2015年4月27日月曜日

Movie: Parasyte(Kiseiju): Part 2 (2015)


  前作を観た手前、今回も観なければ安心できない性格の自分。褒めらたものではない。やはりこちらもアニメ版への肩入れをしつつ鑑賞。

  実写版はPart1を含め、全編通して御都合主義的な点はかなり気になった。もしこれがアクション映画にあるスリリングな中での御都合主義なら割り切れる面がある。しかしこの映画の中では、人間風刺や現代社会風刺などの色付けをしたいらしく、確固たる主題を持っている風に見せているが、実際何が言いたいのかがわからない。アニメでは、エピソードを分けつつ新一の変貌と人間らしさの描写が良かったのだが、この映画は人間の不安定な立ち位置しか残らなかったため、危機的な面での下りは御都合主義としか思えなかった。特に猟奇的な浦上の扱いについて、(映画自体、社会風刺の要素がある反面)この時勢にまるで当然の存在のように映されていた。こういた面は野放しになっている感が膨れ上がり、相当な違和感だった。

 映像技術に力点がある割に不十分なできに仕上がっているSFカテゴリーの日本映画は、今後も世界で注目されることは無いだろうし、一時的な興行が成功したとしても、日本映画の不安要素しか無いのである。実は最近のハリウッドも似たような傾向が目立って来た。たぶん、(何らかの理由があって)製作者側も「違和感有るが、まあいいや」的に作っているんだろう。それでも違和感が主張になっていれば進歩となりえるとは思う。でも、今回は(も?)そうでもなさそうだ。