関心の高いニュース報道の記憶との接点を整理しながら観る映画になっているので、通常の政治色のある映画よりもアプローチしやすい。
あの911以降、アフガンやイラクの実態を描くドキュメンタリータッチのライブ感に溢れた映画を数多く観てきたが、ほとんどが立ち位置に疑問を投げかけるものだった。標的ビンラディンの筈がいつの間にかフセインになっていたりで、良識を逸脱していても正論という名の下に混乱させられる我々がその時代にいたのである。
しかしこの映画は、その中でも明確なコマンド実行ものとして、ストレート感覚で鑑賞できる。 チャプタータイトル を交えつつ、時系列に、じっくりと展開させて行くのだ。
だが、多くは我々が知っている10年に比べて、思ったより淡白な印象を受けるだろう。手法は間違っていないのだが、バックグラウンドがあまりに平坦すぎて、飽きるギリギリ一歩手前とも言えるため、所々に思いっきり引いた絵が必要だと思えてくる。
ラストは見せ所。クールな作りは好感が持てた。


