2009年2月1日日曜日

Movie: Che Part Two (2008)


Lies were full around a man who hates lie.



  南半球の国にはまだ未知の部分が多い。躍動するリズムがある反面、現在もなおこの映画に出てくるような衣食住も儘なら無い現実がある。しかし我々はそれを隣人のような目で見ることができない。民主主義、自由主義、個人主義に向けすぎた目は、当事者本人が危機的な状況に陥らない限り、苦悩と戦う集団に合流して真剣に問題に向き合う目に成りえない。そこには「自分は違う」と言いたげな、どこか優越感があるからかもしれない。

 「Che Part One」の続編は前作ほど華やかな部分が皆無である。この映画ではキューバ革命の英雄の人間性がさらに潜在的にクローズアップされる。彼の本質は一国に属すべきものでなく、共産主義への固執でもなかった。彼の脳裏にあったのは同じ大陸に住みながらも国という体制の中で虐げられた人々の姿なのだ。これはPart One & Part Two通して核心の部分にもなっている。この映画の視点はそこにウエイトを持たせるべきだ。

 映画を観てみると、革命の英雄の物語にしてはドロドロした状況で塗りたくられており、ときどき現れる日数経過が彼等の混乱を増幅させる。そんな中、兵士目線のカメラも雰囲気を演出。苦境の立たされた状況のゲリラ。カメラを空に向け、風によって森の木が揺れる場面を映す。ここがまたキューバ革命のようにはいかないボリビアの苦難を感じさせるのだ。この映画ではSteven Soderberghの思惑を感じさせる「戦わせたカメラアングル」を見所のひとつにしたい。