2009年2月3日火曜日

Music: Return To Forever Returns (2008)


Return To Forever ・ Returns

 RTFを読売ランドEASTで見たのは1983年。ギターが好きな自分自身としてはAl Di Meolaを含む4人のパフォーマンスが生で見れたことは極上の気分だったものだ。客席の通路でギターを弾きながら歩くAl Di Meolaを思い出す限り、ロック色が濃かった印象がある。その頃から早、四半世紀経過。昨年再結成された4人。もしかしたら日本で彼等の雄姿が再び見れるのだろうか。などと想像しつつ聞けるのが今回のライブアルバム。

 「Romantic Warrior」のアルバムを基調としたライブ構成は、以前のような荒業を披露するという感じではなく、「健在ぶり」をアピールするかのようなパフォーマンスと言える。加えて思うのは、25年という年月は彼等のような音を受け入れる雰囲気からかけ離れた環境になってきたということだ。家庭にあった大きなスピーカーのオーディオセットはコンパクト化し、レコードからCDとなり、お祭り事だったジャズライブのイベントもかなり縮小された。更に言えば、ディテールを追求していた時代から、アウトラインで聴く時代になってしまった。

 だからこそ余計に彼等の音が欲されているのかもしれない。Stanley Clarkeが「Together Again」の冒頭を仄めかしたりすると、思わず「ニヤリ」としてしまう。最も聴き所といえるのは「Al Di Meola Solo」でのAlとChickの絡み。そして「Spain」への流れ。その後「No Mystery」でStanleyとLennyが加わればRTF独特の世界を生み出してくれる。ここ最近足りなかったものを満たしてくれるようなアルバムとなった。