだろう。そこに金儲けが絡めば、多くの人を飲み込むくらいの津波まで起こしかねない。そういう意味で人間の凄さと愚かさを磨り潰したような脚本になっていたことを評価したい。


 余談だが、日本食レストランNOBUへのこだわりが、いまいちよくわからなかった。それでもこのチェーンはラスベガスを始め世界の主要都市にあることに驚いた。


2016年3月4日金曜日

BD/DVD: Mad Max: Fury Road (2015)


 シリーズとしては30年ぶりの4作目にあたり、Max役も交代した作品だったが、タイミング悪く、しかも今更感があっただけに踏ん切りつかずに見送っていた本作。
 それにしてもなぜ、こんなに各地の映画賞を獲得したのか?コスチューム、メイキャップ、サウンドはわかるとしても作品賞の価値も十分あるとされる。そんな謎を解きたい興味からSONYENTERTAINMENTNETWORKを介して鑑賞した。

 これはR指定の映画であり、バイオレンス満載だが、「No Country for Old Men」のようなタイプではない。或いは「The Lord of the Rings」のようなファンタジーとは違う、世に蔓延る一つのアクション映画である。この「場違い感」のある映画が作品賞として持ち上げられる感じ。いったいなんだろう。

 映画は単純明快に草木もろくに生えていない砂と岩と申し訳程度の道をバックに、やるかやられるかの展開。アクションは見慣れたエフェクトのためか冷めた感じしかしない。
 確かに、映像、サウンドの効果は興奮を呼ぶが、それそのものがストーリーを優美に変えるものではない。


 考えてみたのだが、銃乱射の事件の多発、中東情勢に思うように手が出ない。そんな、うまくいかない現在のアメリカに対して、共和党の富豪大統領候補者が持て囃されたりする事と同様に、例えオーストラリア映画であっても、まるでアメリカがイスラム国を倒すような感覚で入り込んでしまっているのではなかろうか。今だからこそ、お堅い評論家であっても、メタルサウンド満載の映画に興味がいく、いわば転換期なのかもしれない。

2016年2月19日金曜日

Movie: Bridge of Spies (2015)


 日本では、もうSpielberg作品だからといって、価値は生まれない時代になったのだろうか。最近の作品にしろアカデミー賞にノミネートする力はあっても、以前ように日本では話題に上らない。おそらくIndiana Jones的なものなら芸能誌がこぞって取り上げるのだろうが、日本人から見てテーマに隔たりのある作品が続いているためか、おとなし目の公開に見える。今回の作品。鑑賞する価値は十分あると思う。しかし商業的な間口の有る無しでSpielbergの価値が問われるのもおかしな話である。

 ちょっとネタバレとなるかもしれない。かつて「Schindler's List」でも見せた生死を問うスリリングな場面が待っている。設定を反服させ、同じことを押し通したり、或いは急な変化に持って行ったりする独自のパターンは健在であり、実に感心してしまう。乗り物から見る壁(柵)越えの場面、新聞の記事からDonovanに向ける乗客の表情、スパイ交換における保険の引用、加えて「橋」の意味あいなど、すでにわかっている監督手法なのだが、簡単に受け入れてしまうのだ。

 困惑した場面として、「スパイは殺せ」という風潮の中で弁護するDonovanを非国民扱いにしたこと対し、スパイ交換となると英雄に持ち上げられるところ。勝手すぎ、偏りすぎと思うのだが、現実的には(今も昔も、日本であっても)これが当たり前とされそうなのが歯がゆい。


 Mark Rylanceの演じるAbelは味があって最も印象に残った。


2016年2月5日金曜日

Movie: The Martian (2015)


 最悪の70年代後半ソング、例えばThelma HoustonGloria Gaynorがちょっと異種の空気を運ぶそれがこの映画なのだが、ただDavid Bowieの場合はうまい感じで、これは偶然の産物になるのだろうか。曲は船長のお好みらしいが、実は食べ合わせの悪い料理のようでもある。
 ちょっと驚いたのが中国の協力。この映画は暗に米中協力の素晴らしさを代弁しているようでもあるが、一方で宇宙開発では欠かせないロシアの存在が微塵も出てこないことを考えると、無駄な政治論議、宇宙開発論議を省きたかったのかもしれない。自分が思ったのは、中国でアイアンマンの人気が高いことを汲み取り、中国市場をある程度意識した作りにしたかったという感じでは

 映画を見る限りでは、かつての威信のかかったアメリカの姿ではない。今のオバマ政権のように判断に困る場面が随所に登場する。NASAの責任者の決定も簡単に崩される設定はとかを踏まえてもそう言えるだろう。ただ、この弱さを持ったアメリカの姿こそ、多くの人に見てもらいたかったところだったのかもしれない。この映画の流れと、今の大統領選の筋書きが、どこか似ている感じで面白く見れた。
 それにしても映像技術の進歩は素晴らしい。「Alien」の監督としては、同様の宇宙輸送船の中の科学的な扱いの差を強く感じたのではないだろうか。火星の重量は地球の4割程度らしいし、火星時間は地球時間より1日が37分長いとか。こういった違いを入念に描くことは難しいだろう。リアルに描けば、フィクションの面白さに背くことにもなる。この映画はまるで現実にでも起こり得る風に作られているが、あくまで科学創作劇なので、見る側の頭が中途半端にならないように制御しておく必要がある….と思う。


 なぜ邦題が「オデッセイ」?。もしかして、以前の作品の「プロメテウス」の流れを作ろうとしている? 今後もR.Scott作品をタイトルをギリシャ神話に掛け合わせるつもり?。まさか。ちなみに中国での公開タイトルは「火星救援」らしい。こっちの方がそれっぽい。原題のように「火星の人」みたいにしたら、そんなに売れないのだろうか?

2016年1月26日火曜日

Game: Dreamcast “The House of the Dead 2” - replay!?























Sega’s game console “Dreamcast”.
Do you have this?
Was this a failure game machine?
I don’t think so.
The House of The Dead / Shenmue ..
There were many great game softwares.

Today!

I replayed "The House of the Dead 2" that I have not played long time.

Next time, I hope play with you.