監督がGeorge Clooney。5作品目ともあってなかなか板についてきているし、この映画ではゴールデン・グローブの監督賞候補にもなっていた。
いわゆる裏側の映画である。何事も綺麗に見せかける表舞台とは裏腹な部分。そこには決して同じ考え方で動けないものが点在しているのだ。
キーワードは忠誠(loyalty)。登場人物ではPhilip Seymour Hoffman演じるPaulがその言葉を多様し、実質(候補者を支援するトップの)彼が軸になっている。前面で動くStephenやMollyあたりはそれを揺るがす役目を持ったキャラクター。「実利」的な空気と混ざり合っていく。特に途中からPaul Giamatti演じるTom Duffyの介入あたりから「忠誠」という言葉の意義を観客に問いただしていく流れになる。そういう展開もあって、この映画は大統領候補となるMike Morrisを含め登場人物を「忠誠」「実利」のくくりで見て行くと面白いと思う。
少し演出過剰な部分もある。PaulがMikeの車に乗る場面。The God Fatherだったらとんでもないことになる映し方。このへんは好きになれなかった。