誰しも英文字が3文字くらいの言葉を使い、難しい意味を手中にしたかのような言いようの無い征服感を得た経験があるだろう。難しさを楽に得た瞬間はなんとも言い表せないものである。
ところがある人の側面から見ればそれは難儀なものになり、無駄な解釈や処理も増え、最悪なケースでは金儲けのための仲介者に依存しなければ
ならなくなる。そんなことが映画を見ている間、頭を過った。
この映画は、一人の子供の頭の中にある葛藤を、街中にぶちまけたかのような展開。9・11を経験された遺族の代弁となっているかどうかは知る由もないが、錯乱を正当化するような流れはあまりにも受け入れがたい。Tom Hanks、Sandra Bullock、Max von Sydowのような名優を並べて期待させ、名作っぽく仕立てる雰囲気に難癖つけるつもりはないが、極論すれば一部の自己満足で成り立っている映画としか思えなかった。Black姓の人の繋がりが意図する部分もよくわからなかった。
主人公の少年の態度を素直に第三者の目で見る懐の広さがあれば、もっと興味を持って見れるのかもしれない。