2013年12月1日日曜日

Movie: Captain Phillips (2013)


 久しぶりに「映画館で映画を観た。」と思える映画だった。考えてみればこれまでの多くのCG処理の大作からは疑似体験しているかのような緊迫感はほとんど得られていない。今回のような作品は今の時代に実に貴重だと思う。まず思い出したのが「Black Hawk Down」。アフリカが絡んだ政治ものとしては自分の中から外せないが、Tom Hanks主演という意味では「Cast Away」のほうが「ライブ感覚」のヒューマンストーリーという意味では近いようだ。
 Captain Phillipsという人物像から始まり、海賊との関わりを持ってしまう前半は見所が多い。かつての映画「Duel」まで思い起こしてしまう「接近」の緊張感。中盤からはアクション性に替わって恐怖との戦いを描くことになるが、海賊側の統率性に掛けた部分が中和剤のようで微妙な空気感を生んでいた。終盤は思った以上にスマートでなかったことは意外。エンドロール直前に幾つもの船が映っていたことが(思った以上に困難であるという)現実に基づくストーリーとして捉えるべきところを強調していたのだろうか。

 今年「映画館で観るべき」映画としてこれを推薦してもいいと思う。