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地味にLiam Neesonが出ているところが嬉しかったりするこの映画。Paul Haggis作品であるという前提が先にあるためか多少の疑わしい設定も肯定に変えてしまう自分がいる。それもひとつの映画の見方と割り切っているからだ。
そういえばIn the Valley of Elah(告発のとき)から随分時間が経っているが、あの映画はCrash同様に胸に来るものがあった。しかし今回の作品はどちらかといえばCharles BronsonのDeath Wish的な正義感あるアクションが前面にあるためか、感情的なところで誘導されるよりも、からくりめいた部分で注視する映画になっている。だから脱出計画の中で「うまく行き過ぎる」点が現実感から遠ざけ、Crashで味わったようなあのHaggis的な哀愁場面が薄れた形になった感がある。
だが、やはりPaul Haggis作品。これはこれでアリだと思った。そして、やはりトヨタのプリウスは映画でも効果抜群だと思った。