2009年2月19日木曜日

Movie: Alatriste (2006)


If this movie included more impressive scenes, it would be to have become another.


 はっきり言えば、Viggo Mortensenの映画のフォロワーであるとか、スペイン史若しくは史劇に興味があるとか、特別な目線を持っていない限り、そんなに楽しめない。 鑑賞する場面場面は、確かに時代を印象付けるものではある。八十年戦争のフランドル地方での戦いに始まり、英国人暗殺事件、ベラスケスの絵画まで登場させたブレダの戦闘など、宗教戦争の特徴も織り交ぜて、Alatristeの足跡がよくわかるようになっているのだが、その過程で登場する人を斬る場面などが全編無機質に思えるため、何か場面を無難にこなしているという感じ。恩と仇を象徴する場面もあるにはあるが、やはりインパクトが無かった。不思議なこの空気。もし17世紀のスペインが「そんな時代だった」と割り切るのであれば、わざとらしさのある絵画を意識したようなコントラストと構図が意味を成さないのでは。

 2時間半近くに及んだこの作品。結局は陰の印象を引き摺るのみで、これといった印象的な場面を特定することができないで終わった感がある。 スペインと言えばPedro AlmodóvarやAlejandro Amenábarを出すまでも無く、多大な期待が持てる映画を提供する国であるのだが、今回は残念だったと言いたい。

 自分なりに興味があったのはパイクを持つ兵士とこれによる陣形。「gradiator」「300」「Red Cliff」とはまた一味違う場面だった。