The performance of Angelina Jolie was most impressive in latest decade movies even if she missed an Oscar trophy.

真実の物語。この映画は観客の心をしっかりと掴む。今年のアカデミー賞候補でリストされた幾つかの作品よりも好きかもしれない。映画の展開は決してあるべき姿ではないのだが、それが理想の形であるかのような雰囲気にさせる。もうこれはClint Eastwoodの技だ。物語の展開をややこしくする成りすまし少年が登場する場面でも、煩わしく感じさせつつ、これが映画の中でもかなりの効果となっている。加えてChristine Collinsが病院で医師から反論できない誘導尋問にあうところ辺りは脚本の上手さなのだろう。
全般的に当時の人々が映画への愛着があるカットが織り込まれている点も要チェック。終盤、アカデミー賞発表の実況がラジオから流れ、「It Happened One Night」が「Cleopatra」を打ち負かすエピソードがあるが、これ、この映画の展開そのものに引っ掛けているところは上手い。
しかし、当時のアメリカは、今でこそ「人権問題」などで槍玉にあがっているアジアや中東の某国家と同じくらいの偏った組織構造があったようだ。終戦直後の話だった「The Godfather」と併せて考えると、朧気でも線上で繋がる。