2016年5月10日火曜日

Movie: The Way We Were (1973)


 実は初めての鑑賞である。この映画で2つのアカデミー賞(主題歌、ドラマスコア)を受賞したMarvin Hamlisch。同年彼は、映画「The Sting」でもアカデミー編曲賞を受賞しており、彼の黄金年であった。またこの年の主な映画には「American Graffiti」や「The Exorcist」「Paper Moon」「La nuit américaine」などがあり、アメリカンニューシネマをはじめとした革新的な映像手法を以って文化の変化を印象的に映した映画が多く登場した頃だった。なぜこの映画を見過ごしていたのかは、自分でも不明であるが、とにかく本日、劇場で観れたことは嬉しかった。

 KatieとHubbellの関係は、些細なバカバカしい関係にも見えるが、同時に社会の体制に縛られたできる限りの行為にも見え、画に映らない憤りとかジレンマとかが多少のユーモアを交えながらも描かれていたと思う。当時売れっ子だった主役二人だが、演技からはそんな雰囲気を読み取れないほど自然な演技に見えた。今では当たり前となった携帯電話やパソコンのような出過ぎた小道具もなく、サプライズ的トリックもないストレートな男女の向き合った会話。これが映画を引き締めてくれた。加えて、戦後アメリカの政治に対する空気も何気に感じることができたのは良かったと思う。

 1970年代前半のアメリカンシネマはやはり魅力がある。ストーリーには、今だからこそ見て損は無い要素が溢れているのだ。