2013年5月10日金曜日

Movie: Stand up guys (2012)


ユーモラスな組み合わせな映画なのだが、シリアスな要素が前面に出ていることで、簡単には笑に浸れないけれど、ロートル三人の仕草には、コメディ映画にはふさわしい時代錯誤があることや、ある意味人間の理想的な生き方が感じられるため、ちょっと異色な映画になっている。

   Valの格言的なセリフは印象的。そこには良し悪しの感覚をマヒさせるような深さもあったりする。
   この映画は70年代に取り上げられたロードムーヴィーのスピリッツを糧としている感じで、時代のギャップをいかに映し出すかという結論の一つが長い間の収監ということで納得できる。こういう設定は違和感を洗い流す意味でも面白い。
 観ているうちに時代の流れを考えてしまう自分がいるのだが。例えば、アメリカ社会からすれば、中国人や韓国人に対する目線は一昔前と変わらないようで、あの頃のアメリカンシネマにおける必要不可欠な要素だったことを改めて認識したものである。
  もうひとつのポイントとしては、この短い時間の物語を何年も掛けているようにしている撮り方がいい感じだ。
  ラストシーンはありがちなのだが、この物語では最も必要とされる選択だったと思う。