この映画は12年プロジェクトだそうで、カラフルなimacからiPod touchまでに至るアップルガジェットの歴史と照らしながら見れるところが面白い。また「ドラゴンボールZ」や任天堂などでも子供の楽しみ方を回顧させてくれた。
イメージはかつての「アリスの恋」にも似ていたりするが、登場人物の成長を3時間弱で体感出来ることを思えば、過去に全く例のないスーパーリアルなロードムービーであることは間違いない。
頭から追っていけば、整然とスナップショットが並んだコラージュのようにも思える中で、ワンシーンワンシーンに目が離せず、むしろ、まるでカノンのように年を経るごとに厚みを増してくる。
長い年月の平穏と荒波の中でキーワードとなっていた責任感という言葉。人間としての在り方、前に向く姿勢、感情に流されない男の子の立ち位置を考えてみると、単なる人生の一コマが重圧にさえ感じられる雰囲気の演出。そこがなんとも言えない。一瞬はあっという間に流れる、しかしそれはそれは大事な大事な一瞬なのだ。そこを掘り下げたLinklaterは流石である。見事な作品だった。