The technology is the best, and the management is worst. This is current japanese company images.

山崎豊子の連載小説が週刊誌に掲載されているときからモデルとなった航空会社からの圧力があったとされる内容。調べてみると、組合の不当な扱いからはじまり、金券の横流し、粉飾経理あたりは当然ながら、政府の要請で紡績会社から会長が経営再建に就き、小学生に詩を引用しつつ志半ばにして無念に会社を去る雰囲気も事実とされる。一番のポイントは映画では脚色気味で白黒分かつように恩地と対立する腐敗した経営陣と政府の癒着の数ある場面。度合いは別としてもここは作り話と流せない筈だ。
よって大方は、この映画の殆どを事実であるかのように錯覚することだろう。だが今、モデル航空会社は体裁を整えたり秘密隠しをするにはその先が無さ過ぎる。今回の映画公開は(その部分)をボヤかさない点でもナイスなタイミングと思っていいだろう。
3時間20分近くになるこの映画だが、思った以上に時間を感じずに物語りに浸れる。内容が近代日本で起こった大きな出来事を主題にしているからかもしれないが...。渡辺謙をはじめ演技者もメークをしつつ20年以上の隔たりを演じ分けている努力が感じられる。大方は良好である。しかし最も残念なのは、航空会社からの理解が得られなかったとはいえ、安っぽいコンピューターグラフィックスは入れたのは大失敗。ここは違和感に満ちた航空機映像をわざわざ登場させなくても演出技法で乗り切れる。観終わってもそれが影響して「失敗作」としての印象が残る。
せっかく導入した新しい航空機なのに、整備体制を怠っていたようなものだ。
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