2009年1月31日土曜日

Movie: Quantum of Solace (2008)


A feeling of speed keeps suppressing emotion.


「Casino Royale」でも脚本にクレジットされていたPaul Haggisだが、未だに「Crash」のような胸を締め付ける感覚は求めることができない。やっぱりBond映画という制御にかかっているからなのだろうか。

 正直、Daniel Craigのシリーズになってから60年代のような「間合いの楽しみ」が消えた。とにかくどんどん場面が変わっていく。よって自分もマシンのように目で画面を追いかける。少なくともJames Bondの粋な(知性のある)センスと表情は、Terminatorの如く裏側へ押しやられたのだ。救いといえば、大画面とサラウンドオーディオを試すにはよいアイテムになりえること。しかし、それ以上に推すべき点は無い。

 これほどのバイオレンスに傾倒したJames Bondを強調する理由は何なのか。まさか今の時代が愛に溢れて飽きられているわけでもないのに。

2009年1月30日金曜日

Movie: Mamma Mia! The Movie (2008)


The lonely person looks away in the scene that human contacts closely.



 以前から思っていたことだが、ABBAの音楽は北欧出身ながら不思議と地中海にマッチするようだ。その風景と絡んで御馴染みの音楽が僅かなららもリゾート気分にさせてくれるのは嬉しい。場面毎に特筆する部分は無い、Meryl StreepやPierce Brosnanの歌は真剣に耳にするほどのものとは言えないが、島の奇妙な儀式的な流れもあってか、このパーティムードは不思議と楽しめる。

 若者達が歌い踊る「Hischool Musical」に対抗するかのようなこの(やや気色悪い)中年のミュージカルが、果たして多くの同年代に感動を呼ぶだろうか。いや、そんなことよりも昔良く歌ったABBAの歌をまた一緒に口ずさめればOKであろう。ちなみにBjörn And Benny本人も登場するサービスもある。

 自分としてはABBAで一番好きな曲「Thank You For The Music」がエンドロールで流れたのは満足。

2009年1月28日水曜日

Music: Progressive and Classic Rock as Jazz(2008)



Second Season: Progressive and Classic Rock as Jazz by Wave Mechanics Union


 60年代~80年代頃に話題となったプログレッシヴ・ロックやハードロック、パンク・ロックの著名な曲をジャズ風にアレンジしたのがこのアルバム。ただ、予想していたほどジャズに特化しているわけではなく、またジャズ化し易い曲を選んでいるわけでもない。どうもこれはリラックスしてBGM風に楽しむアルバムではないようだ。

 正直言ってリスナーの立場では「The Rain Song」や「De Do Do Do」などのジャズ風アレンジは素直に耳に絡まない。Beatlesに至っては「なぜこれ?」という印象まで受ける。

 ところが、Pink Floydの「The Great Gig in the Sky」は全く別物に映った。King Crimsonの「Elephant Talk」もまた然り。もしかしたらプログレッシヴ・ロックが特徴といしていた突飛なアイディアへのアプローチに重点が置かれたのかも。その証拠となる曲が最後に待っている。YESの名曲「Heart of the Sunrise」である。原曲をアレンジするときに「こうしよう、ああしよう」という思惑が見えるような展開で不思議にも合点してしまう。Lydia McAdamsの歌も自然にそれに付き添う。それは彼女がJon Andersonの姿を意識しているとは言えない程に。

 アルバムトータルでは疑問が残る結果となったが、先に出したプログレのナンバーはかなり聴き応えを感じた。これはあくまで自分としての感想だが。


2009年1月25日日曜日

Fukaya Cinema



 家の近くに映画館がある。劇場名は「深谷シネマ」。行くのは今回が初めてだ。
 毎年約70作品はコンスタントに劇場で鑑賞しているが、いずれも鑑賞場所は東京周辺がメイン。この映画館は全く気に留めていなかった。
 50席+予備席という規模はまさしく立派なミニシアター。
 それでも前面のJBLモニターの設置が価値を高めているかのよう。
 日曜の初回、予備席を含めて満席となった。上映作「okuribito(departures)」がアカデミー賞にノミネートされたからだろうか(自分もそんな理由から鑑賞に足を運んだひとり)。
 服装や年齢層から大方は近所の人という感じに取れる。
 今回は隅にある予備席(パイプ椅子)で鑑賞。なんだか小学生時代の学校の体育館での上映会を思い出した。
 スクリーンは正直言って大きくない。渋谷のrise-xという劇場ほどではないが、客の影を避けるためかやや上方にある。
 予告編上映の段階でフィルムに問題が発生。映写技師から「しばらく待ちください」のアナウンス。苦笑。ますます地方色が濃くなってきた。
 久しぶりにこんなアナログな雰囲気で鑑賞した。映画の内容もそれに同調するかのようで、「こんな雰囲気は大切にしたい」と思えた。加えて、映画の後に劇場前で屯し立ち話をする人達を見ていると、この手作り感溢れる劇場にまた足を運びたくなった。

 ここでは東京の公開より数ヶ月遅れた作品が上映される。そのため値段も通常は¥1,000(今回は¥1,200で鑑賞)。場所はJR深谷駅下車の北側出口から歩いて5分くらい。

2009年1月24日土曜日

Movie: Revolutionary Road (2008)


This movie focused us on screen despite of most house scene. It is nothing but their performance.






 アカデミー賞でも呼び声が高い作品。時節的には「Slumdog Millionaire」のような作品が強い傾向の中で、核心をえぐるような今回の映画もまた高評価を得るだろう。    10年前の「Titanic」のようなロマンスを期待していると完全に裏切られる。ただし出会いの場面で僅かに「Titanic」の設定を思い出した人もいたことだろう。

 1950年代の物語でありながら、これが実に現代のいろいろな「人と人の思いの違い」の状況を代弁するに相応しい。FrankやAprilが歩む憂鬱な時代設定は、実は冒頭の同じようなスタイル(帽子に注目)で出勤する場面で感じ取ることがきる筈だ。

 この映画のポイントとして、重要な会話の場面では、子供を登場させないという配慮がされている。こういう部分からしてもカット効果でぼかす手法をとらず、場面のひとつひとつに役目を持たせていると感じた。久しぶりに戯曲的な重さだ。そしてラストが意味深い。補聴器のボリュームを下げるようにフェードアウトする。これは、Johnの横柄な言葉に手を出そうとするFrankを見て、「病気だから」といって抑止するHelenの場面あたりでも感じ取れる、所謂エゴ的行動がが積み重なって作られた社会を譬喩したものだったのかもしれない。LeoやKateは素晴らしい演技をした。Kathyにしても勿論。Sam Mendes監督のセンスも忘れてはならない。時代を代表する曲「crying in the chapel」は懐かしかった。
 ところでKNOXビジネスマシンとはUNIVACに充てている?。

2009年1月21日水曜日

Movie: The Ramen Girl(2008)


An American woman who wants to learn a japanese spirit. Can you say it's impossible?



 まさかのBrittany Murphy主演の日本式根性ドラマ。監督もアメリカ人だけあって場面展開がスマートだ。気にかけていた向かいのラーメン屋で自分の居場所を失うAbbyと、ラーメン店主との絡みを含めて笑いを交えたラーメン修行は思った以上に面白く観れる。ただ、ラーメン屋と中国風の音楽の重なりはちょっと異様だが。
 Abbyの作ったラーメンを食した後に過去を思い出し涙が出てくる客達。このあたりから臭い演出になってくる。Tsutomu Yamazakiの演じる達人の登場場面への興味も束の間、達人が去ると物語も空虚に変貌。加えて、終盤あたりの話しを早めた印象はかなりのマイナス点。85年の「Tampopo」を意識した作品とのことだが、できればトマトやピーマンを避け、よだれの出そうな演出で勝負して欲しかった。

2009年1月20日火曜日

Windows 7 Beta


 今日は、Windows 7 Betaを軽く触ってみた。以下は率直な感想。 Virtual PC 2007上にインストールしたからか、かなり重いトライアルとなった。

・壁紙が風景寄りになった。
・DESKTOP GADGETはMACのようだが割と使えそう。特に付箋などは良い。
・PAINT TOOLが多機能となった。

 まだまだ確認するところはあるのだが、WindowsXPユーザから見ても極端に感動する部分は発見していない。 これがサクサク操作できるようになれば少しは親しみも沸くとは思う。今は待ち時間に悩まされるほうが問題だ。

2009年1月19日月曜日

Music: De Cuba Y De Panama(2008)


Billy Cobham And Asere - De Cuba Y De Panama

 未だにBilly Cobhamという名前は過去を振り返らせる力を持っている。一昔前は新しいアルバムが出る度に、バスドラを3つ並べていた頃と比較することが良くあったが、最近ではその比較自体が何の意味も持たない。むしろ年を重ねる毎に過去の飾り物を捨てているようだ。今考えてみると、35年以上前のアルバム[Spectrum]ではTommy Bolinなどを交えた音数とスリリングな展開に釘付けだった。そんな中で実は根底には母国パナマ色があったことを今更ながら振り返るのである。
 このアルバムは、良い意味で過去のBilly Cobhamの位置づけを忘れさせてくれる内容だ。脳裏に残るメロディが連続するため、まるでパナマ観光スポットに居るかのような錯覚に陥るが、そこではBilly Cobhamの姿を想像するのは困難。そんな溶け込んだところも彼の狙いの一部かもしれない。ところがこのアルバムを聴いた後にキューバの若手グループASEREだけの音と比べると、明らかに「場所の違う音楽」に感じる。このあたりが(今は使われなくなったが)本来のFUSIONという言葉の由来だな?と自己解決するのである。


2009年1月17日土曜日

SONY SRF-M90 RADIO


Radio-days!I never forgive digitalized world completely.Analog warm feeling is unchangeable forever.

Sony FM Stereo / Am PLL Synthesized Radio

 10年前以上のモデルだが、最近でも元気に頑張っている。

特徴は
・軽量、コンパクト
・シンセサイザー・チューニング
・バンド単位に7チャンネル分のプリセットができる。
・低音重視モード(メガベースセレクト)がある。
といったところであろう。

 近頃はインターネットラジオが広がりつつあるもののここ(日本)においては、モバイル機器が何処でもインターネットに繋がるというのは夢のような話であって、通勤電車で通信費無くインターネットラジオを聴くなんていうことは将来的にも皆無であろう。それにやっぱり、アナログだけにある温かさはデジタルではありえない。テレビが完全デジタル化しつつある中で、ラジオだけはアナログで永続して欲しいと思う。

表示部分はいかにも10年以上前の製品


設定ボタン群



2009年1月14日水曜日

Hot Spring Bath In Sambe, Shimane


 先週末に仕事仲間と島根県三瓶温泉一泊旅行に行った。生憎の雪と成ってしまったが、道路はなんとか除雪されている状態だったので難は無かった。
 出雲市から1時間で目的地の三瓶温泉(さんべ荘)に到着。週末は成人の日を含めて3連休ともあってか多くの家族連れ、団体、スキー客が見られた。期待の温泉では露天風呂が楽しめたが丁度吹雪いている状況だったこともあり顔が寒くて長居できない。温泉の規模も(入浴者の数が多かったので)小さく感じられた。
 翌日はなんとか天候回復傾向にあり、午前中のうちに大田市経由で出雲市方面へ戻れた。

露天の羽釜風呂など


雪を眺めつつ

21時頃はゆったり入れた

檜の風呂

翌朝のさんべ荘前の様子


2009年1月12日月曜日

Movie: Che Part One (2008)


I feel 'Che' power to let a person move, not as principles.



 いつからトレンドが3部作から2部作になったのかは定かでないが、この映画も「Red Cliff」のような2部作の作品だ。
 昨年末、強欲な資本主義が築いた骨格の脆さを痛切に感じた最中だけに、その煽りを喰らった人々を中心として共産主義的思考が芽生えている場面と照らし合わせても、良いタイミングの映画と言える。
 毎度Steven Soderberghの得意とする暈した導入部は今回も幾つかの処理サスペンドを生み出すのだが、期待を裏切らずに最後の闇が晴れた結果となるのもまた然り。この映画、蓋を開けると意外と地味に作られている。インタビュー場面が割り込んでくる都度、そのどこに視点をやるべきかを問い質される。確かにこの方法によって無作為に銃撃場面をクローズアップするよりも現実性がある。同時に威圧感だけで従えるのではなく、使命感と存在感で信頼を得てきた'Che' Guevaraの人間性も強調される。面白い場面があった、ハバナを目指す反乱軍にあって盗んだアメリカ製の車で向かう仲間を引き帰らせるところだ。この部分にはアルゼンチン人'Che'として見てきた部分の一端が映し出されているように思えた。加えてBenicio Del Toroの'Che'の良い雰囲気も映画を飾っていた。

2009年1月9日金曜日

Music: Bass Trombone and Wind Band Music (2008)


Bass Trombone and Wind Band Music - NAULAIS, J. / LYS, M. / EWAZEN, E. / STECKAR, M. (Y. Bauer, Musique de l'Air, Kesmaecker)

 バス・トロンボーンをフューチャーした本アルバム。選曲が楽しい。バス・トロンボーンという楽器を説明しなくてもこのアルバムを一通り聞くことでその役割が感じ取れる。「Etoile des Profondeurs(Naulais)」は最も定番的。親しみやすいブラスバンドの場面で存在感を表しており、特にBalladeでのソロは代替楽器が考えられないほどの魅力を出している。「Vertiges(Lys)」は眩暈という意味。9曲ものスリリングな小曲で構成されている。この殆どはラテンからのエッセンス。だからかLeonard Bernsteinも好みそうな感覚で耳も一致し、そのアレンジに誘惑されていくのだ。Rumba~Bossa Groove~Sambaと変化するリズムへ対応するバス・トロンボーンに唸る。「Bass Trombone Concerto(Ewazen)」では他の楽器群との協調感に焦点をあてて聴きたい。例えるならば映画俳優の台詞のような感じか。最後は「Deux Marches d'Ecart(Steckar)」。このジャズ・ビッグバンドのような場面では、今まで以上にバス・トロンボーンのスター性を引き立てている。Yves Bauerの演奏はこのアルバムタイトルに染み付いたような固定観念を拭い去る程の威厳と自由な感覚を残してくれたようだ。









バス・トロンボーンと吹奏楽のための作品集

2009年1月6日火曜日

Music: Lori Bell The Music of Djavan (2008)


Lori Bell - The Music of Djavan

 ブラジルの才能Djavanの曲を取り上げた作品で組み上げられたLori Bellのアルバム。このアルバムはボサノバの心躍るサウンドを軸としている中で、同じくボサノバ・フルートを連想するHerbie Mannのショウ・イメージのものとは一味違った、黙々とフルートに向かうLori Bellのスタイルが目に映るかのようだ。Djavanを聴く上で切り離せなかった「驚き」は今、Lori Bellの中で「納得」に変貌。「Obi」の重なったフルートの音はどのようにしているのだろうか...と興味も。「Capim」ではサービス的感覚なのか、歌が入っているのだが、なかなか雰囲気に似合った女性のヴォイスであった。海沿いを歩きながら聴くときにはMP3プレイヤーに入れておきたい。ただ残念ながら再生機器の設定不十分だったせいもあり他の楽器の歪んだ部分がフルートの響きを翳らせてしまった。


2009年1月5日月曜日

Movie: Broken English (2007)


The expression of the words like an excuse lets you make oneself sad.


 かつてならMarsha MasonやEllen Burstynが似合っていたジレンマを持った歳を気にする女性役をParker Poseyが良い感じで演じている。Noraはニューヨーク在住のアメリカ人。実に「良い人」である。周囲から見れば「良い人」は「便利な人」でもある。根は純粋な彼女。だから周囲に流されることも多々。顔で笑って心で泣いて、男運の悪さもあり、彼女をマイナス思考へ転換させていく。それでもNoraは半信半疑なまま自分のための防御壁や逃げ道を用意しながら夜を共にしたフランス人の男との接点を増やそうとする。この映画には男と女、国と国のコントラストも伺うことができる感じだ。まるで今のアメリカの威厳喪失そのものを表しているかのようなNoraの心情。パーティで見せた顔。発作を起こした顔。そして地下鉄でJulianに会ったときの顔。このフランス人の一貫した表情と対比すると世界地図が変化している様子に取れなくも無い。エンドロールで流れるのはかつてMarianne Faithfullが歌った「Broken English」。あの頃のシンセサイザーよりもダンスビートっぽく仕上げられているのはグローバル化の浸透によって言語問題が差ほど問題視されなくなった時代の影響でもあろう。


2009年1月3日土曜日

Music: Jeff Beck Performing This Week...(2008)


Jeff Beck Performing This Week... Live at Ronnie Scott's Jazz Club

 ジェフ・ベックのライヴ音源といえば古くは「BBA」の名演を思い出し、ジャズ志向に成ってからの「WITH THE JAN HAMMER GROUP LIVE」の感触も忘れられない。彼の感動できるギターテクニックは決して鍛錬だけで成り立っているものではなく、その構造の底辺には「感情表現」がある。しかし彼のカリスマ的な霊力も年齢には逆らえない。今回のライブ音源はかつての名曲をズラリと並べており、これで不満である筈が無いのだが、なぜなのか血を沸かせるまでには至らない。これをどう分析するのかは自分でも困惑するのだが、一つは年齢経過で失ってしまった時代性もあるのだろう。もし自分や多くのリスナーが70年代の頃のようなサウンドを期待してこのCDを聴いたのならば、本当の感動では無く、回顧的感動なのかもしれない。いずれにしても真剣に雑念を払って聴きたくなるギタリスト、ジェフ・ベックだからこそ、無理な注文も出てくるのは仕方が無いところ。

2009年1月2日金曜日

Zojoji Temple


 初詣。昨年は浅草寺だったが、今年は増上寺を選択。

 1月2日の朝10:00。予想以上に人出が少ない。東京のど真ん中にありながらこの人の少なさは異様でもあるが、例年参拝のために30分前後行列を作って待たねばならない苦痛から逃れることができた。朝の増上寺は空いていたが、境内に御籤の結びが多いところを見ると年越しをここで迎えた人の雰囲気が想像できるようだった。

三解脱門




大殿

2009年1月1日木曜日

Back To The Field


Essential principles can classify what is strange.

 一つ一つに疑問を抱いていくと矛盾を感じるときがある。ある企業が「限りなく儲け続ける」といった理念を打ち出したとしても普通では絶対無理な話。確かに儲け続ける企業は「幸せ」だろう。自分は毎日がとても幸せな生活をするよりも、時々痛い目や悲しい目に遭うほうが究極「幸せ」と感じる人間である。勿論中には、毎日が最高の幸せを究極とする人もいるだろう。それは各個人が自分の「幸せ」の居場所を認識しておけば良いことである。

以下は自分に課した2009年の志

●「便利」を恐怖と考える
 「便利だから...」という言葉を良く使う。これは同時に人間の元来の機能を退化させ、孤立した社会を助長させる。今は最低限の便利は何なのかを熟考する時期なのだ。

●「古さ」は正しさである
 百年、千年以上前の遺産が消滅しつつある。新しさは必要だが、それは古さを壊すこととは一致しない。もし変化を求めるのなら、古さを敬わうべきである。過去と今と未来が繋がっていなければ変化にはならない。

●専門を越えない
 自分の仕事の範疇でなければ、それは別の専門家に依存する。これこそ組織の基本。手は手で良いし、足は足で良い。手が不自由で無ければ無理に足の役目を果たす必要は無い。

●飲み過ぎない
 宴会で酒を飲むとき、自分の限界を知っていれば酩酊することもない。家庭や社会においても常に起伏がある。景気が良いときにこそ、悪い状況を想定した危機管理が必要だし、景気が悪いときにこそ状況を持ち直す見直しが要る。お金はむしろ後者にかかる。飲み過ぎてしまうと、戻るところに戻れなくなる場合もある。

●まずは「何も無い」状況からはじめる
 当初の目的が異なるのならば、既に詰まれた積み木であってもを利用しない。目的が混在するのは「便利」という悪の誘惑に捕らえられるからだと信じている。「無」こそが本質を考えるための起点である。

 最も重要なのは、何をするにしても最初の達成目標を忘れないことである。

2009年は改変を掲げたい。