2009年1月5日月曜日

Movie: Broken English (2007)


The expression of the words like an excuse lets you make oneself sad.


 かつてならMarsha MasonやEllen Burstynが似合っていたジレンマを持った歳を気にする女性役をParker Poseyが良い感じで演じている。Noraはニューヨーク在住のアメリカ人。実に「良い人」である。周囲から見れば「良い人」は「便利な人」でもある。根は純粋な彼女。だから周囲に流されることも多々。顔で笑って心で泣いて、男運の悪さもあり、彼女をマイナス思考へ転換させていく。それでもNoraは半信半疑なまま自分のための防御壁や逃げ道を用意しながら夜を共にしたフランス人の男との接点を増やそうとする。この映画には男と女、国と国のコントラストも伺うことができる感じだ。まるで今のアメリカの威厳喪失そのものを表しているかのようなNoraの心情。パーティで見せた顔。発作を起こした顔。そして地下鉄でJulianに会ったときの顔。このフランス人の一貫した表情と対比すると世界地図が変化している様子に取れなくも無い。エンドロールで流れるのはかつてMarianne Faithfullが歌った「Broken English」。あの頃のシンセサイザーよりもダンスビートっぽく仕上げられているのはグローバル化の浸透によって言語問題が差ほど問題視されなくなった時代の影響でもあろう。