2011年5月10日火曜日

Movie: Unknown (2011)



 序盤、'70年代のカーチェイス・アクション映画のように、そのつくりは古典的であるものの安心感があった。冒頭から暫くはこのわかりやすい物語に嵌る。しかしこの映画には二度転機が訪れる。ひとつは映画の目論むタイトルの意図する「きっかけ」を境にしたところ。もうひとつはギャラリーでの二人の接近シーンあたりである。第一の転機においてはサスペンスではお馴染みの謎解きのテンプレート上にはあるのだが、第二の転機あたりからは、イメージのレイヤの違いが露呈。「'70年代的」という言葉が消え去ってしまった。同時に安心感も飛んでいった。そこまでは自分の中で、Liam NeesonやBruno Ganzの出る(安心できる)映画として信じきってしまっていたのだ。最後はなんとなく解決させられてしまった感がある。ちょっと後味が悪かった。

 一番興味をそそられたのが、元東ドイツの秘密警察といった設定。この辺をもうすこし要素にして欲しかったかも。