I feel 'Che' power to let a person move, not as principles.

昨年末、強欲な資本主義が築いた骨格の脆さを痛切に感じた最中だけに、その煽りを喰らった人々を中心として共産主義的思考が芽生えている場面と照らし合わせても、良いタイミングの映画と言える。
毎度Steven Soderberghの得意とする暈した導入部は今回も幾つかの処理サスペンドを生み出すのだが、期待を裏切らずに最後の闇が晴れた結果となるのもまた然り。この映画、蓋を開けると意外と地味に作られている。インタビュー場面が割り込んでくる都度、そのどこに視点をやるべきかを問い質される。確かにこの方法によって無作為に銃撃場面をクローズアップするよりも現実性がある。同時に威圧感だけで従えるのではなく、使命感と存在感で信頼を得てきた'Che' Guevaraの人間性も強調される。面白い場面があった、ハバナを目指す反乱軍にあって盗んだアメリカ製の車で向かう仲間を引き帰らせるところだ。この部分にはアルゼンチン人'Che'として見てきた部分の一端が映し出されているように思えた。加えてBenicio Del Toroの'Che'の良い雰囲気も映画を飾っていた。