2013年12月22日日曜日

Music: The Beatles: The Beatles Bootleg Recording 1963 (2013)


I tried to buy this iTunes limited item.
I purchased about $ 40 from the U.S. iTunes that charge was left because a price to be six thousand yen (about $ 60)  in Japan,

/// first impression!  ///

which had been released in Japan only.

In Japan,before UK specification disc is sold, Japan edition or  U.S. edition has been sold.
But we had not experienced ’the left and right sound separation’ without the "Stereo! This is the Beatles Vol.1 and Vol.2".

/// Stereo! 1963 ///

This source of this time as "Stereo!" indeed! It is possible to feel close to them in that there is a feeling and the time.

I also take to feel just like the full version of "Stereo!" vinyl discs.

2013年12月16日月曜日

DB/DVD: LENNONYC (2010)


 今までに幾つものLENNONドキュメンタリー映像を観てきたが、これはちょっと知らなかった部分も多く含んでいて新たなる興味の幅が広がった。

 特にPaulとの再会エピソードはいろいろなカタチで音源、ドラマになっているが、実際の写真を観たのはこれが最初だった。

 Eltonのインタビューも新しかったし、Hugh McCrackenの声も珍しく思えた。特に1981のローリングストーン誌の記事には日本公演まで計画されていたわけだから、Wingsの来日トラブルのあった後だけにJohn Lennonの生ライブには期待せずには居られなかったろう。

 少なくとも現在に至るまで、Johnのような世界観で多くを引きつける存在は登場していない。近年の話題の裏には政治やカネ、商業主義がつきまとうが、すべてが「違う」ものなのだ。その部分がこの作品に色濃く映る。

 収穫だったのは、Yoko Onoの必然的存在が明瞭であったこと。我々が最初に「Double Fantasy」を耳にした頃、どうしてもアルバムにはJohnの曲だけで十分だと思っていた。しかしこれは、時代特有の縛りだということが今回わかった。映像ではJohnがYokoの曲を当時のテクノボイスと比べて表現する部分があるが、確かに今聴くと違和感がない。むしろ声楽的なハイトーンは新たなるものを生み出せたのかもしれない。結論からしてBeatlesという縛りが大きいために、(その頃は)どうしても受け入れなかったのだと思う。

 ドキュメンタリーの演出が狡い。悲しくさせるラスト。あの頃を思い出した。

2013年12月1日日曜日

Movie: Captain Phillips (2013)


 久しぶりに「映画館で映画を観た。」と思える映画だった。考えてみればこれまでの多くのCG処理の大作からは疑似体験しているかのような緊迫感はほとんど得られていない。今回のような作品は今の時代に実に貴重だと思う。まず思い出したのが「Black Hawk Down」。アフリカが絡んだ政治ものとしては自分の中から外せないが、Tom Hanks主演という意味では「Cast Away」のほうが「ライブ感覚」のヒューマンストーリーという意味では近いようだ。
 Captain Phillipsという人物像から始まり、海賊との関わりを持ってしまう前半は見所が多い。かつての映画「Duel」まで思い起こしてしまう「接近」の緊張感。中盤からはアクション性に替わって恐怖との戦いを描くことになるが、海賊側の統率性に掛けた部分が中和剤のようで微妙な空気感を生んでいた。終盤は思った以上にスマートでなかったことは意外。エンドロール直前に幾つもの船が映っていたことが(思った以上に困難であるという)現実に基づくストーリーとして捉えるべきところを強調していたのだろうか。

 今年「映画館で観るべき」映画としてこれを推薦してもいいと思う。


2013年11月24日日曜日

Movie: Fuzoku ni ittara jinsei kawatta www (2013)


   出だしからギャグタッチ。もうこれは深夜アニメの実写劇場版かと思った。
   気味の悪いキャラクター像と走り過ぎな演出を最近では「面白い」と捉えるのかと疑わざるを得ないのだが、余りにもフィルターのかかり過ぎた社会の歪を正す意味では必要なのかもしれない。ピザ宅配のくだりは超現実的の中でありそうな雰囲気を醸し出していた。

   しかし実際は、見ていると痛々しい。Steve Carrelの映画にインスパイアされているのかもしれないが、これと言った印象も残らないままになった。結果的にはこういった配給ルートを通った作品に期待することは無謀ということでまとまる。

   期待はするも肩透かしばかりの最近。かつてのATGの感覚が今では期待できないことに虚しさが残る。

2013年11月19日火曜日

Movie: 42 (2013)


   この手の映画ではベンチで声を出すウォルターマッソーやジャックウォーデンやトムハンクスの手腕が軸となりそうなのだが、ここではオフィスにいる葉巻の人物にその権利があり、肝心のコーチ陣の印象は皆無。選手同士にストーリーの成り行きを任せる感じだ。

   率直に映画自体を評価するならば、楽しめる作りの割りに深入りせずにしこりを残さない「あっさり」な作りになっている。そう確かにエピソードの積み重ねを最後の何かで代弁している印象はあるが、一方では無味無臭な感じもするのでやや遠目の立場になってしまいがち。

   この映画は歴史的ヒーローのマクロ描写というよりは1947年の総括っぽい展開が主旋律。観客の目としては差別問題の中の熱いドラマ性が期待されたが、腑に落ちない場面を挟んでくる点を感じ出すと、何らかの超えたくない壁でもあったかと勘ぐってしまう。例えば白人ベビーシッターの下りとかはその典型だし、ホテル前でのトラブルもそれにあたる。その流れなのか、ワールドシリーズ行きを決めたあたりが、締めなのかどうなのかが疑問で「あれ?終り?」という感想が出てきた。

   まぁ歴史映画としては見て損はないと思うし、今の隣国関係にも関連する部分が推察できた。

2013年11月10日日曜日

Movie: T.A.P. Kanzennaru shiiku (2013)


 「1000taku」なる映画館でもネットでもどこで観ても1000円映画を鑑賞。
 
 作品としてはVシネマによくあるバイオレンスモノの路線にして、人気シリーズ「完全なる飼育」と絡んだ設定になっている。「完全なる飼育」的には世間の目から逃れつつ女子を拉致監禁し自己欲求を満たす様がメインの陰湿さが持ち味と思っているのだが、この映画では「飼育」以上にバイオレンス度が勝っている分、タイトルで期待した人にとっては何か物足りなさがあるかもしれない。

 Narimi Arimoriがこれまでのイメージとは違ったカタチで登場している。「東京ラブストーリー」からはや20数年経つのか、と思う自分がいるところが辛くも有り、不思議でもある。




2013年10月18日金曜日

Music: NEW (2013)



Paul McCartney - NEW
  iTunesで買うことが正しい買い方なのかどうかは自分の中では定義できないが、ちょっと前のスタンダード集以来のアルバムとしてiPodに入れることにした。

  来月の来日コンサート間近。アメリカの便りではThe Beatles時代の珍しい曲もやるとかで。それでは新しいアルバムについてはどうなんだろう。勝手にライブ会場で演奏されているような気分で聴いてみた。

  Paulの秀逸なメロディラインは実は"Pipes Of Peace"あたりでほぼ終わっていると思っている。今もそういう気持ちだ。そう信じつつ今でも聴き続けているのだが、今回も「やっぱり」感はある。それでも不思議とタイトルの如くなんらかの新しい空気は感じることができた。一つには、年齢に関係なく勢いが出てきた感じがすること。もう一つは、過去のゆかりのあるアーティストを逆リスペクトしている雰囲気になれたことである。Bob Dylan、The Band、Pink Floyd、もしかしたら、ベースを70年代に合わせ、新しさを再発見させるシナリオを持っていたのかも、などと考えてしまう。

  タイトル曲はさすがに明るいが、"My Brave Face"の時代の名残が頭にある限り、Paulに対する妥協はしたくはない!と主張する自分が今もいるのだ。

2013年10月7日月曜日

Movie: Takanashi Rikka Kai: Chuunibyou demo Koi ga Shitai! Movie (2013)


  これは、第二期のための「つなぎ説明」を目的とする映画であり、映画とすべき劇場で堪能するレベルの要素を持ち合わせていない。むしろ某アイドルグループのような陋劣的商法と疑われても不思議ではない。

 映画を見始めてしばらくは...。そう、アルバムでいえば、ベスト盤に新曲が2曲くらい入ったレベルのもの...と思っていた。

 ちなみに、ビートルズが1966年に発売したファン向けクリスマスアルバム『オールディーズ』を語れば、米国盤10曲、英国盤14曲くらいをアルバムの曲数基準にしている時代のなかで珍しくも16曲も収録されていたベスト盤であり、過去のアルバムに収録されていなかったシングル曲と未発表の「バッド・ボーイ」に加えて、『リボルバー』の流れを汲むような斬新なジャケットデザインが売りの1枚だった。
 ベストの価値は確かにあるのは間違いない。しかし今回の映画はそういった価値が生じるものでなく、単なる見直し(リキャップ)でほとんどの時間が費やされているため、映画としての評価基準で云々できる出来ではなくなっている。

 「けいおん!」や「涼宮ハルヒの消失」など劇場での価値を高めていたアニメ製作会社だっただけに、今回は大きく期待を裏切った形になった。これに比べたらまだ「エンドレスエイト」のほうが評価できる。

2013年9月22日日曜日

BD/DVD: The Master (2012)


 未だに皇帝の姿のJoaquin Phoenixのイメージがあると、ずいぶんと変貌した姿に対して、暫くは関心事がそちらに行ってしまったりする。もちろん彼主演のカントリー歌手の映画もあったのだが、どうしても起点が皇帝になってしまうのが自分の感覚なのである。
 うまい具合に彼のイメージに見合ったタイプの役所らしく、世界大戦を経て自分の居所が微妙な人物像が描かれている。どこか"Jarhead" のAnthonyの位置づけに近い空虚な空気感と繋げてみたくなる。この映画は、彼のような物理世界がある一方で、知り合ったカルト教団のような精神世界が交差していくような異様な世界観があり、それを同一の目線で観ていく必要がでてくるのだ。
 映画ではプロセッシングと呼んでいた尋問のような遣り取りは、時に暴力的であったり、優しさだったりする感情に敏感なもの。よくよく考えると、それは反論を許さない理屈という石を積み上げに他ならず、カタチにこそ拘りがあるのだろう。だが、その盤石な考えであっても立ち位置が変われば、弱みにもなりえる。だからこそJoaquin演じるFreddieの存在が生きている…という構図なのだ。

 なんだかんだあってもFreddieは下品でつまらない男として始終するため、この映画で彼が輝くことはない。共感することもなく、なにか時代の通過点を傍観するような映画に思える。

2013年9月16日月曜日

Movie: Yurusarezaru Mono :Unforgiven (2013)


 This is the remakes movie of Eastwood's "unforgiven(1992)".

  どうしてもオリジナル版との比較をすることになるので、正直に言えば、オリジナルを観ていないほうが面白くみれたのかもしれない。自分は「比較する」側になってしまったが、それはそれで楽しみ方も探り出せた。
 オリジナルはワイオミングを舞台にした西部劇であって野球の投手に例えれば速球趣向だったのだが、今回の日本版は緩急織り交ぜた投球術が見所という感じだ。
 確かにストーリー上での要所はオリジナルを尊重しているためか、かつての"Seven Samurai"と"The Magnificent Seven"ほどには差がなく、むしろ同じであることに戸惑う感じはする。しかし今回、オリジナルよりも2つの点で興味を抱かせる。ひとつはアイヌと倭人という関係上に展開させたこと。そしてもうひとつは日本刀だけでなく銃も使える時代背景を選んだことである。
 自然背景もあってか全体的によい感じでは作られた映画だと思うのだが、やや気になるのが終盤の窮屈な展開。特に女郎からKingoの死を聞いてからの人物と人物、場所と場所の距離感が単調になってしまった気がする。更には戦いの場面ではそこら辺りにあるアクション映画の一場面に成り下がった感じがした。もちろんオリジナルへの敬意も有ると思うが、緊迫感がもっと出せたのではなかろうか。


 若い頃の映画を観ていたからか、Yuya Yagiraの変貌っぷりは驚きでもあった。


2013年9月7日土曜日

Movie: Anohana: The Flower We Saw That Day (2013)


Ano Hi Mita Hana no Namae wo Bokutachi wa Mada Shiranai.

 公開スクリーン数が少ないのに週間ランキング三位というアニメ映画。
 この映画は二年前のテレビシリーズから火がつき、秩父や西武といった地域や企業も巻きこんで現在でもかなりの人気を誇っている友情物語の劇場化である。
  今回、テレビのタイムラインに加えて再び五人がMemmaのために集まり、すべての時間軸を使ってエピソードのパスやドリブル的手法にてゴールに向かう感覚の展開。勿論、テレビで観た場面も多々でてくるが、思い出の中の切り抜きとして扱われるので、テレビの再現という印象にはならない。一方、大人に近づく五人の大人になりきれない感傷のほうが痛々しく映るためか、テレビシリーズの素直さが、今回は違和感も連れてくる。初めてこの映画を見た人は、意外にもその「大人になりきれない子ども」の滑稽さを指摘するかもしれない。
 やはりテレビシリーズを見ておく方がイメージが暴走しないでうまく収まりそうだ。

 舞台劇をアニメにしたような演出はやはり本作品の持ち味なのだろう。

2013年9月5日木曜日

Movie: Man of Steel (2013)


冒頭のクリプトン星の場面あたりのインパクトは良かった。ただ個人的に地球での展開がなにかコラージュ的手法も相まって
自分の頭が理解しようとするほうへ作用しだしたのが気になる。おそらくは今までのClark Kentのイメージから
かけ離れた主役が登場したことが一つ目の理由。もうひとつはビルを破壊しまくるバトルシーンが物語りの質を貶めているからかもしれない。
 今回は黒ぶちメガネのClark Kentが誕生するまで的な内容なので、今まで我々が観てきた通常のSuperman物語を逆再生するかのような
ところがどうも心に響かなかった。

 さて、古典的アメリカンヒーローの位置づけがここまで変化すべきかは議論の余地がある。TVシリーズのSupermanは都市犯罪、救助活動などに
特化したヒーローだった筈だが、「クリプトン星人である」という設定がこれまでの現実感覚とSF度の対比が9:1くらいだったのが5:5くらいにまで
なってきた。Christopher Reeve主演以降のシリーズはそんな感じだった。そして今では規模と時空設定をも超越したSF度による2:8くらいにまで
現実感が薄れている。やはり裏事情は秘密のままヒーロー像だけを映画にするほうがいいと思うのだが如何なものだろう。

 ビルを破壊しまくるVFXは最早凄くもなんともない。できればストーリーと味のある場面で魅せて欲しかった。

 面白いところはDiane Laneのようなかつてのイメージキャラクターが出ていること。

2013年8月29日木曜日

Movie: Star Treck Into Darkness (2013)


 前作の記憶が曖昧なまま、J.J.Abramsの新作として鑑賞。最初の劇場版シリーズとは違って、単発で観ても必要な知識に関係なく楽しめる。
 これだけシリーズが劇場に登場すると前後関係において混沌とする。近年のシリーズは最初のシリーズより前の時代を描いているということなので、映像技術との差も含めて違和感は否めない。いやむしろ暗黙の了解のもとに決められた範囲での公証とすべきなのだろう。
 どうしても人類末期的CG大作の中の一つとして観てしまう自分がいるのは、宇宙にイメージしてきたゆったりとした(例えば2001年宇宙の旅のような)奥深さを感じる映像感覚ではなく、アクション中心のスピーディなものがトレンドにあるからかもしれないが、少なくともスターウォーズとの棲み分けとして、スターウォーズがファンタジーであるのに対して、スタートレックは自分の中ではリアルに近いSFとして思っていた点がある。今回の映像でもサンフランシスコの雰囲気などの絵についてはスターウォーズでは絶対に出てこない感じであるし、冒頭のアステカ風の民族にしても近年の現実的な話題として考えてしまうだろう。そんな部分があるからこそ、別の意味で監督のJ.J.Abramsが今後のスターウォーズに充てる絵柄と対比したいものである。

 やっぱりJ.Goldsmithの旋律が安心感となることは間違いない。

2013年8月23日金曜日

Movie: Pacific Rim(3D) (2013)


 ウルトラマン世代で育った人たちがある程度大人になると、かつての愉しみは脳裏に残しながらも昔はこんな「子供騙しの絵に夢中になっていたんだな」と現実対比を公言することがある。それは以前の自分から比べて以下に成長したかを示す証としてかもしれないが、一方では着ぐるみを来たデパート屋上で行われた子供ショーと一線を画したいからでもある。しかし多くの男の夢としては昔の精一杯だった特撮技術を今の世界にリアル蘇らせたいことこそが本当の欲望かもしれない。そのメインストリームとしてJurassic ParkのSpielbergが技術的な方向付けをした後、あのdel Toroがここに来てしまった。
 今回は残念なことに3Dながらも日本語吹き替え版であった。よって微妙なニュアンスが伝わってこない。別の機械に英語版を観るとするにしても、内容としては日本のかつての様々なコンテンツがすし詰めされたような内容が嬉しかったりする。
 怪獣映画といえば日本映画史に欠かしてはならないものである。戦争の悲劇や核の脅威を「怪獣」に置換えて世界を壊滅的な状況に陥れる風景とオドロオドロした音楽の時代。十分に痛ましさを痛感した筈である。そこへウルトラマンや子供に優しい怪獣などで怪獣映画がエンターテインメントのジャンルへ。戦争や核の脅威が置いてきぼりになってしまった感があり、今に至るまで怪獣映画の呈した問題点を語れないまま好き嫌い議論だけが残っていた。
 del Toroの本作は思った以上に(エンターテインメントながらも)怪獣の意義を伝えてくれているのは嬉しい違和感だった。「世界がいがみ合っている場合ではなく、協力して…」的な世界観で塗りつぶしての展開だけに、かつての国に閉じこもった作品とはやや違って見えた。

 三度くる怪獣の波。この映画はその迫力を堪能するだけで十分だろう。

2013年8月16日金曜日

Movie: World War Z (2013)


 こうまで暑い日が続くと映画館もありがたい存在になる。案の定、家族やカップルで満杯の状況下での埼玉某所で観た。
 事前情報を収集しなかったので、何の映画なのか分からなかった。予告では、やはり、また、地球の危機的なリアル破壊映像一本という感じには捉えていた。

 基本、この手の映画はもう好きではなくなってしまった。明らかに物語に入り込めないのは目に見えているからである。しかし、そうは言っても、気持ち新しさを期待する自分もまた居るのである。
 ネタバラシはやめておくが、この映画、冒頭は「宇宙戦争」的な迫力があったのでかなり期待して凝視。ところが中盤から怪しさが露呈。道筋がふらついている感じもするし、怪我にも耐えるスーパーマン像の主人公も受け入れ難い感じがする。結果としてエンタメのウエイトが高くなったせいで纏まりに乏しい映画となったようだ。まぁ、夏休みのアトラクションとしては良好な映画館もしれないが、感動には至らない。


 恐怖でも意外と冷静な人物達が最後まで気になった。

2013年8月1日木曜日

Movie: Emperor (2012)


 この映画は米英のほかシンガポールやスェーデン、デンマークなどで公開されるも、中韓とかドイツには公開されていない。中国が如何に功みに南京映画を作っても日本には公開されない。歴史的な見解は基本的には偏見の色合いが濃い上に、もし歴史の一場面を切り取ってデフォルメすることは、歴史の流れに対して堰を作ることになりはしないか?とも思う。
 別視点から観てみると、日本人にとっては、かつてアメリカ人側から日本人に対して思っていたことを現在の日本と中国に当てはめて考えることができるかもしれない。

 史劇として美化することは構わないが、安易に「史実」にしてはならない…と、この映画にしても同様の思いが。映画の焦点となれば特に最後の天皇の仕草になりそうだが、もちろんこれも曲解かもしれないので、映画として観ているという枠からはみ出ないようにしたい。

 意外なテーマの映画であり、アメリカの好むダイナミズムのある内容ではないのだが、日本人だからか、思ったよりも溶け込んで観れる。が、あまり山となるものがなく当たり前的な進行なので、気持ちが中途半端な状態で終えることにもなる。それでもこういった映画を製作したことは評価したい。「太陽」「マッカーサー」などと並べて観てもいいかも。

 映画では、近衛の言った内容が印象的である。どの国にしても真似て大国を目指す。その反面、真似るは(魔ねるともなり)一種の歴史矛盾を生み出す。それは闇市場に出回る模倣品だけではなく、原子力開発や宇宙開発にも及ぶものである。しかしだれもその「正しさ」を定義できない(そう思い込んでいる人は多いが)。つまり木の実や草や野兎を食べて生きてきた種族が、あるときから海の魚を食すようになったときに、誰も未来に起る変化を考えようが無いということ。その辺を考えてしまった。


2013年7月18日木曜日

BD/DVD: Intouchables (2011)


ひとことでこの映画を表現すれば「接続子」。

 始まってからのワイルドな場面を過ぎると、どことなくアメリカシネマにありがちな格差コメディの流れに乗って話は進むのだが、そこには笑えないようなジョークが見え隠れしたりして、素直に受け入れて楽しめる流れとはいかず受け入れがたい部分もある。しかしあるときから、もしこの「笑えないジョーク」を「笑える側」で考えたらどうなるのかという課題を背負いたくなる。そうなるとPhilippeの立ち位置が最も(特には日本人には)映画に溶け込めるようだ。ネタばれっぽくなるかもしれないが、散々空想劇をイメージさせておきながらラストで突然、真実の世界へ引き摺られる遊園地感覚もあることも含めて、不思議な楽しみを与えてくれる映画になっていた。日本語タイトルにある「最強の」の言葉の回収時期が訪れるころには、René Clémentの居たあのフランス映画の魅力に回帰してしまう。

2013年6月24日月曜日

BD/DVD: Jack Reacher (2012)


 Tom Cruiseが製作する映画は自分には「安心」という言葉が先立つ。もちろん興行第一であることは間違いない筈なのだが、観る側を楽しませようという姿勢が一般的なアクション映画より更に感じられる。特に「The Others」「Vannilla Sky」の頃のAmenabarを広く知らしめさせたTomの功績を考えると、自然とそうなってしまうのかもしれない。
 映画の雰囲気は現代劇というよりも、むしろ70年代や80年代の作風に近い。冒頭から暫くはセリフがなく、それでもスコープの動きでその導入が推察できる描き方は、昔のMcQueenやEastwoodの映画の思い出を呼び戻してくれた。
 キャラクターも特徴ある人物が多方向から登場するし、流れも嫌いではない。が、しかしあまりにも無難すぎるた展開に収まったのが残念。後半からの流れは普通な感想で終わった。

 しかしTomのYankeesへの執着は異常なレベルなのかもしれない。

BD/DVD: Into Eternity: A Film for the Future (2010)


 核廃棄物を地下深く格納し、安全になるまで触らせないための施設オンカロを描いたドキュメンタリー。
 核問題を残す日本には是非一見するべき内容である。特に面白いのは10万年という長い年月の先を見越したアプローチを考えていくところ。確かにピラミッドなどを例にすればわかりやすい。しかし10万年となると、それ以上の障壁がありそうである。そうそう、パイオニア号の金属板を思い出してしまう。
 ただ、色々な視点で観ると疑問も沸き上がるだろう。
 ■こういった施設を拡張する場合、地震などの災害のない場所となると限られていて国家問題にもなるだろう。
 ■10万年と簡単にいっても、その間に地球や人類がどのようになっているかや、核以上に危険なものも増殖しているかもしれないことを考えると一概に地下施設だけに焦点をあてるのは「狭い」印象でしかない。
 ■こういった話があまり広がっていないのは、基本的に触れたく無い話題ということが前提になっているからだと思う(映画「コーブ」でも思った)。つまりはいつまでたっても密かに大量の核廃棄物を扱うという点で、その表裏の姿勢が今後の課題となりそうだ。


 結局、人類は他人や未来を考えることについては2の次、3の次ということなのでは?。ちょうどNHKで他の種類のクジラを思いやるザトウクジラの番組があって、人類には「まだまだ」という感じがした。

2013年6月13日木曜日

BD/DVD: Library War - Wings of Revolution (2012)


 テレビシリーズではどうして左手で敬礼しているの?と疑問に残った作品だった。別に弔い目的でなく、戦意の有無は別としても、未来的でありながら検閲という題材を用いた赤世界描写の内容であるため、何気に(左手敬礼を)納得しても不思議はなかった。テレビシリーズでは、笠原という新米の女性特殊部隊員を中心に展開される、所謂成長物語としてとらえてもよいだろう。しかし、いきなり劇場版
見た人にとっては成長過程を掴みづらい分、必然的に視点が警備ストーリーに思えるかも。

 物語はひとりの小説家と隊員達という構図になっている。幸いにも時折回想を交えた上官との人間関係にもスポットがあたるので、はじめての人でもなんとなくはテレビシリーズとの紐付けはできそう。

 まぁ、しかし、やはり、テレビシリーズを観た人向けという大前提は崩せない。多くの初見者は、映画を観て、テレビシリーズを観て、再び映画を観る手順は必至かも。


2013年6月12日水曜日

Movie: Oblivion (2013)


 Tom Cruiseは未来型が似合う俳優として健在。かつてSpielbergがLeoなら過去へ、Tomなら未来へ連れて行く姿勢を見せた頃から、その名残は引き継がれている。
 映画を観ていると70年代前後こそが至上の時代だったことの含みを数多く作っているようだ。ZepやProcol Harumに乗せた緑豊かな森の生活は、砂に埋もれたニューヨークと対比させてみるとテクノ以降に生まれた環境に白羽の矢があたっているかのようで、無論、日本の原発事故さえも含む。特に古い双眼鏡で望むこの映画では過去であるが、今でこそ新しい建築物群はどこかで虚しさでしかない。
 全体的にかなり綺麗な作り。これは、かつてのSpace odysseyや、Blade Runner、Alien、などで魅力を広げた手法を再現したかのようでもある。

 物語の内容は多く語れないが、自分の中では、アニメのRailgunだったり、Nicole KidmanのThe Othersだったりが、比喩対象としてはピッタリくると思えた。

それから、49タワーの視界の良い居住空間で、不思議とYear of the Dragonのあのマンションさえ思い起こさせた。人類破滅の状況下での贅沢で空虚だが欲望が湧くこのギャップこそが映画の狙うところではなかろうか。実際、この場面だけではなくいたるところに類する石が置かれているので、そんなところを特に注視すべきである。

2013年6月2日日曜日

DB/DVD: The Floating Castle (2012)


 心通わせる者には地位云々ではなく加勢しようという姿勢とか、土地を駄目にされたときの気持ちなど農民の視点をうまく使っている場面は悪く無い。とはいえ、映画全体は過激な演出をいくつか使っているものの間延び感があるのが残念。
 この映画セリフに存在するギャップに着目できる。例えば、戦国時代らしく昔らしいセリフ回しもある一方で、長親の現代的な表現などは清涼剤のように功を奏す。特に「みんな、ごめーん」という場面とかは印象的。


 個人的には、現代と昔の考え方の差異をもう少し考えてみるべきという気持ちになったこと。戦いの奇策となる水攻めにしろ、相当な長期にわたる計画があってできるものであるが、今では数ヶ月先の状勢も読み解けない実情からして、簡単に過去のその時代その場面を想像することができない。

2013年5月19日日曜日

BD/DVD: EL&P 40th Anniv. Reunion Concert (2010)


初のブルーレイで観るEL&Pコンサートもの。ちょっと不安があった。というのも、指が思うようにならなくなったKeithだったり、太りすぎたGregだったりもあるが、今でも「Pictures an at exhibition」「Ladies and Gentlemen」以上のスリリングな音源に出会っていないというのがその理由だったりする。本来は「Works」の頃のオーケストラと組んだコンサートを3枚組規模のものにしてくれれば嬉しかったのだが、希望に反して「商業的」度が気になるものだったものだ。Carlに代わったCozy時代の音源はかなり評価できるとしても、ドラミングの違いは容易に受け入れられなかったし、90年代に日本で観たコンサートも便利さに流された感じで、最早アナログ時代の巨人達という感じではなかった。

 今回の映像は、Amazonでも在庫確保に半年くらい要したようで、欲しいときに観れなかった一品。やはり全盛期のパフォーマンスとは言えないものの、ファーストやセカンドのアルバムにウエイトを置いた構成は共鳴できるものだった。それにしてもGregのあの高い叙情的な歌声はもう聴けないようだ。同時に、あの頃のKing Crimsonとの接点も消滅してしまった気がした。
 全体的には一時期よりは見応えの有るものになっていたと思うし、ブルーレイというメリット(一部デメリット)があるにしろ、演奏熱の部分は久しぶりに伝わった。加えて最近ASIAのコンサートでも観たCarlの存在がより大きく映ったのであった。

2013年5月10日金曜日

Movie: Stand up guys (2012)


ユーモラスな組み合わせな映画なのだが、シリアスな要素が前面に出ていることで、簡単には笑に浸れないけれど、ロートル三人の仕草には、コメディ映画にはふさわしい時代錯誤があることや、ある意味人間の理想的な生き方が感じられるため、ちょっと異色な映画になっている。

   Valの格言的なセリフは印象的。そこには良し悪しの感覚をマヒさせるような深さもあったりする。
   この映画は70年代に取り上げられたロードムーヴィーのスピリッツを糧としている感じで、時代のギャップをいかに映し出すかという結論の一つが長い間の収監ということで納得できる。こういう設定は違和感を洗い流す意味でも面白い。
 観ているうちに時代の流れを考えてしまう自分がいるのだが。例えば、アメリカ社会からすれば、中国人や韓国人に対する目線は一昔前と変わらないようで、あの頃のアメリカンシネマにおける必要不可欠な要素だったことを改めて認識したものである。
  もうひとつのポイントとしては、この短い時間の物語を何年も掛けているようにしている撮り方がいい感じだ。
  ラストシーンはありがちなのだが、この物語では最も必要とされる選択だったと思う。



2013年4月22日月曜日

Movie: Lincoln (2012)


例えば今の日本との境遇に近い内容だとしても、別に日本の参議院選挙に限りなく近づけるような公開の仕方でもなさそうだし、結果的に全く盛り上がらない時期の公開だったので、真剣に入り込めなかった。真っ先に頭に浮かんだことは、「Spielberg作品」という効果はもうあてにできないということ。それは40代を過ぎたかつての豪腕投手のようなもので、球筋がはっきりし過ぎる反面、斬新さが無くなっているのだ。この作品は、一般的な生い立ちものではなく、アメリカ合衆国憲法修正に力を注ぐ時期を描いている点はスポットがぶれない意味で評価できるものの、舞台劇のような撮り方から、今までに無かったようなアプローチが有るかと期待したのだが、残念ながら満足のいくものではなかった。もちろん、無難なつくりではあるものの、決して名作の域におかれる作品ではないと思った。
 そういった感じのなかでDaniel Day-Lewisの演技は素晴らしく、またシンクロするかのようにSally Fieldの演技も相乗効果をなしていたのは、救いのひとつである。

 南北戦争への興味のある自分としては、「Glory」のような作品に出会いたいと思っている。ここからいろいろと影響を受けてサウスカロライナにあるサムター要塞まで見に行ったこともある。そういったこともあって、今回の「Lincoln」にも接点をいろいろと求めたのだった。


2013年4月9日火曜日

Movie: Hanasaku Iroha Home Sweet Home (2013)


  冒頭、暫くの間はヒヤヒヤする程に「かからないエンジン」状態だったが、緒花が見つけた伝六の日誌から母親の回想シーンへの流れになると、そのエンジンも安定した動きを見せてきた。緒花の母親像を中心にしつつ、緒花、菜子、民子等夫々の心にある想いが共振する感じの展開となり良いトーンへと変化。最初の心配は何処かへ飛んで行ってしまった。なんにしても、心に響く部分として、能登の風景のゆったりしたイメージが大きな力になっている。

  実写ものとアニメとを比較する上で、例えば数十年前の街の情景を映す場合、違和感に苛まれるケースはどうしても実写側に多く、余計な邪念に取り憑かれることがある。反面、アニメの場合はファンタジックな意味を込めてプラスな効果が期待できる。今回はテレビや電話などの小物も十分効果を作ってくれていた。

  作品は一時間しかなく、本音を言えば、もう少し長く見ていたかった。
  邦題「花咲くいろは Home Sweet Home」

2013年4月8日月曜日

Movie: Gone (2012)


Amanda SeyfriedがCosetteを演じた「Les Misérables」より前に撮った作品となるらしい本作品。過去に自分が経験した誘拐の苦い記憶と妹の失踪とが絡み合いつつ精神病的な雰囲気を撒き散らしながら犯人を追う展開。
 映像はサスペンスにありがちのショットではあるが、70年代によくあった素のカーアクションを織り込んだりするところは諸所の要素に気を使っている点でもある。
 ただ、あまりにも主人公と周囲の温度差があるために、普通の感覚からかけ離れた場面をいくつも見せられるのは一考。特に追う側が追われる側になるも、車をいくつか乗り換えつつ物語がすすむ部分は、正義モノ映画のテンプレートではあるとしてもベタで使われると素直に受け入れられない。

 アメリカ映画の多くは女性が主役となると、そこではほぼ強い女性の存在を前面に出してくる。女性も強いことは良いことだと思うのだが、日本ではまず、弱い女性が弱さの中から強さを拾い上げる展開のほうが観客の心を擽るだろうし、今回の映画のようにJillの眉のつりあがった表情を始終見ていたいとは思わないのではないのか。もう少し表情の変化も要素にいれたほうが良かったと思う。

 最後には悪魔的な表情に変貌していたような...。邦題は「フェイド・アウト」。

2013年3月18日月曜日

Movie: Flight (2012)


  The Rolling Stonesのおなじみの音楽などを含めても、この映画には70年代前後の懐かしい「教訓映画的」スタイルがある。外面だけで自分のあり方は全うできない...善くも悪くも自分らしさとは何か、自分自身とは何かを問い正す映画になっており、事前に航空パニック映画的なイメージを持っていた観客には、そのギャップが良い方向へ働くことだろう。

 映画では2つの視点が絡む。ルールを背にした立ち位置で考える点と、ルール以前の「人として」あるべき姿として考える点である。前者には酒やクスリが、後者には最善の選択肢がそれぞれ紐付けられるのだが、加えて後者は、夫婦、親子、愛人、友人、仕事社会などの人間関係の深くにまで「最善」が映し出されようとするところが面白い。この2つの対極的な視点がこの映画を半端な展開に終わらせていないところである。

 日本では例えば「ブラックジャック」であり、アメリカ映画では「Death Wish」のような話とも関係があると思うし、今の報道の焦点でもある航空機パーツの不具合の問題、中国高度成長と格差や公害の問題などもこの映画の内容と接点を有する。残念なのは、こういった深い部分の意味での映画宣伝がされないところ。地方ではなおも航空ものアクションとして捉えられる傾向にありそう。

2013年3月13日水曜日

Movie: Zero Dark Thirty (2012)


  関心の高いニュース報道の記憶との接点を整理しながら観る映画になっているので、通常の政治色のある映画よりもアプローチしやすい。

  あの911以降、アフガンやイラクの実態を描くドキュメンタリータッチのライブ感に溢れた映画を数多く観てきたが、ほとんどが立ち位置に疑問を投げかけるものだった。標的ビンラディンの筈がいつの間にかフセインになっていたりで、良識を逸脱していても正論という名の下に混乱させられる我々がその時代にいたのである。

  しかしこの映画は、その中でも明確なコマンド実行ものとして、ストレート感覚で鑑賞できる。 チャプタータイトル を交えつつ、時系列に、じっくりと展開させて行くのだ。
  だが、多くは我々が知っている10年に比べて、思ったより淡白な印象を受けるだろう。手法は間違っていないのだが、バックグラウンドがあまりに平坦すぎて、飽きるギリギリ一歩手前とも言えるため、所々に思いっきり引いた絵が必要だと思えてくる。

  ラストは見せ所。クールな作りは好感が持てた。

2013年3月12日火曜日

Movie: A Certain Magical Index: The Miracle of Endymion (2013)


  劇場用アニメではやはり、テレビ版の登場人物を如何に配置するかを要素とする傾向が強いと見えて必然性を多少は無視した形でスクリーンに放り込まれる。言わば「ありがち」なのである。
  ただ、このありがちな形をむやみに否定はできないようだ。物語の中でレールガン連中との接点もそうだと思うが、期待度でいえばメインキャストでダンジョン攻略するよりは、仲間を交えてバラエティ満載で多角的にアプローチする方が、転換部の挿げ替えが利便的に働くに決まっている。 更に「マクロス」以降、劇中歌の充て方をミュージカルスタイルに応用できる寛容な環境もAKBを引き合いに出すまでないが、本質からの逸脱はあれども活性化には繋がるだろう。
  近未来学園都市モノにあっても、いろいろとアナログ的な小道具は、一種のノスタルジーにして、いつまでも変わらないで欲しい未来感なのだろうか、稀にイメージする100年後の蓄音機に在り方に似ている。
  邦題「とある魔術の禁書目録 エンデュミオンの奇跡」

2013年3月11日月曜日

Movie: Django Unchained (2012)


いきなり懐かしい曲が冒頭にかかる。60年代のFranco Nero主演の映画の曲だ。

 いつもながらTarantino映画は「恨み節」を使った例の如く意外性のある懐かしさを連れてくる。

 序盤のDjangoの形成。中盤のCandie家の探り合いからのガンファイト。終盤の反撃。まさにこれまでの西部劇的起承転結テンプレを見事の展開した作品。

 興味あるポイントは、時代背景が南北戦争前という微妙な時代であること。南北戦争で思い出されるのはC.Eastwoodの「The Outlaw Josey Wales」という作品。こちらは北軍を復讐相手としていたが、「Django」は黒人解放側視点のためアメリカ合衆国(北軍)寄りの立場である。加えて北軍には例えばSigelのようなドイツ人の将軍も存在したことも作品とリンクしてくる。そういった意味では最近のTarantino作品はちょいちょい歴史に絡めてくる。見た目は軽い感じに映るが、実際は重要や史実をモチーフにしたりしているようで気が抜けない。
 もうひとつのポイントは今の時代背景でやれば滑稽となってしまう要素を、派手に爽快にできる時代背景を使っていとも簡単にやってのけていること。むろん過去の作品のオマージュ的要素も加担していることは言うまでもなる。

 それにしてもSamuel L. JacksonのStephenは味のありすぎる演技だ。
 
 Ken Nortonの出る「Mandingo」という映画も昔みたことがある。いろいろとリンク多すぎ。


2013年3月10日日曜日

Movie: Argo (2012)


山陰で間違っても劇場公開しない「注目作品」を、埼玉と群馬にて立て続けに観る。まずは昨年末公開され、現在再上映中のオスカー受賞作品の「Argo」。

 雰囲気的には政治色満載かと思いきや、意外にもスリリングなエンターテインメント色となった作品。冒頭でのイランとアメリカの位置づけ説明は、実にスマートに導入部へ誘うものなのだが、途中からハリウッドの色が目立ちだつと、ややリアル感覚が遠のいてしまう。要は、演出の見せ所が逆に疎ましく思い、脱出する6人について、実際にこれだけ危機一髪な展開ではなかったはず...との勘ぐりが強くなるからだ。だが、その裏側で面白いと思ったのは、観客の視点だけでなく脚本上でも茶番的に扱われている点。なるほど、見る側と作る側の心をシンクロさせる運びが、作品を優等生に仕立てているようでもある。

 ところで見ていた気になったのが、「Argo」という映画。別の作品で「アルゴ探検隊の冒険」という映画を知っているが、時代的にはこれより10年以上も古いものなので、本作中の設定とは異なる位置づけなのかも。もしかしたらスターウォーズ・デコイなのかも。


2013年1月28日月曜日

Movie: Life of Pi (2012)


「Tell me what you see?」Piが虎に聞く場面。このときにBeatlesのあの曲の歌詞がイメージできた。そこには現実でありながらも、どこか空想的な世界観で自分をコントロールするPiの姿が有る。子供の頃より好奇心をもちつつ普通ではないことをさも普通のように考える立ち位置はストーリーへの関心度を高める。それは遭難する場面でも虎との駆け引きや、筏作りの場面でわかる。映像に目を向けるならば、かなり死と隣り合わせの場面が続くなかでSFのようなアプローチ。そこには生きる望みもあり、三途の川への入り口のようでもあり、まさに「何が見えるか?」という問い掛けられるテーマになっているように思えた。
 この映画では、あたりまえの台本ではない感じが、いろいろなサスペンスになっていて楽しい。例えば女性への尾行のときのあるセリフなどは特に。
 ストーリーとか人物像の描き方は好きだった。ただ、やはりCGに頼りすぎてる分、大げさな感覚も付いて回った。感動ものとして観る映画とはやや違うのであろうが、まとめ方としては物足りない感じがした。

 余談になるが、あれだけ隣国が騒いでもマリアナ海溝地図では「Sea of Japan」と出ていて。なんとなく安心。もしかしたらあの受賞イベントでは撮影賞あたりは狙える感じがする。

2013年1月16日水曜日

Movie: Les Misérables (2012)


ヴィクトル・ユーゴーは果してミュージカルという形を望んでいたのかどうか?に自分的関心が高まるのだが、なんだかんだでSusan Boyle盤でも話題になった”I dreamed a dream"などの有名曲がいくつも含まれている点を無視はできない。

 過去のミュージカルと比較して悲劇展開のなかの勇気ある人間像はパターン化されているにしろ、音楽という疎遠な物語にしてこれだけ音楽的なものも珍しい。いわばウエストサイドの硬さと柔らかさとの共存にも通じる部分がある。自分の感性と合わない点をあげるならば、台詞を歌にする必要の云々で、無理やり感があったこと。
 ところでトップクラスの俳優がこれだけ歌が上手いと逆に違和感さえ覚える。日本でも声優などにはマルチタレント的なアプローチが顕著だが、HathawayやJackmanのビブラートの前では、それらがまやかしにも思える。

 ラストでは涙する観客もいた。人間の持っている根っからの部分として、例えばかつての天安門事件のような行動の本質は決して社会体制の善悪そのもののには無い。それはオセロの黒白が逆転しても同様のことが起る可能性がある。そうなれば、涙の裏にあるものは何なのだろう?
 印象的だったのは、死ななければ平等は得られない...的な表現。ここはもう少し考えてみるに値する。
 天国や地獄が人間が決めた行動の法を基軸にする以上は、「神の下す運命」という言葉自体も人間の拘りにすぎない。すべては国家や民族に依存しない自然と接したときの人の心とその成り行きにあると思う。つまりは観客の涙は「(まったく他人から影響を受けない)人間らしさ」を取り戻したい欲求にあるのではないのか?
 その意味でもラストシーンには何層も重なった意味があると感じた。
 そして、なぜだか最後はエル・グレコ絵画の世界観が頭を埋め尽くした。

2013年1月15日火曜日

Movie: Hunter x Hunter - Phantom Rouge (2012)


  テレビシリーズとしては、ちょうどクラピカが幻影旅団との戦いに区切りをつけ、ゴンとキルアはグリードアイランドへ。劇場版も一応、テレビのエピソードタイミングを測ったかのように、主要なキャラクターが並んだ。その中において劇場版の展開を盛り上げるのはクモの#4をつけた男と、クラピカのかつての友達と、そしてゴンとキルアの仲間に加わる人形使い、彼らがポイントになる。
  まず、この劇場版は、原作を知らない鑑賞者としては、やはりテレビで見ておかねば掴みどころが無くなること必至。冒頭にゴンが簡単に主要なキャラ解説をするも、あまり役には立たないかもしれない。
  ある程度は知っていた自分としては、テレビとの関係においてオークションで扱われていた目玉の位置づけに注目がいった。
  本劇場版はある意味、補完的内容ではあるが、劇場版ネタを取り分けていた感じであることを含め、うまくテレビと映画を噛み合わせていると言っていい。ただ、展開としての「途中下車」したような感覚を拭い去れないのは残念。

  正直、最近のテレビアニメの劇場版は、それだけで成り立つことはないため、数ヶ月すれば記憶から消え去るようなポップソングに似ている。そろそろスゴイ作品が欲しい。

2013年1月10日木曜日

Styx:The Grand Illusion・Pieces of Eight Live (2011)


  予想以上に楽しめるライブになった。
 アルバム曲順どおりの展開が楽しめるのは、5年前に上海で体験したRoger Watersの”The Dark Side of the Moon”のライブ以来である気がする。今回はもちろんBDでの鑑賞となったが、それでもライブ会場にいるような雰囲気に陥った。

 これらはかつて愛聴したアルバムだったので、ライブで聴いたことの無い曲が味わえるとなると、居ても経ってもいられなくなる。個人的に言えば、”The Grand Illusion"の場合、A-Sideのダイナミックで親しみのあるメロディを持った曲の流れ、オープニングを経てTommy、JY、Gowanの流れの演出は見物。特に"Come Sail Away"については、曲の魅力もあるためGowanのプレイでもDennisの影を感じられた。そして"Pieces of Eight"のアルバムになると、”I'm OK"~Sing For the Day"、"QOS"は鳥肌ものだったし、ラストのタイトル曲は隠れた名曲として何度も口ずさんでいた自分にとっては、このライブのメインといってもよかった。
 ライブ形態として、かなり「有り」な内容であったし、メンバーの魅力と(Chuckも登場)、カメラアングルなどで全般的にまとまっていて感動した。

 これは何度も楽しめそうなBD。次回、続きがあるなら"Cornerstone"も仲間にいれてあげほしい。