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2016年3月29日火曜日

Music: Metal Resistance (2016)


Metal Resistance - Babymetal 

 今日届いたので真面目に聴いてみた。

1.Road of Resistance
 1年前にリリースされた曲だが、改めて新盤の先頭曲として聴いてみるとこのバンドたる特徴:音、構成、ボーカルの一体感が不自然ではないという意味でもこの曲がオープニングに相応しいことを認識させられた。

2.KARATE
    気合いの声が分離しているので、ボーカルとコーラスのトライアングル感が生まれてくる。もしもサラウンド盤が出れば面白いことになりそうだ。

3.あわだまフィーバー
 次のシングルなら、これがいいと思っている。コーラスは初期のビートルズを思い出す。

4.ヤバッ!
 インドア風な空気のある曲。歌詞にある「違う」「ヤバッ!」何が違うのか、何がヤバいのか気になってしまう。

5.Amore ―蒼星ー
 前作のAKATSUKI的な位置付けの曲。AKATSUKIが過去の哀愁を漂わせたとするならば、今回は、未来への志が感じられる。

6.META!メタ太郎
 スポーツの応援歌のような雰囲気で、どこか路線を逸脱した感はあるが、何度も聴くと味が出てくる曲でもある。

7.シンコペーション
 アルバムの象徴としても良いくらい、メロディックでスピーディな佳作。なるほど折り返しの先頭曲に相応しい。

8.GJ!
 META!メタ太郎と似て、これも何かスポーツ向きのような感じに加え、曲調から、さくら学院の曲にも近い感じ。

9.Sis. Anger
 これはかなりメタルぽさが際立った曲。男性の低い声も似合いそうだが、そこはBABYMETAL。普通とは違う。もしかしたら人気曲になる予感がする。

10.NO RAIN, NO RAINBOW
 この曲が入っていることで多くの人が安心したのではなかろうか。いわばこのアルバムのスタビライザーである。

11.Tales of The Destinies
 この曲でダンスができるのか心配してしまうのだが、こういう曲調が好きだった人間には、嬉しい1品である。

12.THE ONE
 前の曲と繋がってくるこの曲は、かつてのプログレ大作主義盤の時代を思い起こさせる。このアルバムではメドレー構成の良い終幕曲となっており、まるで宇宙空間に舞い上がっていくかのようであった。


 童謡、唱歌引用のような「あれ?」と思うところが無い部分、さらには全般的にマイナーチューンの曲が幅を利かせているところが前作との違いであり、これまでのようなカラフルやパーティな感じが抑えられ、今回は一連の歌詞からも方向性が感じられる。イエスを例にとるならば「こわれもの」から「危機」に変化した頃のような感じだろうか。


2014年11月9日日曜日

BD/DVD: BABYMETAL LIVE LEGEND 1999 1997 APOCALYPSE (2014)


 BLU-RAY版とヘッドフォンで初めてのBABYMETAL長編ライブを楽しむことにした。
 ヘッドフォンは特に奨励である。それだけ集中するに値する音源になっているのだ。もしTVのスピーカーでボーカル音量が小さく感じたのなら、ヘッドフォンを試して欲しい。

 "LEGEND 1999 YUIMETAL & MOAMETAL 聖誕祭" はライティングと色調にやや戸惑うのだが、カメラのアングルと切り替えの素早さでアーティストの表現を巧く捉えていると思った。聖誕祭の目玉である2曲はハロプロ関連。メタルアレンジのためか懐かしいというより新しさが勝る出来。
 "LEGEND 1997 SU-METAL 聖誕祭" はライブの臨場感が強烈に伝わってくる。映像作品としてはこちらのほうが好みである。SUの歌う「魂のルフラン」の歌唱クォリティーが高いのが特に驚き。あわせて「紅月」のバラードバージョンも同じ評価としたい。
 
 「ギミチョコ!!」は同様の場面がYouTubeで流れているが、BLU-RAY版を観て聴いて思ったのは、小型船舶とタンカーの差ほどの違いを印象づけられたこと。説明無用。とにかくこっちの映像を観るべきである。

 BABYMETALはおそらくメタルロックとアイドルポップの融合だけでなく、MCに代わるピクチャーストーリー(意味を含みつつパロディを織り込まれているのが楽しい)や、舞台劇的なアプローチ。さらには日本の唱歌などもすべて合わせて融合しているところが多くの人を魅了しているのだと考える。「麻薬のような音楽」と海外で評される点がそこにあるのかわからないが、このライブ映像だけでも何度もリピートして観てしまうから不思議だ。

 感想として、最後には涙が出るほど強烈なインパクトを持っているチームだと思った。買って損どころか、感動のお釣りがたくさんかえって来たのだから。

2013年12月22日日曜日

Music: The Beatles: The Beatles Bootleg Recording 1963 (2013)


I tried to buy this iTunes limited item.
I purchased about $ 40 from the U.S. iTunes that charge was left because a price to be six thousand yen (about $ 60)  in Japan,

/// first impression!  ///

which had been released in Japan only.

In Japan,before UK specification disc is sold, Japan edition or  U.S. edition has been sold.
But we had not experienced ’the left and right sound separation’ without the "Stereo! This is the Beatles Vol.1 and Vol.2".

/// Stereo! 1963 ///

This source of this time as "Stereo!" indeed! It is possible to feel close to them in that there is a feeling and the time.

I also take to feel just like the full version of "Stereo!" vinyl discs.

2013年10月18日金曜日

Music: NEW (2013)



Paul McCartney - NEW
  iTunesで買うことが正しい買い方なのかどうかは自分の中では定義できないが、ちょっと前のスタンダード集以来のアルバムとしてiPodに入れることにした。

  来月の来日コンサート間近。アメリカの便りではThe Beatles時代の珍しい曲もやるとかで。それでは新しいアルバムについてはどうなんだろう。勝手にライブ会場で演奏されているような気分で聴いてみた。

  Paulの秀逸なメロディラインは実は"Pipes Of Peace"あたりでほぼ終わっていると思っている。今もそういう気持ちだ。そう信じつつ今でも聴き続けているのだが、今回も「やっぱり」感はある。それでも不思議とタイトルの如くなんらかの新しい空気は感じることができた。一つには、年齢に関係なく勢いが出てきた感じがすること。もう一つは、過去のゆかりのあるアーティストを逆リスペクトしている雰囲気になれたことである。Bob Dylan、The Band、Pink Floyd、もしかしたら、ベースを70年代に合わせ、新しさを再発見させるシナリオを持っていたのかも、などと考えてしまう。

  タイトル曲はさすがに明るいが、"My Brave Face"の時代の名残が頭にある限り、Paulに対する妥協はしたくはない!と主張する自分が今もいるのだ。

2013年5月19日日曜日

BD/DVD: EL&P 40th Anniv. Reunion Concert (2010)


初のブルーレイで観るEL&Pコンサートもの。ちょっと不安があった。というのも、指が思うようにならなくなったKeithだったり、太りすぎたGregだったりもあるが、今でも「Pictures an at exhibition」「Ladies and Gentlemen」以上のスリリングな音源に出会っていないというのがその理由だったりする。本来は「Works」の頃のオーケストラと組んだコンサートを3枚組規模のものにしてくれれば嬉しかったのだが、希望に反して「商業的」度が気になるものだったものだ。Carlに代わったCozy時代の音源はかなり評価できるとしても、ドラミングの違いは容易に受け入れられなかったし、90年代に日本で観たコンサートも便利さに流された感じで、最早アナログ時代の巨人達という感じではなかった。

 今回の映像は、Amazonでも在庫確保に半年くらい要したようで、欲しいときに観れなかった一品。やはり全盛期のパフォーマンスとは言えないものの、ファーストやセカンドのアルバムにウエイトを置いた構成は共鳴できるものだった。それにしてもGregのあの高い叙情的な歌声はもう聴けないようだ。同時に、あの頃のKing Crimsonとの接点も消滅してしまった気がした。
 全体的には一時期よりは見応えの有るものになっていたと思うし、ブルーレイというメリット(一部デメリット)があるにしろ、演奏熱の部分は久しぶりに伝わった。加えて最近ASIAのコンサートでも観たCarlの存在がより大きく映ったのであった。

2013年1月10日木曜日

Styx:The Grand Illusion・Pieces of Eight Live (2011)


  予想以上に楽しめるライブになった。
 アルバム曲順どおりの展開が楽しめるのは、5年前に上海で体験したRoger Watersの”The Dark Side of the Moon”のライブ以来である気がする。今回はもちろんBDでの鑑賞となったが、それでもライブ会場にいるような雰囲気に陥った。

 これらはかつて愛聴したアルバムだったので、ライブで聴いたことの無い曲が味わえるとなると、居ても経ってもいられなくなる。個人的に言えば、”The Grand Illusion"の場合、A-Sideのダイナミックで親しみのあるメロディを持った曲の流れ、オープニングを経てTommy、JY、Gowanの流れの演出は見物。特に"Come Sail Away"については、曲の魅力もあるためGowanのプレイでもDennisの影を感じられた。そして"Pieces of Eight"のアルバムになると、”I'm OK"~Sing For the Day"、"QOS"は鳥肌ものだったし、ラストのタイトル曲は隠れた名曲として何度も口ずさんでいた自分にとっては、このライブのメインといってもよかった。
 ライブ形態として、かなり「有り」な内容であったし、メンバーの魅力と(Chuckも登場)、カメラアングルなどで全般的にまとまっていて感動した。

 これは何度も楽しめそうなBD。次回、続きがあるなら"Cornerstone"も仲間にいれてあげほしい。


2012年12月23日日曜日

BD/DVD: Led Zeppelin: Celebration Day (2012)


  一時は魔術のためにか、はたまた金のためにかギターの腕が落ちたと噂されたJimmy Page。70年代のライブと、その後のライブエイドやザ・ファームあたりとで確認すると、確かにあの頃はそう思えていた。級友Jeff Beckよりも音楽ビジネスでは優等生だった筈のPageも、彼のカリスマ性はどういうわけだか20年以上前で途絶えてしまっている気がしてならない。
 今回のライブはそういう意味も踏まえ、懐かしさよりも不安のほうが先走っていた。Led Zeppelinは今でも、真似のできないバンドの一つである。よく「完コピ」バンドと言われる輩も彼らのソウルの一握りもコピーできないであろうと確信している。そう考えると、先に書いた「腕が落ちた」という文言は自ずと否定される結果に。つまりまとめると、真似のできない...しかもテクニックでは語れないフュージョンバンドこそがLed Zeppelin!!。今回の映像を見て、かつての「The Song Remains the Same」と比較しつつもやっぱりそう思えた。

 このライブのポイントをいくつか書いておこう。

  1. Robert PlantのMCがRobert Johnsonなどを引用しつつ結構渋い。
  2. John Paul Jonesはスタビライザーのような位置づけ。彼の楽器類にも注目。
  3. Jimmy Pageが一番「おっちゃん」ぽいが、アクションはやっぱりPageだ。
  4. Bonhamの息子Jasonのドラムもいいが、バックボーカルにも注目。
  5. スクリーンに映し出す映像あたりの近代技術によって古典性を薄れさせているのが残念。
  6. セットリストは有名曲中心のいかにもファン向け。そんな中「Trampled…」あたりが嬉しい選曲。
  7. ボーナスDVDはリハシーンなど。これもある意味驚きの構成。

 昔のインタビューで彼らは自らのカテゴリーを「ハード・フォーク」と語っていた。ところが現代では周囲が変貌しすぎたために「フォーク」という位置づけが微妙になっている。彼らはThe Beatlesあたりとは違い、タイムスリップしなければ、満足して聴けない数少ないロックバンドなのだ。

2012年11月19日月曜日

Movie: Crossfire Hurricane (2012)



 邦題はローリング・ストーンズ『クロスファイアー・ハリケーン』。

 バンド結成50周年を記念した作品で1週間限定公開。来月にはDVD化もされる予定らしい。

 流石にMartin Scorseseのクレジットがあると良い編集が期待できる。事実、タイムラインをそのまま語る展開ではなく、いきなりMSGの映像を持ってくるところは粋であるし、60年代~70年代にかけての時代背景描写も巧みに絡めてくる部分は評価できる。

 今までThe Beatlesと対比して白と黒の関係をこれだけ強調した映像は無かったように思うし、本人側からでなく周囲から塗られた黒さを掲げて活動を続けるバンドの姿にこそドキュメンタリーの本質なのだろう。

 映像でも分かるとおり、華やかのイメージというよりインパクトのあるブルースコードを使ったアクの強さで、逸れ者達を味方にしてきた彼等。本当の意味の有名とは裏腹な存在感だったこの問題児達は、やがて、ならず者ながらもメインストリートを闊歩する存在へ。この作品ではRonの加入あたりからその雰囲気が変貌する。

 全体として、良いドキュメンタリーに仕上がっている。ただ50周年記念作にしては前半の20年くらいしか語られず、(確かに、後の30年はあまり激動の時代とは言えないが)やや物足りなさも感じた。


 映画では語られないが、Stonesが「Goats Head Soup」の広告をMusicLife誌に掲載していた時代には、既に日本公演中止となった年としての暗い印象しかなく、同時代にはクレームの出たElton Johnの日本公演などもあり、まだまだライブの形が成熟していなかったことも、時代ながらのドキュメント性を高める要素であることは間違いない(おそらく確立したコンサートすたいるになるのは、70年後半あたりからだと推測する)。
 
 個人的にはBill Wymanの久しぶり感が半端なかった。

2012年10月22日月曜日

Best-Selling Album in USA…I don't think you know it.


 アメリカで年間トップに輝いたアルバムの歴史は面白い。

 60年代中までは、映画音楽やイージーリスニング、ジャズのアルバムが年間のトップを占めていた。


 ポップ・ロックアルバムとしては、モンキーズの「More Of The Monkees」('67)が最初となる。それ以降はロックアルバムが当然のように顔を出すのであった。


 ちなみに、ビートルズやローリングストーンズ、レッド・ツェッペリンのような英国でトップ常連となったアーティストは全米アルバムチャートのトップにはなっていない。
さらには、'77に相当売れたイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」や'80年代に旋風を巻き起こしたマドンナの「ライク・ア・バージン」も年間トップにはなっていない。

 そう考えると、アメリカ人受けするアルバムは、映画、ジャズ、ポップ、ダンスなどの流行の波の中で年齢層に拘らないアルバムであることに加え、流行の連れてきたライバルの有無もキーとなっているようだ。例えば、’83のマイケル・ジャクソンの「スリラー」は他の時代的にかなり売れたアルバムを簡単に蹴散らした。「スリラー」は’83、’84の2年連続でトップとなったとんでもないモンスターアルバムであるが、2年連続アルバムとしては過去2回存在しているのも驚きだ(’57、’58のマイ・フェア・レディ(ブロードウェイ版)と’62、’63の「ウェスト・サイド・ストーリー」サントラ)。




 昨年、全米でアルバム年間トップとなったアデルの「21」。実は英国人としては、’97のスパイス・ガールズ「スパイス」以来の14年ぶりであったそうな。過去英国人としては、’68のジミ・ヘンドリックス、’74~’77のエルトン・ジョン、ピーター・フランプトン、フリートウッド・マックがピークだったのだが、これは英国サウンドを受け入れたという時代(’60年代)を隔て、アメリカナイズされた英国サウンドの完成型というスタイルが主流ともいえる時代だった。



 その後、ディスコ、パンク、テクノ、ユーロ、そしてビジュアル化メディアへのアプローチとして注目されるのが’80前半。映画にもなったピンク・フロイドの「ザ・ウォール」はビジュアル志向のコンサートとして歴史に残る。’82の「エイジア」は英国の元プログレロックバンドのメンバーとして異例ともいえるトップを獲得。シンセサイザーのデジタルパラメータ化などサウンドアプローチも売り上げを後押しした感あり。




 ’90年代になるとほとんどがジャネット・ジャクソンやバックストリート・ボーイズなどの自国アメリカのアーティストがトップを占める中で、ヒット映画のサウンドトラックも売れた。’93「ボディガード」、’94「ライオン・キング」、’98「タイタニック」、いずれもトップに輝いた。




 2000年代ではストリート系など新しい分野への傾向が強くなる。リンキン・パーク、50セント、アッシャー、マライヤ・キャリー、テイラー・スウィフトなど。特にエミネムは’02と’10の年代を飛び越してトップをとっており、これは凄いことである。



 やはりなのか、アメリカで年間トップとなるアルバムは英語圏の国であるが、アメリカ、英国以外にもカナダがランクインされている。そういえばニール・ヤングの「ハーベスト」’72は名盤だ。

 そういえば、若者に人気のマイリー・サイラスの父親ビリー・レイ・サイラスの「サム・ゲイブ・オール」も’92の年間トップアルバムを獲得している。





 この傾向とグラミー賞のアルバム・オブ・ジ・イヤー賞を見比べてみるのも面白いかも。ちなみにアデル「21」はもちろんダブル受賞である。




2010年4月16日金曜日

Music: Emotion & Commotion (2010)


Jeff Beck ・ Emotion & Commotion

 考えてみれば、変わっていないと思っていた彼のスタイルは実は変わっていたのかもしれない。 思えば「Blow by blow」はまだロックという前提を条件にしてフュージョン・ワールドを展開していたことを思えば、現在のサウンドアレンジは最早70年代のロックというものに執着していないことがわかる。それは数多くのロッカーがフュージョンへのアプローチをしたものとは何か違うのだ。

 今回、「Over The Rainbow」あたりである程度の核心が見えた。かつて彼の本心になかったカヴァー曲にしても誰にも真似できないBeckスタイルのアレンジで原曲とは別次元の世界に連れて行かされる様。しかしそれが変化なのか?。

 ヴォーカルが入ればファンク色を出す一方で、「Nessun Dorma」のようなクラシカルな面も見せているのはある意味で昨年のアクシデントを代弁しているようにも取れるのだが、それも含めて「変わっていた」部分は、変わっていて欲しい願望がさせたのではなかろうか。やはり根本的にBeckサウンドには変わりがない。

 昨年の指のトラブル以降、彼の指に対する報道がいくつかあるが、ライブで演奏してくれる彼のエモーショナルな姿勢はそれらの不安を払拭させてくれる。


Beck's style never die. He's a great sound icon.

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2009年2月26日木曜日

Music: File Under Purple (2007)


Peter Fuglsang Quartet ・ File Under Purple

 日本中が昭和という時代を平和だと思うようになった頃、何処と無く夜の似合う街ではその時代に似合ったジャズが流れていた。電気的に増幅された音を否定するかのように、原音の衝突のスリルを味わうようなジャズ。登場する主役はテナーサックスとかクラリネット。上辺は「ムーディー」だが、実は下品な音の感触に悪戯に酔ったりしたものだ。

 そんな時代を思い出すのが、今回聴いたPeter Fuglsang Quartetのアルバム。「Cherokee」はまさに「青空」を思い出させる時代の感触があったし、続くタイトル曲「File Under Purple」では悪戯に酔う部分が再現されているのだ。これ、一人で聴くにはもったいない。誰かと聴く故の楽しさがありそうだ。3~4曲目になれば、誘い込まれそうなムードだった時間を過ぎ、一人のリスナーとして座席に着く自分がいる。油断すれば惰性で聴いてしまいそうになるが、そこは「Monk's Mood」のセレステなどが良いアクセントとなるのだ。それにしてもバスクラの魅力は計り知れない。今まで真剣に耳にしていなかったのが不思議なほどだ。


2009年2月3日火曜日

Music: Return To Forever Returns (2008)


Return To Forever ・ Returns

 RTFを読売ランドEASTで見たのは1983年。ギターが好きな自分自身としてはAl Di Meolaを含む4人のパフォーマンスが生で見れたことは極上の気分だったものだ。客席の通路でギターを弾きながら歩くAl Di Meolaを思い出す限り、ロック色が濃かった印象がある。その頃から早、四半世紀経過。昨年再結成された4人。もしかしたら日本で彼等の雄姿が再び見れるのだろうか。などと想像しつつ聞けるのが今回のライブアルバム。

 「Romantic Warrior」のアルバムを基調としたライブ構成は、以前のような荒業を披露するという感じではなく、「健在ぶり」をアピールするかのようなパフォーマンスと言える。加えて思うのは、25年という年月は彼等のような音を受け入れる雰囲気からかけ離れた環境になってきたということだ。家庭にあった大きなスピーカーのオーディオセットはコンパクト化し、レコードからCDとなり、お祭り事だったジャズライブのイベントもかなり縮小された。更に言えば、ディテールを追求していた時代から、アウトラインで聴く時代になってしまった。

 だからこそ余計に彼等の音が欲されているのかもしれない。Stanley Clarkeが「Together Again」の冒頭を仄めかしたりすると、思わず「ニヤリ」としてしまう。最も聴き所といえるのは「Al Di Meola Solo」でのAlとChickの絡み。そして「Spain」への流れ。その後「No Mystery」でStanleyとLennyが加わればRTF独特の世界を生み出してくれる。ここ最近足りなかったものを満たしてくれるようなアルバムとなった。


2009年1月28日水曜日

Music: Progressive and Classic Rock as Jazz(2008)



Second Season: Progressive and Classic Rock as Jazz by Wave Mechanics Union


 60年代~80年代頃に話題となったプログレッシヴ・ロックやハードロック、パンク・ロックの著名な曲をジャズ風にアレンジしたのがこのアルバム。ただ、予想していたほどジャズに特化しているわけではなく、またジャズ化し易い曲を選んでいるわけでもない。どうもこれはリラックスしてBGM風に楽しむアルバムではないようだ。

 正直言ってリスナーの立場では「The Rain Song」や「De Do Do Do」などのジャズ風アレンジは素直に耳に絡まない。Beatlesに至っては「なぜこれ?」という印象まで受ける。

 ところが、Pink Floydの「The Great Gig in the Sky」は全く別物に映った。King Crimsonの「Elephant Talk」もまた然り。もしかしたらプログレッシヴ・ロックが特徴といしていた突飛なアイディアへのアプローチに重点が置かれたのかも。その証拠となる曲が最後に待っている。YESの名曲「Heart of the Sunrise」である。原曲をアレンジするときに「こうしよう、ああしよう」という思惑が見えるような展開で不思議にも合点してしまう。Lydia McAdamsの歌も自然にそれに付き添う。それは彼女がJon Andersonの姿を意識しているとは言えない程に。

 アルバムトータルでは疑問が残る結果となったが、先に出したプログレのナンバーはかなり聴き応えを感じた。これはあくまで自分としての感想だが。


2009年1月19日月曜日

Music: De Cuba Y De Panama(2008)


Billy Cobham And Asere - De Cuba Y De Panama

 未だにBilly Cobhamという名前は過去を振り返らせる力を持っている。一昔前は新しいアルバムが出る度に、バスドラを3つ並べていた頃と比較することが良くあったが、最近ではその比較自体が何の意味も持たない。むしろ年を重ねる毎に過去の飾り物を捨てているようだ。今考えてみると、35年以上前のアルバム[Spectrum]ではTommy Bolinなどを交えた音数とスリリングな展開に釘付けだった。そんな中で実は根底には母国パナマ色があったことを今更ながら振り返るのである。
 このアルバムは、良い意味で過去のBilly Cobhamの位置づけを忘れさせてくれる内容だ。脳裏に残るメロディが連続するため、まるでパナマ観光スポットに居るかのような錯覚に陥るが、そこではBilly Cobhamの姿を想像するのは困難。そんな溶け込んだところも彼の狙いの一部かもしれない。ところがこのアルバムを聴いた後にキューバの若手グループASEREだけの音と比べると、明らかに「場所の違う音楽」に感じる。このあたりが(今は使われなくなったが)本来のFUSIONという言葉の由来だな?と自己解決するのである。


2009年1月9日金曜日

Music: Bass Trombone and Wind Band Music (2008)


Bass Trombone and Wind Band Music - NAULAIS, J. / LYS, M. / EWAZEN, E. / STECKAR, M. (Y. Bauer, Musique de l'Air, Kesmaecker)

 バス・トロンボーンをフューチャーした本アルバム。選曲が楽しい。バス・トロンボーンという楽器を説明しなくてもこのアルバムを一通り聞くことでその役割が感じ取れる。「Etoile des Profondeurs(Naulais)」は最も定番的。親しみやすいブラスバンドの場面で存在感を表しており、特にBalladeでのソロは代替楽器が考えられないほどの魅力を出している。「Vertiges(Lys)」は眩暈という意味。9曲ものスリリングな小曲で構成されている。この殆どはラテンからのエッセンス。だからかLeonard Bernsteinも好みそうな感覚で耳も一致し、そのアレンジに誘惑されていくのだ。Rumba~Bossa Groove~Sambaと変化するリズムへ対応するバス・トロンボーンに唸る。「Bass Trombone Concerto(Ewazen)」では他の楽器群との協調感に焦点をあてて聴きたい。例えるならば映画俳優の台詞のような感じか。最後は「Deux Marches d'Ecart(Steckar)」。このジャズ・ビッグバンドのような場面では、今まで以上にバス・トロンボーンのスター性を引き立てている。Yves Bauerの演奏はこのアルバムタイトルに染み付いたような固定観念を拭い去る程の威厳と自由な感覚を残してくれたようだ。









バス・トロンボーンと吹奏楽のための作品集

2009年1月6日火曜日

Music: Lori Bell The Music of Djavan (2008)


Lori Bell - The Music of Djavan

 ブラジルの才能Djavanの曲を取り上げた作品で組み上げられたLori Bellのアルバム。このアルバムはボサノバの心躍るサウンドを軸としている中で、同じくボサノバ・フルートを連想するHerbie Mannのショウ・イメージのものとは一味違った、黙々とフルートに向かうLori Bellのスタイルが目に映るかのようだ。Djavanを聴く上で切り離せなかった「驚き」は今、Lori Bellの中で「納得」に変貌。「Obi」の重なったフルートの音はどのようにしているのだろうか...と興味も。「Capim」ではサービス的感覚なのか、歌が入っているのだが、なかなか雰囲気に似合った女性のヴォイスであった。海沿いを歩きながら聴くときにはMP3プレイヤーに入れておきたい。ただ残念ながら再生機器の設定不十分だったせいもあり他の楽器の歪んだ部分がフルートの響きを翳らせてしまった。


2009年1月3日土曜日

Music: Jeff Beck Performing This Week...(2008)


Jeff Beck Performing This Week... Live at Ronnie Scott's Jazz Club

 ジェフ・ベックのライヴ音源といえば古くは「BBA」の名演を思い出し、ジャズ志向に成ってからの「WITH THE JAN HAMMER GROUP LIVE」の感触も忘れられない。彼の感動できるギターテクニックは決して鍛錬だけで成り立っているものではなく、その構造の底辺には「感情表現」がある。しかし彼のカリスマ的な霊力も年齢には逆らえない。今回のライブ音源はかつての名曲をズラリと並べており、これで不満である筈が無いのだが、なぜなのか血を沸かせるまでには至らない。これをどう分析するのかは自分でも困惑するのだが、一つは年齢経過で失ってしまった時代性もあるのだろう。もし自分や多くのリスナーが70年代の頃のようなサウンドを期待してこのCDを聴いたのならば、本当の感動では無く、回顧的感動なのかもしれない。いずれにしても真剣に雑念を払って聴きたくなるギタリスト、ジェフ・ベックだからこそ、無理な注文も出てくるのは仕方が無いところ。