2009年1月9日金曜日

Music: Bass Trombone and Wind Band Music (2008)


Bass Trombone and Wind Band Music - NAULAIS, J. / LYS, M. / EWAZEN, E. / STECKAR, M. (Y. Bauer, Musique de l'Air, Kesmaecker)

 バス・トロンボーンをフューチャーした本アルバム。選曲が楽しい。バス・トロンボーンという楽器を説明しなくてもこのアルバムを一通り聞くことでその役割が感じ取れる。「Etoile des Profondeurs(Naulais)」は最も定番的。親しみやすいブラスバンドの場面で存在感を表しており、特にBalladeでのソロは代替楽器が考えられないほどの魅力を出している。「Vertiges(Lys)」は眩暈という意味。9曲ものスリリングな小曲で構成されている。この殆どはラテンからのエッセンス。だからかLeonard Bernsteinも好みそうな感覚で耳も一致し、そのアレンジに誘惑されていくのだ。Rumba~Bossa Groove~Sambaと変化するリズムへ対応するバス・トロンボーンに唸る。「Bass Trombone Concerto(Ewazen)」では他の楽器群との協調感に焦点をあてて聴きたい。例えるならば映画俳優の台詞のような感じか。最後は「Deux Marches d'Ecart(Steckar)」。このジャズ・ビッグバンドのような場面では、今まで以上にバス・トロンボーンのスター性を引き立てている。Yves Bauerの演奏はこのアルバムタイトルに染み付いたような固定観念を拭い去る程の威厳と自由な感覚を残してくれたようだ。









バス・トロンボーンと吹奏楽のための作品集