2013年12月16日月曜日

DB/DVD: LENNONYC (2010)


 今までに幾つものLENNONドキュメンタリー映像を観てきたが、これはちょっと知らなかった部分も多く含んでいて新たなる興味の幅が広がった。

 特にPaulとの再会エピソードはいろいろなカタチで音源、ドラマになっているが、実際の写真を観たのはこれが最初だった。

 Eltonのインタビューも新しかったし、Hugh McCrackenの声も珍しく思えた。特に1981のローリングストーン誌の記事には日本公演まで計画されていたわけだから、Wingsの来日トラブルのあった後だけにJohn Lennonの生ライブには期待せずには居られなかったろう。

 少なくとも現在に至るまで、Johnのような世界観で多くを引きつける存在は登場していない。近年の話題の裏には政治やカネ、商業主義がつきまとうが、すべてが「違う」ものなのだ。その部分がこの作品に色濃く映る。

 収穫だったのは、Yoko Onoの必然的存在が明瞭であったこと。我々が最初に「Double Fantasy」を耳にした頃、どうしてもアルバムにはJohnの曲だけで十分だと思っていた。しかしこれは、時代特有の縛りだということが今回わかった。映像ではJohnがYokoの曲を当時のテクノボイスと比べて表現する部分があるが、確かに今聴くと違和感がない。むしろ声楽的なハイトーンは新たなるものを生み出せたのかもしれない。結論からしてBeatlesという縛りが大きいために、(その頃は)どうしても受け入れなかったのだと思う。

 ドキュメンタリーの演出が狡い。悲しくさせるラスト。あの頃を思い出した。