2009年11月29日日曜日

Movie: Zombieland (2009)


Funny! I like it!

 ゾンビだらけにあって、実際は旅をする4人のダイアログが重要なこの映画。その4人とは...「The Squid and the Whale」で
ピンクフロイドの曲を披露したJesse Eisenberg、「A Prairie Home Companion」のようなカントリーの雰囲気が似合うWoody Harrelson(本映画でもWillie Nelson を話題にしている)、TVシリーズの注目株Emma Stone、最後は「Little Miss Sunshine」で一躍人気者になったAbigail Breslinである。

 この映画、Abigail Breslinが出演しているという理由ではないと思うのだが、ダイアログも含めて奇妙で温かいロードムービーという感覚あたり「Little Miss Sunshine」に通じるところがある。そういえばこの映画に後半登場する超大物スターにも2005年にロードムービーがあった。ゾンビ映画なのに、色々と温かいロードムービーを思い出す....この映画、そんな感覚を持っている。だからなのか、馬鹿馬鹿しい場面でも、呆れた感覚はそんなに受けない。

 冒頭から筋をゴムのようにしながら肉を引きちぎる場面が多く登場。眉間に皺を寄せたくなる場面ではあるが、対ゾンビのルールが幾つもシーンに張り付くように登場するので、逆にこのセンスにニヤけてしまった。それからビックリなことに才人Mike Whiteまで登場するので凝視すべし。

 B級的な印象を与えつつも、蓋を開ければ実に価値のある驚きの一作となっていた。

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2009年11月27日金曜日

Movie: 2012(2009)


Is this a important movie to bring an alarm bell to the human? No...this is a roller coaster movie!!

率直に言えば「もう飽きた」という感じ。確かにRoland Emmerich的映画だし、彼の拘る部分はかつての「DAS ARCHE NOAH PRINZIP(1983)」などを知ると一貫しているのは凄いと思う。その後の「Independence Day(1994)」「The Day After Tomorrow(2004)」あたりは、人類の危機感欠乏と相成った実に価値のある影像を提供してくれたと思う。しかし、ここ15年で影像技術が格段に発達したことで最早、観る側を凍りつかせる程の衝撃を与えるものは失せてしまったのではないか。

 この映画のテーマはマヤ文明、マヤ暦にある「終末」。これについて色々解釈がなされ、水面下ではブーム化しているのだろうか、類似した影像が多く撮られているそうだ。来年には「2012 The War for Souls」というタイトルの映画も公開されるとか。 映画の細部はよく気にされているとは思った。雑なつくりではない。ただ、遊園地のように楽しませようという感覚が逆にマイナス要因になっている気がする。また、この映画には他からの映画を引用したような場面(例えば「The Poseidon Adventure」あたりを思い出すシーンなどがあったりして、これだけの規模のVFXを使いながら「斬新的」には映らない。主役のJohn Cusackも嫌いではないし、彼の「Grace Is Gone」あたりは涙ものだったが、今回はなんだかしっくりとしない。周囲の俳優陣への「イマイチ感」があるからかも。

 要するにこれまでの「地球滅亡」映画の延長上でしかなかった。本来ならば、もう一寸胸に重く圧し掛かる映画を期待していたのだが。

 それにしてもノアの箱舟...Uボートのようなシェイプが楽しい。

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2009年11月23日月曜日

Movie: Smash Cut (2009)


fake is still fake even if it's in real.

 一部で話題にあった流血コメディホラー映画を鑑賞した。映像効果は幾分にもQuentin Tarantino的な感じ。David Hess演じるのが映画監督。しかし彼の作品は駄作過ぎで、観客から「金返せ」「偽者だとバレバレ」と罵られる。彼はある女性の事故を切欠にトンデモナイ(リアルな)行為に及んでいく...。この映画、近年、日本でも多発している猟奇的な殺人事件が目立つだけに生半可な冗談映画とはとれない。所謂、ヤバイ人間が見たらヤバイネタにされそうな映画...かもしれない。

 まぁ本当に気持ちの悪い場面が多いが、マカロニウェスタンばりの金管の強烈な音楽が流れるせいか、ラテン系の踊るノリになっていたりする。そんな中、Vシネマ女優Sasha Greyのナースのコスプレは好印象。エンドロールではブルーパー集となるために、ココロで揉み消そうとしていたツッコミが噴出してきたもんだ。

 それにしても、タイプライターとか底にダイアルのある受話器だとか、なかなかのネタグッズも確認できるのが自分には楽しくて嫌いになれないところがある。まとめてしまえば、「そんな映画だ!」と笑い飛ばしてしまえば良い。

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2009年11月18日水曜日

Movie: Herr Pilipenko und sein U-Boot (2006)


Cool!....This is "Life style".

「ピリペンコさんの手づくり潜水艦」という邦題をつけたドキュメンタリー。この邦題で映画の大筋が分かるから不思議だ。「ピリペンコさん...」とくればこの主人公のある「賛同できる話」であることはわかるし、「手づくり潜水艦」で多くの人が無し得なかったことを現実にした話であることもわかる。

 ドキュメンタリーとはいえ、かなり計算しつくされている映像編集。車載カメラとか、ワイド効果を狙った風景、アングルの凝り方にしても、場面場面で楽しめる構成になっている。

 それから音楽全般が日本からみたら「物悲しい」感じに聞こえたのは、それだけの国と国の距離感からか。そこがまた興味を沸かせるポイント。ウクライナはキエフという有名な都市を持つ国なのだが、意外と知らないことが多かった。この映画では、途中に願掛けのために木の枝に布を巻きつける場面がでてくる。こういうところでも日本とは遠いが近い部分も感じてしまった。

 しかし、なかなか夢のある話だ。周囲の援助は当然ながら、年金生活でギリギリのところも見せてくれたあたりも入れてこの映画にはココロを奪われる部分が多い。

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2009年11月16日月曜日

Movie: Zero no shoten(2009)


Zero Focus in 2009. So nice visual effect about the postwar atmosphere...but...

 松本清張の映画化といえば「砂の器」「鬼畜」などを撮った野村芳太郎を思い出す。特に「砂の器」ではクラシック音楽をバックにした日本海の雰囲気が今でも脳裏に焼きついている。野村芳太郎は久我美子が禎子を演じる「ゼロの焦点」も撮っているが、今回作品とは50年近くも開きがあり、それぞれで作品化にあたってのウエイト配分がかなり異なってた筈。そう、今回の作品の注目は「如何に時代を再現するか」にも興味はいくのだ。

 かなり良い線までいっている作品だと思うのだが、何故か、50~60年代MGM映画のような効果の走り過ぎが目立っているようにも思える。ややもヒッチコック的にもなっていたりして。舞台劇的な演出ならそれはそれでよいのだが、VFXも被ってくるため昭和32年頃に浸りきれない違和感は残る。

 それでも全般的な時代作りは良く出来ているとは思う。特に冒頭の婚礼写真を撮るときのフォーカスのあたらず、今後の物語に影を落とす部分は十分配慮されいると思った。

 ヤセの断崖とわかるアングルも嬉しかった。

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2009年11月2日月曜日

Movie: Shizumanu taiyo (2009)


The technology is the best, and the management is worst. This is current japanese company images.

 「この作品はフィクションであり...」というテロップが出た映画は、何らか事実が関与している...これは強ち間違えではない。まして今回の映画のようにモデルにしている会社が直ぐわかるならば、現在再建を強いられている問題とラップさせて考えずばおれないのは自分だけではなかろう。
 山崎豊子の連載小説が週刊誌に掲載されているときからモデルとなった航空会社からの圧力があったとされる内容。調べてみると、組合の不当な扱いからはじまり、金券の横流し、粉飾経理あたりは当然ながら、政府の要請で紡績会社から会長が経営再建に就き、小学生に詩を引用しつつ志半ばにして無念に会社を去る雰囲気も事実とされる。一番のポイントは映画では脚色気味で白黒分かつように恩地と対立する腐敗した経営陣と政府の癒着の数ある場面。度合いは別としてもここは作り話と流せない筈だ。
 よって大方は、この映画の殆どを事実であるかのように錯覚することだろう。だが今、モデル航空会社は体裁を整えたり秘密隠しをするにはその先が無さ過ぎる。今回の映画公開は(その部分)をボヤかさない点でもナイスなタイミングと思っていいだろう。

 3時間20分近くになるこの映画だが、思った以上に時間を感じずに物語りに浸れる。内容が近代日本で起こった大きな出来事を主題にしているからかもしれないが...。渡辺謙をはじめ演技者もメークをしつつ20年以上の隔たりを演じ分けている努力が感じられる。大方は良好である。しかし最も残念なのは、航空会社からの理解が得られなかったとはいえ、安っぽいコンピューターグラフィックスは入れたのは大失敗。ここは違和感に満ちた航空機映像をわざわざ登場させなくても演出技法で乗り切れる。観終わってもそれが影響して「失敗作」としての印象が残る。

 せっかく導入した新しい航空機なのに、整備体制を怠っていたようなものだ。

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2009年11月1日日曜日

Movie: This Is It (2009)


This rehearsal picture is "the best". But if there was true live show, what do I say?

 事前にはリハーサル映像ということで伝えられていたこのドキュメンタリーだが、Michael Jacksonがこの世を去ってから、今日までの短い期間に巧く纏められたばかりでなく、ショウに近い形で体験できたことはこの上なく嬉しかった。Michaelの歌や踊りは勿論ながら、この映像には「High School Musical」で名前が知られた監督Kenny Ortegaだからか、かなり楽しい演出が期待できた。

 冒頭から別世界になる。たとえこの映像が「Wanna Be Startin' Somethin」のために特化したとしても違和感が無い程の世界。ここはもうお気に入りの歌を聴くとか、ムーンウォークを観るための世界ではない。Michael Jacksonという人物が最近まで確かに存在していたことを確認できる世界と言っていいだろう。

 考えさせられたのがこれまでゴシップなので色々と報道されたMichael Jacksonという人物の姿。今までの噂を吹き飛ばすかのようにこの映像では、彼が周囲を気にかけ、気を使う性格を持ち、自分の意見をしっかりと主張する姿がある。今になって分かった気がした。残念なことである。この姿を彼の生前に見たかった。

 Michaelのスタッフには例えば「Thriller」を小学生の頃に聴いた人もいる。しかし全編を鑑賞する中ではMichaelは周囲との年齢差などは微塵も感じさせなかった。今になって思う。なぜ「死ななければならなかったのか...。」。本当に残念だ。

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