A feeling of speed keeps suppressing emotion.
「Casino Royale」でも脚本にクレジットされていたPaul Haggisだが、未だに「Crash」のような胸を締め付ける感覚は求めることができない。やっぱりBond映画という制御にかかっているからなのだろうか。
正直、Daniel Craigのシリーズになってから60年代のような「間合いの楽しみ」が消えた。とにかくどんどん場面が変わっていく。よって自分もマシンのように目で画面を追いかける。少なくともJames Bondの粋な(知性のある)センスと表情は、Terminatorの如く裏側へ押しやられたのだ。救いといえば、大画面とサラウンドオーディオを試すにはよいアイテムになりえること。しかし、それ以上に推すべき点は無い。
これほどのバイオレンスに傾倒したJames Bondを強調する理由は何なのか。まさか今の時代が愛に溢れて飽きられているわけでもないのに。