2016年5月20日金曜日

Movie: The Sea of Trees (2015)


 思った以上に面白く観れた。日本が舞台となっているが、あまり日本色が出ていないところも違和感なかった点であろう。

 基本、人間の絡みを主体とした劇であり、例えば“The Squid and the Whale”みたいな極端な雰囲気もある。それに加えて、青木が原に集まってくる人たちには様々な理由がありながら、森という視点に置き換えた時、すべてが同じ境遇の下で葛藤し、その末路も違うというメイズのような世界観が加わったことで、間違えれば殺風景になりかねない場面を、無難に繋いでいると思った。

 ただ、次に挙げる3つの不思議感は、最後までサスペンドされてしまうため、満足の域まではいかない。1つ目は、学者の立場でありながら、理論的に自分の位置(太陽の位置とか、時計とかを用いて)を認識できないのか。2つ目はダムが決壊したような場面の疑問。最後はKen Watanabeの存在。もともと彼のミステリー性が主題なのだと思うのだが、英語の会話能力や家族の名前の謎あたりだけでは解決できないものがあった。

 それでも、青木が原という知っていそうで知らない映像には興味あったし、いい感じでストーリーと絡ませたと思う。そして、Matthew McConaugheyの存在もDustin Hoffman的な印象があり、面白かった。