2013年4月8日月曜日

Movie: Gone (2012)


Amanda SeyfriedがCosetteを演じた「Les Misérables」より前に撮った作品となるらしい本作品。過去に自分が経験した誘拐の苦い記憶と妹の失踪とが絡み合いつつ精神病的な雰囲気を撒き散らしながら犯人を追う展開。
 映像はサスペンスにありがちのショットではあるが、70年代によくあった素のカーアクションを織り込んだりするところは諸所の要素に気を使っている点でもある。
 ただ、あまりにも主人公と周囲の温度差があるために、普通の感覚からかけ離れた場面をいくつも見せられるのは一考。特に追う側が追われる側になるも、車をいくつか乗り換えつつ物語がすすむ部分は、正義モノ映画のテンプレートではあるとしてもベタで使われると素直に受け入れられない。

 アメリカ映画の多くは女性が主役となると、そこではほぼ強い女性の存在を前面に出してくる。女性も強いことは良いことだと思うのだが、日本ではまず、弱い女性が弱さの中から強さを拾い上げる展開のほうが観客の心を擽るだろうし、今回の映画のようにJillの眉のつりあがった表情を始終見ていたいとは思わないのではないのか。もう少し表情の変化も要素にいれたほうが良かったと思う。

 最後には悪魔的な表情に変貌していたような...。邦題は「フェイド・アウト」。