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10数年ぶりに劇場で観たこの映画。今度は3D仕様である。
長い映画という感じを微塵もさせないのは、ストーリーにロープを張り、観客がそれにしがみ付いているかのような流れにある。そこには観客の視線の前に疑問や混乱や退屈や違和感を抱かせない実に自然な影像が存在している。
以前の鑑賞で内容は分かっていても、実に新しく、新鮮さを失わないこの映画に、3Dが加わるとどうなるのか??。興味深かった。
率直に今までの3D映画よりも群を抜いてスリリングである。特に船首から海を見下ろす場面などはこの3D映画の目玉といっていい。ただ一番残念だったのは遠景。期待していた船の引いた構図は予想していた立体感がない。一方で人の会話の場面はとんでもなく立体感がある。字幕もまた飛び出してくる。もちろん大変な技術であることはわかっていても、もう一歩完成度が欲しかったと思うのは贅沢なことだろうか?


