2013年6月12日水曜日

Movie: Oblivion (2013)


 Tom Cruiseは未来型が似合う俳優として健在。かつてSpielbergがLeoなら過去へ、Tomなら未来へ連れて行く姿勢を見せた頃から、その名残は引き継がれている。
 映画を観ていると70年代前後こそが至上の時代だったことの含みを数多く作っているようだ。ZepやProcol Harumに乗せた緑豊かな森の生活は、砂に埋もれたニューヨークと対比させてみるとテクノ以降に生まれた環境に白羽の矢があたっているかのようで、無論、日本の原発事故さえも含む。特に古い双眼鏡で望むこの映画では過去であるが、今でこそ新しい建築物群はどこかで虚しさでしかない。
 全体的にかなり綺麗な作り。これは、かつてのSpace odysseyや、Blade Runner、Alien、などで魅力を広げた手法を再現したかのようでもある。

 物語の内容は多く語れないが、自分の中では、アニメのRailgunだったり、Nicole KidmanのThe Othersだったりが、比喩対象としてはピッタリくると思えた。

それから、49タワーの視界の良い居住空間で、不思議とYear of the Dragonのあのマンションさえ思い起こさせた。人類破滅の状況下での贅沢で空虚だが欲望が湧くこのギャップこそが映画の狙うところではなかろうか。実際、この場面だけではなくいたるところに類する石が置かれているので、そんなところを特に注視すべきである。