2011年10月31日月曜日

Movie: The Next Three Days (2010)


地味にLiam Neesonが出ているところが嬉しかったりするこの映画。Paul Haggis作品であるという前提が先にあるためか多少の疑わしい設定も肯定に変えてしまう自分がいる。それもひとつの映画の見方と割り切っているからだ。

そういえばIn the Valley of Elah(告発のとき)から随分時間が経っているが、あの映画はCrash同様に胸に来るものがあった。しかし今回の作品はどちらかといえばCharles BronsonのDeath Wish的な正義感あるアクションが前面にあるためか、感情的なところで誘導されるよりも、からくりめいた部分で注視する映画になっている。だから脱出計画の中で「うまく行き過ぎる」点が現実感から遠ざけ、Crashで味わったようなあのHaggis的な哀愁場面が薄れた形になった感がある。

だが、やはりPaul Haggis作品。これはこれでアリだと思った。そして、やはりトヨタのプリウスは映画でも効果抜群だと思った。


2011年10月9日日曜日

Movie: Rise of the Planet of the Apes (2011)



相も変わらず世界中が8月公開というのに、どん尻で公開となった....いわばブームが通り過ぎて閑散とする雰囲気の日本で観た。
思った以上に良くできていたと思う。どうしてもFranklin J. Schaffnerの作風を参考書として置かなければならない中で30数年経った世界観を共存すべきではないという(根っ子を絶とうとする)自分もいるわけだ。だが実際、Roddy McDowallのシーザーに良く似ているチンパンジーが登場すればこれはもうシリーズと縁をきることができない。
ストーリーは現代劇にして、プリウスだとかブラウン管テレビだとか、いろいろと混じった感がありつつも、実に分かりやすく丁寧に演出されているのでいつもは嫌味に感じるCGは、今回はいい調子をとっていた。前半はウィル、後半はシーザーを中心に回りだす展開の中で、人間の嫌らしさが一貫して下塗りされているところはよい効果をあげている。あの「E.T.」とか「King Kong」もまたその辺が肝だったのだ。

「ザ・ブリッジ(the bridge)」という映画があった。自殺のドキュメンタリー映画なのだが、その場所がゴールデンゲート。今回の映画のクライマックスの場所。しかも霧が立ち込める。この場所はいつも普通ではない設定として認知されている。SFのアイコンのはずなのだが。